束の間の夏休み(途中から、妄想・・・)
■あっという間に過ぎてしまった今年の夏。「夏休み」なんて言葉とは無縁の編集部でしたが、束の間のお休み気分を味わってきました。
那須の自然と静寂に包まれた「二期倶楽部」は、“大人のためのリゾート”として、料理やスパなど快適な滞在環境を整えることはもちろん、文化芸術活動にも力を入れています。その一環として、毎年夏に開催しているのが、「山のシューレ」です。各界で活躍されている方々を講師として招き、ワークショップやレクチャーを通じて芸術や自然に触れ合うことができる、アカデミックなプログラムを展開しています。
客室エリア。燦々と太陽が降り注ぐ日はもちろん気持ちいいでしょうけれど、しっとり肌を湿らすような霧雨もとてもよく似合います。
参加したのは、ガラス作家・高橋禎彦さんを講師に迎えた「解けたガラスに触れる―たらす、のばす、ふくらます」の「のばす」の会。解けたガラスを窯から取り出し、くるくる回して棒に巻きつけ、コテやハサミを使って形を整えていきます。先生がスイスイと形にしていくのを見ると「なーんだ、これならできそう」なんて思うのですが、いざ自分でやってみると「スイマセン、なめてました……」。解けたガラスは少しでも棒を回す手を休めると、すぐに垂れてきてしまいます。左手で回し、右手で形を整え。ピアノを習いたてのころを思い出します。
他の参加者の方々も、皆さん真剣そのもの。台の数が少ないため一度に2人しか作業に取り掛かれないのですが、我先にと次の順番を待つ表情は、子供のそれと変わりません。
まずは高橋先生がお手本を。先生の手にかかると、花、鳥、馬、あっという間にガラスの塊がかわいいオブジェになります。
後日、郵送されてきた作品(というほどの代物ではありませんが)を改めて見ると、我ながら「えーっと、これは何?」というものばかり。作っている時の、ひっちゃかめっちゃかな状況が形に現れています。まぁ、難解な現代アートということにしておこう…。
さて、体験を終えた後に控えていたもう一つのビッグイベント、それが「一期一会キュイジーヌ」。「分とく山」野崎洋光さん、「麻布長江」長坂松夫さん、そして「二期倶楽部」総料理長の宮﨑康典さん、3人のコラボでコースを組み立てるという、スペシャルディナーです。
左から宮﨑さん、野崎さん、長坂さん。仏・和・中、ジャンルを超えた豪華な饗宴!
気迫のこもった料理が続いた後、デザートはテラスのビュッフェで。「あぁ、もう食べられない。でももう1つだけ……」。
一本のコースとしての調和を意識しながらも、前菜から全力疾走、互いに一歩も譲らないぞという気迫を感じる皿が続きました。二期倶楽部で採れた野菜も、ふんだんに使われ、なんとおいしいこと!ワインも進み、すっかりいい気分。「この後はお部屋に行って、スパでも受けて、大きなベッドでぐっすり眠ろう…」そんな妄想が勝手に膨らんでしまうのでした。(yagi)
2009年 8月 28日 | 固定リンク