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2011年5月10日 (火)

「いいやマイマイ」で「てヲとる」復興支援!~「ジョンティ」食事会開催

あの3月11日の翌日、12日未明、長野県で発生したマグニチュード6.7の地震を覚えていますでしょうか? 大きな損害が出た地域も少なくありませんでした。その1つが長野県栄村。高齢化の進んだ、人口2500人ほどの小さなこの村では、JR飯山線が崩落して不通になった他、住居や公民館等の建物が倒壊、804世帯2042人に避難勧告が出されました。

非常に大きな被害にも関わらず、東北の地震の影に隠れ、ほとんど報道されませんでしたが、いまだ多くの下水道が通じず、上水道も1/3ほどしか復旧しておらず、作業は長期化の見通しです。(栄村の被災状況については NPO法人栄村ネットワーク を)

その現状を受け、栄村の隣町・飯山と震災以前から親交を深めていた、浅草のアルザス料理店「 ジョンティ 」の富田さんが立ちあがり、興味深い支援活動を展開中です。

アルザス伝統料理の1つ「フライシュナク(肉のカタツムリ)」を、飯山の野沢菜の古漬けでアレンジした「いいやマイマイ」をレストランで販売(600円)し、半額を飯山の知人を通して栄村に寄付。また、飯山の市役所職員を通じて「いいやマイマイ」100個を栄村の被災者に送っています。

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「いいやマイマイ」。飯山の野沢菜の古漬と、シュークルートのキャベツの塩漬けとが同じ皿の上にのっています。

また、そんな富田さんに共感したフードコンサルタント・サカイ優佳子さんはじめとするチーム「ひとノま」が、富田さんの思いと栄村を応援するべく、4月8日(金)、ジョンティでの食事会を開催しました。

当日は、いいやマイマイのほか、タルトフランべやシュークルート、塩漬け豚モモ肉の煮込み、アルザスワインが振る舞われました。NPO栄村ネットワークの東京在住会員より、被災後の栄村について、写真を交えて報告もなされ、集まった寄付金は彼に託されました。

「栄村についてほとんど知らなかったが、直接現地入りした人から話を聞けたことでリアリティを分かち合えた」「寄付金の用途が(『公民館の復旧』というように)見えるのがよい」「富田さんと榎シェフの心意気に惚れた!」など、参加者から様々な感想が聞かれました。

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会社員、経営者、ミュージシャン、大学教授、主婦など30代前半~60代まで様々な人が参加。都合がつかないからと開催前に寄付金を託した人あり、すでに決まっていた会食の予定を「ジョンティ」に変えて、別テーブルから寄付金を託したグループもあったそうです。

そう、このイベントの興味深い点は「寄付先」です。実はこの会、サカイ優佳子さんらが震災後すぐに立ち上げた「てヲとる」アクションの一環。「仲間で集まって食事をしたら、そうして食卓を囲めることに感謝し、被災地域の人にもそんな小さな幸せが戻りますようにという思いをこめて、一人500円程度を集めて寄付しよう」「寄付先はその場の皆で話し合って決めるのがベスト」という趣旨で、「その場にいる皆で“手をとり”、その“手を撮って”、ツイッターに #teotoru のハッシュタグをつけてアップしよう」という運動です。「いいやマイマイ」も、「てヲとる」メニュー(飲食店が、震災支援メニューを開発。その売上げの半額を被災地に寄付)の1つです。

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この「てヲとる」アクションは、さまざまなところで広がっている様子なので、ご興味ある方はTwitter #teotoru で検索を。

サカイさんは、その後、「いいやマイマイ」を「ジョンティ」から買い取って飯山に届け、飯山&栄村でワークショップを開くなど、継続して活動を展開しています。6月5日(日)には飯山の廃寺を舞台に、アートなどを絡めたイベントも開催予定とのこと。(飯山&栄村在住者によるそれぞれの「いいやマイマイ」を披露!というプログラムも。)今後の活動内容にも注目です。(hayashi)

●「てヲとる」 http://www.facebook.com/teotoru
サカイ優佳子さん公式サイト http://yukakosakai.com

2011年 5月 10日 東日本大震災関連情報 |

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