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2009年1月 5日 (月)

『料理通信』読者限定ディナー報告

「モエ・エ・シャンドン グラン ヴィンテージ 2003   
 日本料理との融合」

Photoシャンパーニュで新年を祝いつつ、年明け最初の原稿をこうして書いております。テーマは、12月6日(土)18:00~、パーク ハイアット 東京「梢」で開かれた『料理通信』読者限定ディナー「モエ・エ・シャンドン グラン ヴィンテージ 2003 日本料理との融合」のご報告です。
パーク ハイアット 東京「梢」の個室で行われました。


モエ・エ・シャンドンが画期的なヴィンテージ・シャンパーニュをリリースするので、フランスのシャトーへ来ませんか、とのお誘いを頂いたのは、去年のまだ寒い季節のことでした。副編集長の曽根が赴き、そこでお披露目されたのは、2003年という猛暑の年(酸度が上がらないため、グラン・ヴィンテージになり得ないと言われる)のヴィンテージ・シャンパーニュ。過去の猛暑年のヴィンテージの真価を検証(これが実は優れているんですね)しながら、決して勝算のない賭けではないことを示してのプレス発表だったそうです。

Photo_2ジンクスに挑戦した「グラン ヴィンテージ 2003」が、はたしてどんな仕上がりになったかは、『料理通信』誌上(2008年8月号P.62~63、11月号P.38~41)でも度々お知らせしてきた通り。そんな「グラン ヴィンテージ 2003」の革新的な魅力を実際に体験して頂く機会を設けましょう、との意図から企画されたのが、この「梢」でのディナーなのでした。

料理の内容は、昨年11月号でご紹介しているので、そちらをご覧頂くとして、料理をご考案くださった大江憲壹郎料理長の言葉をご紹介しましょう。

Photo_3「2003年以外に2000年、1996年とモエのグラン ヴィンテージを飲み比べて、2003年の特徴を掴んだ上で臨みました。2003年は非常にフレッシュで旨味が豊か、日本酒で言えば純米吟醸ですね。ポイントは、醤油や味噌といった日本料理ならではの調味料とシャンパーニュがどんなマリアージュを見せるか、でした。醸造物同士、何かしら共通の要素を持っているわけで、合うはずなんですね。それをどう膨らませるかに心を砕きました。私にとっての挑戦だったのは、鮎うるか、鮟肝といった珍味との相性です。珍味には日本酒が常套ですが、はたしてシャンパーニュとはどうなのだろう……回答は、お客様の受け止め方に委ねたつもりです」
大役を終えた大江料理長とツーショット。

先付、向付、造り、珍味、焼物、進肴、食事、デザートの全8品、それぞれに7、8種の候補を挙げた上で、シャンパーニュとの相性と流れを熟考して作り上げたコースだったそうです。「グラン ヴィンテージ 2003」とのマリアージュについては、参加者全員がこのディナーでほぼ1人1本を開けたという飲みっぷりが何よりも物語っているでしょう。

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Photo_8写真上左)
お造りは、刺身でなく握りで。「本鮪大とろ握り、鯖すし炙り、甘海老」。

写真上右)
大江料理長にとっての挑戦がこの珍味、「鮎うるか柚子、鮟肝旨煮、牛蒡揚げ煮、揚げ銀杏、舞茸、菊菜、精進麩旨煮胡麻白和え」

写真左)

珍味はこのように取り分けられて。


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写真左)「飛鳥鍋」です。骨付き地鶏、つくね、椎茸、白菜巻、九条葱、赤蒟蒻が入っています。
写真右)〆は「浦臼の牡丹蕎麦、小海老玉葱かき揚げ温玉絡ませ」でした。


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ヴィンテージ・シャンパーニュには、「収穫年の個性を味わう」という愉しみともうひとつ、「時間を経た後の熟成を堪能する」という愉しみもあります。「グラン ヴィンテージ 2003」が数年後、どんな味わいを描き出すのか。その時、どんな料理が似合うシャンパーニュになっているのか。想像するだけで胸躍るというものです。(kimijima)

2009年 1月 5日 EVENT(食の世界の様々なイベント) |

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