パティシエの道-4:毎日がコンクール
■昨年出会ったパティシエの中でもとりわけ印象的だったのが、「ラ グラン ターブル ドゥ キタムラ」の坂倉加奈子さん(『料理通信』2月号P.23に登場)です。
フランス修業について、「フランス人の中に入って、彼らと同じように暮らして、彼らがお給料で何を買い、どのように暮らしているのかを知りたかった。お菓子文化もその上に築かれているのだと思うから」と語る言葉を聞き、技術を超え、お菓子という枠組みをも超えて、民族の深いところへ入って行こうとする姿勢に感銘を受けたのでした。
彼女は、今月、マドリッドで開かれる「C3」(ヴァローナ主催のレストラン・デザート・コンクール)世界大会に出場します。アジア予選では、熱いのも冷たいのも、硬いのも柔らかいのも、固形も液状もクリーム状も泡状も、実に多種多様なパーツが共存するデザートを作り上げていました。コンクール会場という制約だらけのキッチンで、なぜ、あそこまでできるのか?
と思っていたら、今回の取材で仕事ぶりを見せてもらって、ちょっと納得。レストランのパティシエって、日々の仕事がコンクールのような感じなのだろうなって。(kimijima)
ノルウェーの名レストラン「バガテル」でシェフ・パティシエを務めていました。同店は、シェフのリタイアに伴い、閉店。シェフの功績を称えて出版された本に坂倉さんも登場しています。(写真一番上も同書より)
「バガテル」シェフのオーダーで坂倉さんが作った「オムレット・ノルヴェジエンヌ」、只今制作中。
「ラ グラン ターブル ドゥ キタムラ」は恐るべきグランメゾン。パティスリールームがこんな感じなんですよ。
個室からアプローチを眺めたところ。茶室もあります。