サザエさんが、今パンを食べるなら?
■『料理通信』 6月号パン特集内の、「豚肉のリエット」でお世話になったメーカーADEKAさん。1915年(大正4年)に設立され、電解法による苛性ソーダを製造したのが始まりです。もともとは日本の化学工業の黎明期から、ソーダ製品や油脂製品を国産化した歴史ある会社。ブーランジェやパティシエの方々とお話しすると「旭電化さんね。植物油脂とかショートニングとか……」と、実は“リス印”ブランドとして知られています。
社名が“ADEKA”に変更されているのは、あまり知られていない?
本社内をご案内いただいた際に、資料コーナーで印象的だったのが、食品分野の主力商品として広く利用されてきたマーガリンの看板。登場キャラクターは「サザエさん」です。サザエさんと言えば、最新の家電や流行を反映した生活スタイルを取り入れるなど、時代と共に生きてきた一家。オピニオンリーダーといっても過言ではない!?
「あ~、そういえば学校給食もマーガリンだったな」(歳がバレます)と思いつつ、看板の“人造バター”も表記にくぎ付け。今だと“人工”というところ“人造”なんだな。
植物性油脂のイメージの強いADEKAさんですが、誌面で紹介した「豚肉のリエット」はADEKAさんが送り出す肉加工品ニューカマー。フランスの食文化を手軽に活用できる優れモノなのです。真似したくなる活用例をお考えくださったのは、「ネモ・ベーカリー&カフェ」の根本孝幸シェフ。
ああ、情報感度の高いサザエさんが、今の時代に生活していたなら、きっとパンの楽しさを広げる「豚肉のリエット」にも関心を持っただろう……な。タルティーヌを食べるサザエさん一家を想像してしまうのでした。(murata)
カツオくんとワカメちゃんが食べてるのはイギリスパンだね。今ならバゲットにリエットね、きっと。