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2008年9月 8日 (月)

私たちにはパンの先生がいます。

パン特集を組む度に、私たちを指導してくださるブーランジェの方々がいます。
とにかくパンはむずかしい。いみじくも今回の取材中に「シニフィアン・シニフィエ」志賀さんがおっしゃいました、「パンは科学です」。そうなんです、原理原則が頭に入っていないと、ブーランジェの方々の話が理解できないのです。
たとえば、リュスティックは、なぜ、気泡が大きいのか? リュスティックは、なぜ、味が濃いのか? どちらも製法からくる特徴で、ちゃんと理論上の答えがあります。
こういった、特集を組む度に湧き上がる疑問をブーランジェの方々にぶつけては「謎解き」をしていただく――その積み重ねで、私たちのパン特集はできているのです。

011 そんなお一人が「ドンク」仁瓶利夫さん、ベテラン中のベテランです。
仁瓶さんは、口調がちょっとべらんめえで、見た目はいかにも職人気質なのですが、頭の中は極めて筋道だった超理論派。質問を予めお伝えしておくと、レポート用紙数枚にわたってびっしり書き込んだ回答書をご用意くださいます。
今回もすっかりお世話になりました。ドンクが水量の多いパンに取り組み始めたのはいつ頃からか。どこでどう伝えられたのか。従来のパンと何が違うのか。見本の「リュスティック」を焼いてきてくださって、現物を前にレクチャーいただきました。
さらに今回は、ドンクの岡田重雄さん菊谷尚宏さんにも、いろいろ教えていただきました。みなさん、本当にありがとうございました。(kimijima)

013_2後日、仁瓶さんが「パン・ド・ロデヴ」を焼いて送ってくださいました。トレンドの高加水パン(詳しくは『料理通信』10月号をご覧ください)で焼くのが超むずかしい。仁瓶さんも、岡田さんも、「すぐ“パン・ド・オデブ”になっちゃうんだよ」とおっしゃいます。

ゆるゆるの生地のため、できる限り触らず、ほとんど成形をしないで焼くのが、このパンの特徴。底を見ると、うねうねしていて、形を整えずに焼いたのがわかります。中はボコボコの大きな穴!


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2008年 9月 8日 今月の『料理通信』 |

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