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2009年8月13日 (木)

育ちの良いお嬢さま

Photo_34今回のスイーツ特集の収穫のひとつは、村上開新堂さんのお話が伺えたことです。

その昔、キミジマは青山の紀ノ国屋でアルバイトをしておりました。最初はチョコレート売場、次にパン&ケーキ売場で対面販売をしていたんですね。
紀ノ国屋ですから有名人も多く訪れるわけですが、いつも本当にうれしくなるような声の掛け方をしてくださるお客様がいらっしゃいました。小柄で美しく、辺りがぱっと明るくなるような雰囲気があって、「なんて素敵な方だろう」と。その方が村上開新堂の5代目・山本道子さんであることを、後になって知りました。

村上開新堂のお菓子は、ケーキであれクッキーであれ、慈しみたくなる優しさと奥床しい可愛らしさに溢れていて、一目見ただけで無条件に好きになってしまいます。品の良い、一歩引いた佇まいなのに、物凄く強い磁力があるんです。
「初代は宮中の大膳職(天皇の料理番)を務めていた」「ご紹介がないと買えない」など、人々の憧れを誘う“いわく”が多々存在しているけれど、一度でも現物と接する幸運に恵まれたなら、いわくより何より、実際のお菓子が持つ魅力の虜になってしまうのだということがよくわかる……。

Photo_35 撮影にあたって、改めて私が感動したのは、包装紙の上に貼られた「生菓子でございます」のシールでした。きっと、贈り物にされるケースも多く、贈られた側が「開新堂=クッキー」と間違えやすいからなのでしょうね。
それにしても、「生菓子でございます」という表現が村上開新堂さんにぴったりで、由緒正しき日本の洋菓子の姿に、「フランス人にわかるかなぁ、この日本人的感性。これこそが、クール・ジャパンなのだけれど」と胸を張りたくなるのです。

中身は『料理通信』9月号でご覧ください。ちなみに、ケーキは詰め合わせのみ。詰め方がまた折り目正しくて、“育ちの良いお嬢さま”といった風情です。創業135年を迎える今年は、特別に復刻ケーキがひとつ、詰められています。(kimijima)

2009年 8月 13日 今月の『料理通信』 |

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