イタリアより、パニーノの名手が来日
■11月下旬、フィレンツェの人気パネッテリア(パニーノ専門店)「'ino(イノ)」のアレッサンドロ・フラッシカ氏が来日、代官山「イータリー」でパニーノレッスンが行われました。
「イノ」は、『料理通信』World Topicsでフィレンツェレポートを届けてくださる、池田愛美さん・匡克 さんの著書『フィレンツェ美食散歩 おいしいもの探しの四季の旅』でも紹介されています。
池田愛美さんによると、ガイドブック『エスプレッソ』でも、今年は「パニーノ・アウトーレ」――シェフが考案したオリジナル・パニーノの項があり、ファストフードであっても本当においしいパニーノを食べようという機運が高まっているとのこと。時間がないからパニーノですませちゃおう、というのではなく、どうせならおいしいパニーノを食べたいよねという人が増えているようです。明日発売の『料理通信』1月号では、フランスのファストフード事情をご紹介していますが、どの国も同じなのですね。
当日は、イータリーの薪窯で焼くパン(『料理通信』2009年5月号で紹介』)、氏が持参したカステッロ・ディ・アーマのオリーブオイル(搾りたて!)、さらにイタリア全土から選りすぐられた上質な食材を使い、アレッサンドロさんが生産者やシェフたちからのアドバイスを元に研究した「本当のおいしくて“身体によい”パニーノ」をレクチャーしてくださいました。
←イータリーの商品を使って。イータリーは代官山のほか、日本橋三越新館にもオープンしました。
さて気になるパニーノメニューはというと。
1.水牛のモッツァレッラと茄子のオイル漬け、ケッパーのパニーノ(左)
オレガノの効いたナスのオイル漬けと水牛のモッツァレッラを挟んでいます。モッツァレッラは5ミリ以上厚く切るのがポイント。
2.サンダニエレ産生ハム、マルツォリーノ、トマト、ROIのオリーブのパテのパニーノ(右)
サンダニエレの生ハムは、甘味よりも塩気が勝っているので、穏やかな羊乳のマルツォリーノチーズを挟んで。ちょっと温めてチーズを溶かします。生ハムは薄めに切るのがポイント。
3.モルタデッラとAmerigoのフォッサのチーズクリームのパニーノ(左)
フォッサのクリームチーズは塩気のあるチーズ、穏やかなモルタデッラソーセージとの相性は抜群。シンプルなのに豊かな味わいで、個人的には一押し。
4.パルマ産生ハム、アーティチョークとアンチョヴィのパテのパニーノ(右)
アーティチョークはざくざくと食感が残るように刻んだものを。ほろ苦さがありワインと合わせるのは難しいのですが、サンダニエレ産よりも甘味のあるパルマ産の生ハムでバランスをとります。
5.パルミジャーノ・チーズとトマトソースのパニーノ
ベーシックなトマトソースとパルミジャーノの組み合わせをパニーノに。パニーノとしては珍しいそう。・・・写真は撮り忘れました(失礼!)アレッサンドロさんが、せっせと作って配って、試食。えーっと、5種、ですよね。最初からこの大きさですか・・・。写真では小さく見えるし、実際楽勝にも思えたのですが、何しろ旨味がぎゅっと詰まっているので、かなりのボリューム。(池田さんに報告したところ「あれほど、小さめにね、と伝えておいたのに・・・」とのこと)
5種目にたどり着くにはかなりお腹が一杯になってしまいましたが、どれも「イタリア」らしさが詰まった美味なパニーノでした。伝統的な組み合わせもあれば、オリジナルな組み合わせもあり。パニーノにも、クリエイションの余地はまだまだありそうです。
フィレンツェを訪れる機会があったら、アレッサンドロさんのお店を訪れてみてくださいね。(ogura)
●'ino アレッサンドロさんのblogはコチラから
2009年 12月 4日 EVENT(食の世界の様々なイベント) | 固定リンク