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2010年12月12日 (日)

お好みはどの世代、どのお酒?(3)

日本酒ジャーナリストの山同敦子さんと、「鈴木三河屋」大熊潤さんによるテイスティングコメント最終回は、今後ますます楽しみな30代前半。お好みは見つかりましたか…?

 

―30代前半―
農大で勉強中に「十四代」フィーバーを迎え、一世代後の自分たちの時代には、また違う味わいの酒が求められるはずだと考えた世代。味わいは控えめになる傾向あり。

【澤の花 純米ひとごこち 中取り
大熊:9号酵母特有の完熟バナナの香りですね。食事を誘う酸がある。
山同:やさしい感じ。食中酒によいですね。何か食べたくなる。脂のあるもの、手羽先とか豚カツに合う。

【山和 純米吟醸
山同:淡く爽やか。若さを感じますね。キレのよいきれいな酸で嫌味な感じがない。後からコクが来ます。白ワインと共通する酸がありますね。
大熊:きれいな酒を造りたいって伊藤さんもおっしゃっています。しかし淡麗辛口ではなく旨味がちゃんとある。バランスがいいですね。

【仙禽 純米大吟醸 中取り 無濾過生原酒
大熊:ここも兄弟蔵で、お兄さんは30歳くらい、弟さんはまだ20代です。とても個性的で、「甘酸っぱいお酒を造りたい」と話しています。好きかきらいかは分かれるかもしれませんね。米をすごく溶かして、雑味も出るけど、旨味も酸味も甘味もしっかり出す。この酒は、これまで日本酒を飲んでこなかった方に人気があるみたいです。
山同:余韻は短い。ノックアウトして勝負をつけたいって感じ。インパクト勝負のお酒ですね。パクチーなどのハーブと相性がよさそう。生春巻きとか、あとは酢豚とかもよさそう。ゲヴュルツ系の香りの出方をしていますね。大葉とかも合いそうです。これがもう少し年を重ねると自然と丸くなってくるのかもしれませんね。こなれた時が楽しみ。
大熊:若い造り手は、成長を見守る楽しみもありますよね。

TASTER
●山同敦子さん
編集者として全国の酒蔵を訪問した際に感銘を受け、独立。日本酒蔵、焼酎蔵や海外のワイナリーの取材を続けている。著書『愛と情熱の日本酒 魂をゆさぶる造り酒屋たち』(ダイヤモンド社刊)には、今の日本酒の担い手の姿が鮮やかに描かれて、感動必至! 3月に同書の改訂版をちくま文庫から出版予定。他、著書多数。

●大熊 潤さん
日本酒と焼酎の店「鈴木三河屋」取締役。同世代の造り手を中心に、質の高い酒を全国から厳選し販売。蔵元へも積極的に足を運び、造り手や飲食店からの信頼も篤い。
(東京都港区赤坂2-18-5 TEL:03-3583-2349)

2010年 12月 12日 今月の『料理通信』 |

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