【レシピ】家庭で使えるプロの技 2
ハイアット ホテルズ アンド リゾーツ
世界4都市のシェフからレシピを直伝「マスター クラス」
■9月上旬、パークハイアット東京で開催されたメディアイベント「A TASTE of PARK HYATT」のため来日したパリ、ワシントンDC、ホーチミン、シンガポールの4都市のシェフがマスコミ向けに特別授業「マスタークラス」を開催。第2回は、ワシントンDCからです。(ito)
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【2時間目】
パーク ハイアット ワシントン DC
「ブルー ダック タバーン」より
ブライアン・マクブライド氏
「ロブスターのマカロニチーズグラタン」
レストランのコンセプト「アットホーム」を今までにないスタイルで展開しているのが、マクブライド総料理長が指揮をとる「ブルー ダック タバーン」です。
オープンキッチンは今や珍しいスタイルではありませんが、なんとこちらは、ゲストもカウンターの内側(厨房側)を行き来できるという画期的な造りになっているそうです。誰かの家のキッチンに招かれたような温かな空気に、レストランは包まれているのでしょう。一度、体感してみたいものです。そんなワシントンからは、これからの季節にぴったりのサクサク、トロトロのグラタンレシピを教えていただきました。
ロブスターに鴨のコンフィ。海と山の旨味が詰まったグラタンは、思いのほかやさしい味わい。食感には秘密が…。
今回の「いただきポイント」は、粉チーズです。
グラタンにもいろいろな作り方がありますが、チーズを後のせするスタイルを日本ではよく見ます。
一方、シェフの作り方はチーズをベシャメルソースに完全に混ぜ込むスタイル。よってパウダーを用意します。しかも2種。手順を追うと、チーズ以外にも牛乳、高脂肪分の生クリーム、ふつうの生クリームと乳製品が次から次へと投入されていき、ちょっとヘビーでは……?と心配になってきます。
具とソースを合わせた状態。液状部分はなく、もったりとしたクリーム状。
しかも仕上げにはたっぷりのパン粉、その上にさらに溶かしバターまで……。ところが試食に臨むと、意外や意外。軽やかなのです。溶かしバターでサックサクになったパン粉の食感が、中のトロトロの具を引き立てます。チーズは熱々だと唇や舌に貼りつき、冷めると固まって皿の中のお荷物になりますが、これはいつまでも食べやすい。また、マカロニやペンネではなく、オレキエッテというのも新鮮です。
最後はパン粉に溶かしバター。これでサクサク感がアップ。クリーミーな中の具と対比が生まれて食感も美味になります。
今回はロブスターに鴨のコンフィと材料が少々贅沢で、このままそっくり真似するのは難しいかもしれませんが、いつものグラタンにこの「いただきポイント」を取り入れるだけで、かなり印象が変わるはずです。レシピはこちら。
RECIPE
ロブスターのマカロニチーズグラタン
●材料
【ソースの材料】
バター……50g
小麦粉……50g
牛乳……285ml
ヘビークリーム……70ml
タバスコ……2.25ml
カイエンペッパー……0.5g
塩、コショウ……少量
ブロンド・ルー……9ml
【具の材料】
鴨のコンフィ(みじん切り)……105g
ロブスターの身……210g
オレキエッテ(乾燥)……135g
グリュイエールチーズ……150g
シャープチェダーチーズ……150g
ニンニクのコンフィ(みじん切り)……12g
エシャロットのコンフィ……12g
カイエンペッパー……少量
フレッシュクリーム……37.5ml
チャイブ(刻んでおく)……少量
生パン粉……適量
澄ましバター……適量
※ヘビークリームは乳脂肪40~50%台の生クリーム
※フレッシュクリームは乳脂肪分30%台の生クリーム
●作り方
1.鍋にバターを溶かし、同量の小麦粉を混ぜ込む。牛乳、ヘビークリーム、タバスコ、カイエンペッパー、塩、コショウを入れて弱火で煮込む。
2.ボウルに鴨のコンフィ、ロブスター、茹でたオレキエッテ、塩、コショウで下味をつける。
3.ブロンド・ルーを少量の1で溶いてから、1の鍋に溶かし入れ、とろみがつくまで温める。
4.チーズを2種加えて混ぜる。
5.チーズが溶けたら、ニンニクとエシャロットのコンフィを加えて混ぜる。
6.カイエンペッパーを少量加えて混ぜる。
7.2の具を加えて混ぜる。
8.フレッシュクリームとチャイブを加えて混ぜる。
9.薄くバターを塗った耐熱皿に8の具材を入れ、生パン粉をふりかけてその上に、溶かしバターをかけ、180℃オーブンで表面にこんがりと焼き色がつくまで焼く(目安16~20分)。
2010年 10月 20日 | 固定リンク