「ブルガリ イル・チョコラート」の新作
■「ブルガリ イル・チョコラート」の新作発表会に行ってきました。
アトリエ見学付きです。
ショップのバックヤードにあるアトリエに案内されると、エンローバー(ボンボンに上がけする機械)から送り出されるジェムズ(ブルガリではボンボンのことをこう呼びます。宝石の意味です)に、3人がかりで装飾を施していました。1人がホワイトチョコを流しかけ、1人が転写シート(ロゴマークのプリント)をのせ、1人がその上から押さえ付ける(ロゴがきれいに転写されるように)……。上がけのチョコレートは31~32℃で流しかけますが、刻々と固まっていきますから、その前に一気呵成にやらなければならないんですね。
2013年のコレクションは、
・ ブラッドオレンジとフレッシュバジル、ブラックオリーブ風味のホワイトチョコレートガナッシュをブラジル産カカオのビターチョコでコーティング。
・ ブラックペッパーとドライ・パンチェッタ、ゴルゴンゾーラのガナッシュをインドネシア産カカオ豆のミルクチョコレートでコーティング。
といったように、もはやスイーツの域を超えています。
甘くないわけじゃない。甘いのだけれど、様々な味の要素が渾然一体となって、ひとつにまとまった味は、料理人も顔負けと言ってよいほど。高度な次元で完成されたひとつの味を形作っているんです。「ショコラティエの三浦直樹さん、こんな地点に到達しちゃったんだ……」、感慨深いものがありました。
今年も去年に引き続き、三浦シェフの故郷・仙台で400年の歴史を持つ「柳生和紙(やなぎうわし)」を使ったボックスが用意されています。83歳のおばあちゃんがたった1人で作っているとか。和紙と金の箔押しのブルガリ模様の組み合わせが、なんとも言えない趣きを醸し出していて、素敵です。(kimijima)