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2012年11月 5日 (月)

夏の疲れを吹き飛ばした天然鰻

こんばんは、サカニシです。夕飯時を狙って、お腹がなるネタをお届けします。10月某日、「極上の天然鰻を食べに行きませんか?」とお誘いいただき、栃木県の野木へ行ってきました。

実は、ちょっと及び腰でした。

子供のころは蒲焼の裏側に張り付くヌラっとした皮の感触が苦手で、大人になって食べられるようになったものの、わざわざ1時間もかけて食べに行くモチベーションはありませんでした。でも、行ってよかった。鰻のイメージが一新しました。

湘南新宿ラインで新宿から約1時間、「野木」駅からさらに車で20分、渡良瀬川を渡った田圃の只中に、目的地「甘露煮 瀬下」はありました。通常は上質な養殖鰻として知られる「共水鰻」を使っているそうですが、今回は特別に入荷した天然モノ。到着を待って鰻を焼くというのでさっそく作業を拝見。

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はじめに、串を打った鰻を5分ほど、炭火で焼きます。皮を下に網に置いてしばらくすると、左右がぐーっと反り返ってきます。これが上質な鰻の証拠だそう。
次第に焼き縮んでいくにつれ厚みがぐんと増してきます。その様子はまるで生きているみたい! 厚めのロース肉を網焼きしているかのような迫力です。炭の爆ぜる音の合間に、鰻が自らの脂で揚がっていくジュワジュワっという音が重なり、香ばしさが辺りに充満します。

うざく、白焼き、肝焼き、うな重の四変化で堪能した天然鰻のコース料理。脂のくどさや臭みなどは微塵もなく、拍子抜けするほど軽やかな口当たり。たれは、素材の風味を損なわないよう配慮したと思われる控え目な甘さと切れがあり、大振りな身がぺろりとお腹に収まってしまいました。

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うな丼も見た目の迫力に反して上品で繊細な味わい。焼いた後に蒸し上げ、たれをつけて蒲焼にする関東流。

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4代目当主の瀬下知也さん。伝統の甘露煮や佃煮の味を守りながら、上質な鰻料理も手掛けています。お肌はツヤツヤ、目はキラキラ。大柄な体躯から繰り広げられる繊細な手仕事によって、伝統の味が受け継がれています。(sakanishi)

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お店の入り口。鰻のコースは奥のお座敷でいただきます(要予約)。

◎「甘露煮 せしも」
栃木県栃木市藤岡町石川315-2
info@kanroni.jp

2012年 11月 5日 本日のトリッパの中身 |

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