2013年2月11日 (月)

ワイン産地、大阪!

日本固有のブドウ品種といえば、山梨の甲州ブドウが有名ですが、大阪でも同じように昔からブドウが栽培されていたことを、ご存知ですか?
それを教えてくださったのは、大阪・柏原市にあるカタシモワイナリーさん。大阪市内から車で40分ほどのワイナリーへお邪魔してきました。
カタシモワイナリーと聞いてぴんと来た方もいらっしゃるでしょうか。そうです、あの、発売後即完売となってしまう大阪のワインを代表する人気商品「タコシャン」を造っているワイナリーさんです。
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(写真左、中)大阪市内から車で40分。近鉄安堂駅から徒歩10分ほどの住宅街の中に、カタシモワイナリーさんはあります。この一帯は古跡の残る寺町で、いまも情緒ある家並みが残っています。
(写真右)これが噂のタコシャン!(大坂を代表する品種、デラウェア100%。洒落でなく、本当にたこ焼きに合うんですheart01

現在、同ワイナリー代表でブドウ作り4代目の高井利洋社長に、ワイナリーと町をご案内いただきました。
カタシモワイナリーさんのある、現在の柏原市では、1500年代、豊臣秀吉の時代から紫ブドウという日本固有品種が栽培されていたそうで、ワイナリーのある合名山一帯はブドウ畑だったそうなのです。ブドウといっても食用ではなく、日差しよけなどのために軒先になっているようなものだったのだとか。

そこへ、明治期に政府の命令で甲州品種の栽培が義務付けられ(なんと、甲州ブドウでワインを造って外国へ売り、外貨を稼ごうという政策だったそうな!)、大阪にも新宿御苑の試験場から苗木が送られてきました。それが「堅下甲州」。利洋社長の曽祖父、祖父が栽培、ワインの醸造に成功、全国にその名を轟かせました。一時大阪は全国有数のワイン産地でしたが、第二次大戦後は徐々に衰退、現在はここカタシモワイナリーさん含め、7社のワイナリーのみになりました。7社とも河内地区(柏原・羽曳野・太子町・八尾)にあります。
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カタシモワイナリーさんの畑にある樹齢80年の甲州の古木。ちなみに、紫ブドウは最後の1本の種木を宮ノ上畑へ移植してあります。
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1961年の甲州のボトル。このほかにもカタシモワイナリーさんのカーヴには、古いワインが静かに眠っています。
さて、ここまでが西日本で一番歴史あるワイナリーさんのお話。
そして、ここからは、まさに2013年に誕生するワイナリーのお話です。
大阪を代表する「ワインショップFUJIMARU」さんは、2006年の創業。オーナーの藤丸智史さんのセレクトは飲食店をはじめ、消費者からも支持を集め、大坂市内に小売店3店舗を次々にオープンさせるという、破竹の勢いのワインショップ。
そんなノリに乗っている藤丸さんは、そもそもワイン作りがしたくてこの業界へ入った方。海外のワイナリーでの修業経験もあり、先ほどご紹介したカタシモワイナリーさんの設備を借り、「キュべ・パピーユ」(藤丸さんの会社名は株式会社パピーユといいます)と名付けた自分のワインを製造販売するほどで、カタシモワイナリーさんの畑のすぐ近く、急斜面の放置農地を借り、開拓しているとは伺っていました。
が、なんと今度はワイナリーを造ってしまったというから驚きです。
しかも、大阪市内。しかも繁華街ミナミのそばに!
ミナミのそばということは、
あのグリコの看板から徒歩数分の場所に、
ワイナリーが、
できてしまうということなのです!!
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藤丸さんが借り受け、開拓した畑。ほぼ手作業での開拓で、畑の世話は藤丸さんとボランティアさんがしています。ここ以外にも同エリアにいくつか畑を借りていて、現在はメルロー、ピノ、シャルドネ、ベーリーA、シラー、ピノブラン、カベルネなどを植えています。


「僕が造りたいのは、毎日、気軽に飲めるワイン。それには低価格でなくては。その低価格を実現するにはどうしたらいいか。ワイナリーをつくるには、3千万以上かかります。土地を買って、建物を建てるからです。それがワインの価格に反映する。本当に建物を建てることが必要か? 自分の今の仕事を続けることも併せて考えた上で、ならば市内で、賃貸ビルを借りてワイナリーをつくってしまおう、と思ったんです」と藤丸さん。
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ここがワイナリー。1万5000本の醸造能力があります。1階(写真上)と、カーヴになる地下1階(写真下)を合わせて150㎡ほどの広さ。2階もあり、そこはワインバーになる予定です。


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まだ製作途中のロゴ。島之内とは、ワイナリーのあるエリアのこと。


いよいよ、マイクロブルワリーならぬマイクロワイナリーが誕生します。実際の仕込みは今年の秋からを予定。ワイン産地、大坂。旧新ともに、要チェックです。(kameyama)

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2012年12月 5日 (水)

男前生産者を巡る、雲南の旅路。

旧暦10月の神在月、神様が一同に会する出雲に「縁結び」ツアーに行きませんか? というお誘いを受け、社内数いる(?)お年頃の独身女子を押しのけて、既婚者、しかも+コブ2の林が行ってまいりました! 

島根県雲南市の食に触れるというのが、一応(?)の、表のミッション。雲南(中国雲南省ではありません~)は、松江市や出雲市の奥隣にある新しい町。豊かな自然を巧みに生かした、小さくて強い「農」産地でもあり、“パスチャライズ”牛乳の木次乳業や、「小公子」の奥出雲ワイナリーなど、『料理通信』読者ならご存知と思います。

立ち上る雲の割れ目から陽光が差し込み、神秘的な空模様。素敵な殿方との出会いがあったりして……と、期待に胸膨らませつつ、まず向かったのは雲南市木次町。そこで待っていてくださったのは、超男前のお母さん(!)、有馬美彌子さんでした。
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オランダ在住経験もある有馬美彌子さん。どぶろくは、旧暦に従い、月のリズムも参考にしながら仕込む。

このお母さん、実は杜氏さん。実はこの地はまさに、スサノオノミコトが八岐大蛇退治のために酒を仕込んだといわれている場所。それにあやかり、自家有機栽培の米を使ってどぶろく造りに励むほか、大蛇を酔わせたという「八塩折の酒」の再現にも取り組んでいます。

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湯呑でトポトポ……と、どぶろくを振る舞う姿は何とも様になっていて、「そうか、そもそもどぶろくは昔、お母ちゃんたちが漬物を漬けるように造っていたお酒だった」と、妙に納得(もちろん今は要免許。有馬さんは取得済)。お酒は甘くてトロリ、酔いもじんわりと回ってきて、農作業で疲れた身体にはさぞや、じんわりと染み渡るだろう味わいでした。

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仕込み場に隣接する茅葺家屋の農家レストラン。有馬さんのどぶろくはここでも飲めます。

有馬さん働く、室山農園は、雲南市木次町の「食の杜」にあります。「食の杜」は、志ある生産者たちが集まって、思い思いの農園、店舗、宿泊施設を営む“スローフード”な農エリア。「食の杜」、ほかにも男前生産者が続々……。続きは次(の林担当)回で!(hayashi)

2012年 12月 5日 ルポ | | トラックバック (0)

2011年2月 3日 (木)

工場見学 RF1静岡ファクトリー5

世界の社食から(?)

「社員食堂を建物の一番いい場所に」――それが、ロック・フィールドの鉄則です。

みんなで食べるランチが午後の活力になる、そう考えるロック・フィールドの社員食堂は、広くて明るくて開放感があります。
静岡ファクトリーも例外ではありません。春には、社員食堂からこんな満開の桜が眺められるんですよ。

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静岡ファクトリーの社員食堂からの眺めはすばらしい。

R0012054私たちが取材に訪れた日のメニューは、「豚玉丼」651kcal、「魚フライ(2種類から選択)」501kcalのいずれかに、中華スープとごはん。もしくは、うどん、そば。そして、数種の小鉢から1品。さらに、RF1のサラダバーやデザートのケーキ、「ベジテリア」のフレッシュジュースもあり、という大充実ぶりでした。

黒板メニュー。ビストロみたいでいいですね。

社員食堂というと、専門業者が運営を任されているケースがほとんどです。
飲食関係の企業でも、それは変わりません。
商品としての食事と自分自身の食事の間には一線を引く、というのが一般的な感覚なのかもしれません。
が、ロック・フィールドの場合、社員食堂も自社で賄っています。

ちなみに、RF1の店舗の清掃はサービスグループが管理しています。
オフィスの清掃もすべてサービスグループが行います。
考え方は一緒なのだと思います。
自分たちの食事や掃除は自分たちの手で。
生活の基本をないがしろにしない姿勢が、お客様が真に求めるものを提供していけると考えているのでしょう。
ロック・フィールドが、なぜ食育に取り組むのか、答えはそこにあるような気がします。(kimijima)

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RF1のサラダバーです。

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左:はっきり言って欲張り過ぎです。私じゃありません。
右:お誕生月のスタッフさんにはバースデープレゼントが。

 

2011年 2月 3日 ルポ |

2011年2月 2日 (水)

工場見学 RF1静岡ファクトリー4

安全のための鉄壁の守り

オフィスにせよ、工場にせよ、ロック・フィールドの施設を訪れると、入口には必ず消毒液があって、手を消毒してからでなければ入室できません。
正式にはもっと本格的な「うがい」「手洗い(ブラシで爪の隙間まで洗う)」の後に「消毒」という手順を踏むことになっています。

最初はびっくりしました。

新型インフルエンザが流行った時、消毒液を受付に置いた会社がたくさんありましたが、そんな生易しいものではありませんから。
しかし、何度もオフィスを訪れているうちに、つくづく思いました。習慣化されて、衛生観念は養われるものなのだと。

静岡ファクトリーの場合、当然のことながら、もっともっと厳戒態勢が敷かれます。
ほら、この写真、まるでオペ室か宇宙船に入っていくような(単に写真がボケてるだけ?)雰囲気でしょう?

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ファクトリーのサラダ作りの現場に入るには、露出しているのは目の周りだけという状態になります。マスクが苦手な私、呼吸困難に陥りそうでした。

レタスなど葉物の野菜は、一枚一枚、水流の中を泳がせて洗います。
その横には「虫レベル」の表示が。野菜の種類ごとに1~5の数字がふられています。

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葉物は一枚一枚、流水の中を泳がせて洗います。

「何ですか、虫レベルって?」と質問する私。
「1ケースの中にどのくらい虫がいたか、記録しておくのです。多い場合には、生産者さんに注意していただくようお願いします」とのこと。

所々、壁に「衛生ゾーン」「準衛生ゾーン」の表記が。
これは、野菜がサラダになっていくにつれ、厳戒度が上がっていく印だそうです。
土付きの野菜は「準衛生ゾーン」にも入れません。
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衛生レベルがよりアップする「衛生ゾーン」。

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食材搬入口は、土が付いたままの野菜が入ってくるところ。このスペースとファクトリー内は二重扉で仕切られています。

そして、最後に目を引いたのが、小さな升目にナンバーがふられたボックスでした。
これは、この日製造したドレッシングを保存しておき、一定期間後の状態をチェックするためのもの。たとえば3週間経つとどんな状態になっているかを見るわけですね。

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本日製造分のドレッシング。すべて保存して、一定期間後に状態のチェックをします。

安全であるためには、注意してし過ぎることはない――そう教えられたような気がします。(kimijima)

2011年 2月 2日 ルポ | | トラックバック (0)

2011年1月31日 (月)

工場見学 RF1静岡ファクトリー3

野菜加工のプロフェッショナル

『食育新聞』でご紹介したいと思いながら、なかなか機会に恵まれなかった写真があります。ジャガイモの芽取り道具の収納板です。

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ひじきやごぼう、タケノコなど和素材のサラダを世に送り出し、30品目サラダをフード界の定番にするなど、20年にわたってサラダ革命を起こしてきたRF1ですが、それでもやっぱり永遠のアイドルはポテトサラダ。それくらい日本人はポテトサラダが好きなんですね。「北海道男爵のデリシャスサラダ」と「フレッシュ野菜たっぷりのポテトサラダ」、2種類のポテトサラダは通年の人気商品で、日々ファクトリーで使うジャガイモの量はハンパではありません。

そのハンパじゃないジャガイモの芽は、ファクトリーのスタッフがひとつひとつ手で取っているんですよ。

芽取り道具の収納板を見た時には驚きました。
“専用”なんです。
どれも刃の減り方が違っていて、減った角度も違っている。
一人ひとり、使いグセがあるのでしょう。
芽取り作業を見せていただきましたが、目にもとまらぬスピードでした。
手になじんだ道具が欠かせないはずです。

もうひとつ驚いたのが、野菜カッターの警告シール。
思わずギョッとするイラストなんです。
それくらい切れるってことなのでしょう。

カッターの刃は何種類もあって、野菜の種類や切り方、サイズによって使い分けられます。トレヴィスやパプリカは専用の刃があるんですよ。
いずれも頻繁に研いで、切れ味を保つそうです。
サラダになってからの生野菜の状態が維持されるためには、切れ味の占める割合が少なくありません。
包丁ひとつで味が左右される刺身と一緒なんですね。(kimijima)

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いろいろ揃っています、カッターの刃。

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見ているだけで痛くなる警告シール。

2011年 1月 31日 ルポ | | トラックバック (0)

2011年1月27日 (木)

工場見学 RF1静岡ファクトリー2

第2回 人にも素材にも地球にも負荷を掛けない

工場見学がブームです。食品工場はとりわけ人気。
確かに最近、お菓子工場などの内部に潜入したTV番組が多いですね。

人や素材への負荷を軽減しながら、均質かつ効率的なものづくりを実現しているのが工場――つまり、工場には、人間の知恵とテクノロジーが凝縮されているのですね。「へぇ~」に満ち溢れている。ブームになるのもわからなくありません。
同時に、工場には、その企業が何を大切にしているのかも凝縮されています。
工場見学は企業を深く知る近道でもあると言えそうです。

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ロック・フィールドの静岡ファクトリーは「循環型ファクトリー」です。
遠くからも見える3基の風車、その風力発電によるエネルギーと微生物の力で、野菜を洗浄した排水を浄化しています。
浄化された水は、ファクトリーの庭にあるビオトープを経て、川へ。
野菜クズは、破砕脱水機で粉砕して有機肥料になります。
ジャガイモやレタスの搬入は、ゴミになる段ボールを使わずに、何度も使える通い箱や専用コンテナで。
オイルは、容器を排除するため、庭にタンクを設けてストックし、タンクローリーで補充していています。
酢はコンテナで納品、こちらも容器要らずです。
人や素材への負荷を軽減するだけでなく、地球への負荷をも軽減しているんですね。

RF1のサラダを利用する人は必ず言います、「あれだけの種類の野菜を自分で買ってサラダにするのは大変!」――手間もかかるし、ゴミも出る。使い切るのに工夫もいる。
静岡ファクトリーが私たちの代わりにサラダ作りをしてくれる、それも地球に負荷を掛けないように。ファクトリーの仕組みをちょっぴり知るだけで、凄いことなんだって、わかります。(kimijima)

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ファクトリーの庭を流れるビオトープ。浄化された排水はここでさらに自然となじんでから川へ還ります。

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敷地内に立つオイルタンク。ドレッシングなどに使うオイルはここにストック。


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こちらはジャガイモ用コンテナ。

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葉物は通い箱で搬入されます。ゴミを出さない仕組みがあちこちに。






2011年 1月 27日 ルポ | | トラックバック (0)

2011年1月24日 (月)

工場見学 RF1静岡ファクトリー1

第1回 入口が物語るANDO建築

『料理通信』では、2010年7月号より、株式会社 ロック・フィールドのサラダブランド「RF1」との共同編集で、『SHOKU-IKU新聞』(月刊)を制作しています。
(RF1店頭で配布。一部紙面は『料理通信』に掲載)
新聞でお伝えし切れなかった、ぜひ知ってほしいRF1の取り組みの数々を、TRIPPA通信でご紹介してまいります。

株式会社 ロック・フィールドの神戸ヘッドオフィスは、安藤忠雄氏が監修しています。
阪神大震災で被災した巨大な物流センターを「もったいないから残す」をコンセプトに基礎部分から補修し、オフィス、ファクトリー、物流センターの3つの機能を兼ね備えた建造物へとリノベーション。第9回神戸市建築文化賞「ストック再生部門」を受賞した、メッセージ性の強い建物です。

昨年9月にリニューアル・オープンした「神戸コロッケ元町店」の店舗デザインも、安藤氏が手掛けています。

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R0011952RF1のサラダ作りを一手に担う静岡ファクトリーを訪れて、まず強い印象を受けるのが、長いアプローチです。
(神戸ヘッドオフィスのアプローチも長い……)
ゆるやかなカーブと傾斜を描きながら、来客入口へ導いてくれるアプローチは、現代美術館のエントランスのよう。

長いアプローチからは周囲の景色が眺め渡せます。

実は(というか、ちょっと考えればすぐ想像がつくのですが)、静岡ファクトリーの入口はここだけではありません。

スタッフ入口があり、食材搬入口があります。

なかでも一番厳重なのが、食材搬入口。
虫などの侵入を防ぐため、二重扉で仕切られているのです。

R0011937そればかりでなく、食材搬入口と製品搬出口は、建物の正反対の面に位置していて、食材から製品までの加工の流れが逆流することは決してありません。ファクトリー内において食材と製品が同居する瞬間も絶対に存在しません。

⇒食材搬入口。反対側に製品搬出口があります。

すべては食品の安全のため。

ファクトリーの構造とはすなわち機能であることを、正反対に位置する入口と出口が教えてくれていると言えるでしょう。

じゃ、来客用のアプローチは何のため?

きっとそれはワクワクのため。

ほら、「チャーリーとチョコレート工場」と一緒だと思うのです、工場って「中はどうなっているの?」って、誰もが気になるもの。そんなワクワクを倍増させるための長いアプローチ、ってことはないか……。(kimijima)

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グリーンが巧みに組み込まれているのも特徴。

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安藤忠雄氏から届いた手紙。

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2009年1月16日 (金)

三重食材の旅・その3 最終回

念願の伊勢うどんを食べて、可愛い仔牛たちの顔を見て

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●1月9日(金)、12日(月)のブログから続きます。まだご覧になられていない方は、スクロールしてご覧ください。
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2日目の午前は、干なまこの取材です。なまこは、私にとって理解しがたい食材のひとつ。「これを最初に食べた人って、えらい」、そういった位置付け。もちろん、嫌いじゃありません。なまこの酢の物も好きだし、ばちこ(このこ)も好きです。ただ、生き物としての見た目がちょっとグロテスクというか……。

なまこには、黒なまこ、青なまこ、赤なまことあって、日本料理店で酢の物やこのこになって出てくるのは赤です。黒は干して中国料理に使われます。三重では、従来、黒を捕ることはなかったのが、数年前から干なまこにして輸出しているそうです。案内してくださったのはサン・サービスコーポレーションの吉川俊さん。「なまこは90数%が水なんです。捕ったらすぐ、お腹を割いて、内臓を取り出し、1時間ほどボイル。そこからは、天日干しとボイルを繰り返します」。それによって、10~30cmほどもあったなまこが、わずか小指ほどの大きさに。「ツノがしっかり立っているほうが高価です。味は関係ないんですけどね。中国では姿煮にするので、ツノが喜ばれるみたいです」
大きなツノがたくさん出たなまこが高値になるそうです。

Photo_14そして、最後に訪れたのが、四日市の加藤牧場でした。牛の繁殖と肥育は別々に行われるのが一般的な中で、加藤牧場は出産から出荷まで手掛ける一貫肥育、「加藤牧場牛」という自家ブランドでの販売にも取り組み始めています。四日市市内の農家と提携して、麦藁や稲藁を牛のエサとしてもらい受ける代わりに、牛の糞を堆肥にして提供する循環農業を行いながら、繁殖牛を300頭、肥育牛を650頭育てているんですね。
人懐っこくて、近づくと顔をすり寄せてきます。

Photo_15代表の加藤勝也さんの案内で牛舎を見て回ると、まだ生まれて間もない仔牛が。 「毎月20~25頭が生まれますね」と加藤さん。生まれて5日後には母牛のもとから離され、2週間は哺乳ロボットからミルクを飲む練習をし、2カ月はミルクで、その後は大人と同じエサで育ちます。約28カ月で出荷されていくそうです。「生まれるところからすべて見ている、これ以上のトレサビリティはないと思っています」。ちなみに繁殖牛のほうは、昭和63年生まれの牛もいるなど長生きです。「加藤牧場には牛の一生がある」と感じ入ったのでした。ところで、目指すのはどんな肉質? 「サシが少なくても味のある肉ですね。そのためのエサの工夫をしています」。加藤さん、これからはサシより赤身の時代です。応援しています!
ふかふかの寝床の上でくつろぐ仔牛たち。

Photo_2三重の旅は、三重県農水商工部マーケティング室の吉岡俊秀さん、百五経済研究所地域調査部の中畑裕之さんのご案内で回りました。有難うございました。移動の車中、眠ってばかりでごめんなさい、年末進行の疲れが溜まっていたもので……。伊勢神宮の参道まで行きながら、お参りはせず、伊勢うどんを食べて、キスの干物を買っただけで帰ったこと、神様、どうかお許しください。これも仕事だったのです、仕事。(kimijima)

伊勢神宮の参道には「お拔い町」と「おかげ横丁」、情趣豊かな通りと一角があります。写真は赤福本店。

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三重の食材が気になり始めたら、新丸ビルにGO!!

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東京新丸の内ビルディング
三重県フェア[MARUNOUCHI house Meets MIE]開催中!

1月13日~25日の間、丸の内ハウス(新丸の内ビルディング7階)内8店舗のレストランで、三重県食材を使った創作メニューが味わえます。

【期 間】 1月13日(火)~25日(日) *但し18日(日)は休館日です
【会 場】 新丸の内ビルディング7階 丸の内ハウス

2009年 1月 16日 ルポ | | トラックバック (0)

2009年1月12日 (月)

三重食材の旅・その2

捕れたての伊勢海老の刺身を食べ、
たっぷりのお湯に浸かって、あぁ~極楽!

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次に訪ねたのは、伊勢ひじきの製造元「北村物産」。創業1790年(フランス革命の翌年ですね)、現当主は9代目という老舗です。ご説明くださったのは10代目の北村裕司さん。まず、伊勢ひじきの製法ですが、(1)刈り取り→(2)素干し→(3)水戻し・水洗い→(4)蒸し→(5)乾燥、という工程を踏むそうです。伝統的に「(4)蒸し」の製法を採っているのが伊勢ひじきの特徴で、他の地域では従来「茹で」てきたらしい(最近は他の地域でも蒸すところが増えたとか)。「茹でると味わいの成分が流れ出てしまう。伊勢では蒸すため、味をしっかり含んだひじきに仕上がるのです」と北村さん。北村物産にはベテランの蒸し職人がいて、「その日、入荷したひじきに合わせて、水戻し、水洗い、蒸しの作業をします」。職人の見極めひとつ、腕ひとつで全然違う仕上がりになってしまうそうです。なお、「三重ブランド」として県の認定を受けた「伊勢ひじき」は、「収穫した浜ごとに袋詰めしている」とのことです。

写真)明治30年の水産博覧会で受賞するなど、古くから高い評価を受けてきました。

Photo_10さて、クリスマスイブの夜、私を出迎えてくれたのは、鳥羽市畔蛸町の「民宿北川」。岩牡蠣の生産者として知られる北川聡さんが営む海べりの宿です。何を隠そう、数年前に牡蠣に激しくあたって以来、牡蠣は恐る恐るの私。「民宿」という名称にも恐る恐るでした。だって、バイオトレジャー仲間の山本洋子さんから、「なんと君島さんはクリスマスイブにあの北川さんの宿に泊まるとか。ぷぷぷーっ(笑)、すごい!」というメールをいただいていたのです。いったい、どんな宿だ……。ところがどっこい、これがいい宿なんです。捕れたての伊勢海老やヒラメ、サザエの刺身ほか、山育ちの私には把握し切れない生きの良い魚の数々でもてなされ、大きな湯船でたっぷりのお湯に浸かって、ああ、もう極楽だぁ~。すっかり一年分の疲れを取り去ったのでした。最高のイブだわ……。

Photo_11翌朝は、北川さんの船で海へ。風を切って走る船が気持ちいい―――。北川さんが育てている岩牡蠣を見せてもらい、北川さんの話に惚れ込んだキミジマ、「絶対、この人、取材してやる」、心に決めたのです。(kimijima)
写真上は「民宿北川」での夕食。ご主人が捕ってきた魚でもてなしてくださいます。ご主人は、米も作れば、猪も撃つオールラウンダー。翌朝、船に乗せていただきました。

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昔は相撲をやっていた海の男。だから、民宿の部屋名は、「北の湖部屋」「九重部屋」など相撲部屋の名前なんですよ。

2009年 1月 12日 ルポ | | トラックバック (0)

2008年8月13日 (水)

三重出張ルポ・その2 「伊勢うどん」奮闘記

松阪出張前日、キミジマは、販売担当のワタナベから「伊勢うどんが食べたいです」と頼まれておりました。
鑑定会終了後、三重県庁の方々に聞いてみました、「お薦めの伊勢うどんはありますか?」。すると、「松阪は伊勢うどん文化圏じゃないからねぇ」。ああ、三重は広い……。とはいえ、ワタナベの切なる願望のために、みなさんで頭をひねってくださり、「みやげもの的な製品を買うより、スーパーで地元民用の生麺を買うのがよい」ということに。しかし、三重では時間切れで買えず仕舞い。「伊勢うどん、伊勢うどん」とつぶやくキミジマを見かねた鑑定員仲間の結城さん、「新幹線を遅らせて、名古屋で買いましょう!」。名古屋に到着するなり、みどりの窓口へ走る。続けて、高島屋へ、近鉄へ、名鉄へ。ワタナベへの責任を果たすべく、駅至近のデパ地下を一緒に駆けずり回ってくださったのです。デパ地下へ入るなり、最寄りの販売員さんをつかまえては「伊勢うどん、置いていますか?」、結城さんが聞いてくださる。繰り返し、繰り返して、見事「伊勢うどん」をゲットしました。結城さん、三重県庁のみなさん、「伊勢うどんは」無事、ワタナベの口に入りました。本当に有難うございました。

Udon_3 これがゲットした「伊勢うどん」。
次回は、お伊勢さんで、ほんまもんを食べたい。







Udon2_3 <後日談>

三重県庁の方が「伊勢うどん」を送ってくださいました! 普段、冷凍庫に常備して召し上がっていらっしゃる「ソウルフード」だそうです。ふわんとした独特の食感の麺、コクのあるタレ……共においしい。パッケージがお茶目です。私もさっそく2袋ほど冷凍庫へ。夜食にぴったりです。(kimijima)

2008年 8月 13日 ルポ | | トラックバック (0)