【レシピ】家庭で使えるプロの技。
ハイアット ホテルズ アンド リゾーツ
世界4都市のシェフからレシピを直伝 「マスタークラス」
■9月上旬、パーク ハイアット 東京で開催されたメディアイベント「A TASTE of PARK HYATT」のため来日したパリ、ワシントンDC、ホーチミン、シンガポールの4都市のシェフが料理記者向けに特別授業「マスター クラス(Master Class)」を開催。その模様を4回にわたってお届けします。家庭のキッチンでも役立つプロの技を拾い集めてまいりました。(ito)
------------------------------------------------------------------
【1時間目】パークハイアットパリ‐ヴァンドームより
総料理長 ジャン‐フランソワ ルーケット氏
「フォアグラのクレームブリュレ」
パーク ハイアット パリ‐ヴァンドームは、今から8年前の2002年にオープン。ホテルのシグネチャーレストラン「ピュール」は2年前にミシュラン1ツ星を獲得し、長引く不況にも関わらず、着実に客足を伸ばしている注目のレストランです。
さて、そのパリからは「フォアグラ」のレシピが。家ではムリ……と思った方、諦めるのはまだ早いです。家庭でもすぐに実践できる「いただきポイント」がしっかりありました。
シェフはミシェル・ブラスと同じアヴェロンの出身。ジビエにも花を合わせるなど、エディブルフラワーを使った料理が得意。
薄い表面の飴をパリっと割ると中にはなめらかなフォアグラのブリュレ。パリのパークハイアットではバーのタパスとしておつまみ的に提供されることもあるそう。
その「いただきポイント」とは、フランボワーズビネガーとドレッシングの作り方でした。
フランボワーズビネガー、家に常備されている方いますか? これ、加熱するといい香りが漂うんですね。知りませんでした。調理中、アーモンドをカラメリゼした後、少しだけフランボワーズビネガーを加えるのですが、今まで知っているカラメルの香りが一転、ガストロノミーな香りに生まれ変わるのです。
この日の使用されていたのはこちらのフランボワーズビネガー。マスタードなどでもお馴染みの「ペルシュロン」でした。
このフランボワーズビネガー、レシピの中ではドレッシングにも使われています。ドレッシングは、酢に塩を溶かした後、油を少しずつ加えて撹拌しますよね。ところがルーケット氏の作り方は少し違います。酢に塩を溶かしこむところまでは同じ。次の工程が逆なのです。ボウルに油を用意し、そこに酢を少しずつ加えて撹拌していくではありませんか。「こうするとソースのように乳化して分離しにくいですよ」とルーケット氏。知らなかった……もしかしてこれって常識ですか? 知らないと恥ずかしいこと? と尋ねると今回シェフの通訳をしてくださったパーク ハイアット パリ‐ヴァンドームのスーシェフ、岡林愛さんも「私も理由はいま初めて知りました!」と一緒に驚いてくれました。それにしても、本当に分離しにくいかどうか自分で試してみたくなりませんか? 今晩、早速ドレッシングだけでもお試しください。レシピはこちら。
オイルに酢を加えながら撹拌中。シェフをアシストしているのは、今回通訳も担当してくださった高知県出身のスーシェフ、岡林愛さんです。
RECIPE
フォアグラのクレームブリュレ
●材料
フォアグラ……200g
フォアグラテリーヌ……100g
牛乳……120g
生クリーム……120g
卵黄……2個
コニャック……ティースプーン1
ブラウンシュガー……大さじ1
ポピーシード……大さじ1
塩、コショウ……少量
●作り方
1.鍋に牛乳と生クリームを入れて中火にかけ沸騰させる。
2.ミキサーにカットしたフォアグラとテリーヌを入れて、温めた牛乳と生クリームを加えて完全に固形物が消えるまで回す。
3.卵黄を加え、コニャック、塩、コショウで味を調え、シノワで漉す。
4.浅めの皿に厚さ1~2cmほどになるよう流し込む。ラップをかけ、110℃のオーブンで10~15分火を入れる。
5.粗熱をとってから最低でも1~2時間冷やす。
メモ:牛乳とミルクを温めるのはフォアグラを溶けやすくするため。
[アーモンドの飾り]
●材料
アーモンド(刻んでおく)……大さじ1
砂糖……小さじ1
水……適量
フランボワーズビネガー……少量
バター……少量
●作り方
1.鍋に砂糖と水を入れて火にかけ、白いキャラメル状にしたところへアーモンドを入れて、木べらでよく混ぜて絡ませる。
2.鍋肌からフランボワーズビネガーを入れて水分を飛ばす。
3.アーモンドが塊にならないように、仕上げにバターを少量加え、全体に馴染ませる。
4.ペーパーの上に平らに広げて冷ます。
[ハーブのサラダ]
●材料
好みのハーブ……適宜
フランボワーズビネガー……小さじ2
塩、コショウ……適量
クルミオイル……大さじ1
●作り方
1.ハーブは手で葉を小さくちぎる。
2.ボウルに塩とコショウ、フランボワーズビネガーを入れて塩をよく溶かす。
3.別のボウルにクルミオイルを入れ、そこへ2を少しずつ加えながら撹拌する。
4.ハーブのドレッシングを軽やかに和える。
[仕上げ]
クレームブリュレの表面をブラウンシュガーとポピーシードで覆い、バーナーで表面がパリッとするまで焼く。サラダを上に添え、アーモンドを飾る。
2010年 9月 21日 EVENT(食の世界の様々なイベント) | 固定リンク