暮れの到来物 その2
超レア物のマロン・グラッセ
■「超レア物のマロン・グラッセ」とは、写真の品ではございません。例のごとくに「トリッパ通信で紹介しよう」と思った時には食べ終わっていたのです。写真はあくまでイメージ画像です。
送り主は「サダハル・アオキ・パリ」の横山聡さん。
品物は缶入りマロン・グラッセだったのですが、日本の栗のようにほんのり黄色くて、砂糖をからめ過ぎていなくて、栗の味わいが止まらなくなるほどでした。製造者名を見ると「サバトン」(仏産マロンペースト缶の最大手)。「さすが栗のスペシャリスト」と思ったものの、それが超レア物だと知ったのは、のちに横山さんのメールが届いてからでした。
まず、フランスでは、イガの中に大粒の実が1個入っていた場合の実をマロン、小粒が2~3個入っていた場合の実をシャテーニュと呼ぶのだそうです。当然、マロン・グラッセになるのは、マロンのほう。冬場、パリの街に登場する焼き栗はシャテーニュです。「マロン・ショー!(熱々の栗だよ~)」と焼き栗屋さんは叫ぶけど、あれはシャテーニュなんだそうです。
フランスの栗の産地はアルデシュ(サバトン社もアルデシュにあります)が有名ですが、実はアルデシュではマロンがほとんど採れない(シャテーニュばかりということですね)そうな……。最近では、サバトンの商品の大半がスペイン産やポルトガル産、マロン・グラッセのような高級品はイタリア産の栗に頼っているそうです。
そこで、サバトン社の社長が中心となって、シャテーニュのAOC(原産地統制呼称)取得に乗り出し(つまり、小粒でも質は高いんだぞ、デカけりゃいいってもんじゃない、と主張したわけですね)、それをきっかけにつくられたのが、今回お送りいただいたマロン・グラッセ(正しくは、シャテーニュ・グラッセ)というわけです。横山さんいわく「フランス・アルデショワー(アルデッシュ人)の意地と誇りのかかったシャテーニュ・グラッセ)」。
10月末にネット限定で2週間受注。
お渡し期間も11月下旬から2週間のみ!
賞味期限も製造から2週間!
「パリのどのパティスリーでもコンフィズリーでも売っていない完全受注発注の逸品でございます」と横山さん。
皆様にお見せしたかったぁ……。すみません、写真は完全なるマロン・グラッセですよぉ、お間違いなく。(kimijima)
【追記】そんな凄いものとは知らず(横山さん、スミマセン)、「おいしー」と5個くらい食べてしまったので、お詫びもかねて(?)サバトンのホームページから探してみました。そうそう、この缶入りです。皆さんも今年ぜひ。(2010年1月2日記:ogura)
http://www.sabaton.fr/coffret-du-pont-d-arc.html