パンのお取り寄せって・・・
■パンのお取り寄せって、どうなの?って思ってました。そうまでしてパンを買わなくても、っていうか送ってもらう間に味が落ちるんじゃなかろうかと。しかし今回、北海道・真狩村の「ブーランジュリー ジン」を取材させていただいて、考えを改めました。おいしいパンは、時間がたってもおいしいんだと。
もちろん、焼きたてのパンが文句無しにおいしいのは言うまでもありません。お会計の時に「焼きたてなので、バゲットの袋の口、開けておきますね」と言われた瞬間から猛烈な欲求との戦いが始まり、しかし道端ゆえに「ダメ、こんなところで!」と自制心を奮い立たせるけれども、袋越しにじんわり手に伝わる温かさと、包みこまれるようなホワワ~ンと甘く香ばしい香りに、「あぁ、もうムリぃぃ~」と、ひとちぎりしてしまって(注・齧ってはいません)、「待て」と言われて待てなかったワンコのように反省の念を抱きつつも、焼き直したパンには無いパリパリッと軽いクラストの食感と、“幸せの素”みたいな香りに「間違ってなかった」と一人ニヤけてしまう。それくらい、焼きたてはおいしい。それも今回、確信しました。
しかしであります、ジンさんのパンは月曜に発送していただき水曜着、撮影後にいただきましたが、それでも十分においしい。というか、1週間かけて食べてもおいしさが持続するのです。時間が経ってこうならば、焼きたてはどれだけおいしいんでしょう……。今、流行りのウルウルでもフワフワでもありません。どちらかと言うと、しっかり噛ませるパンという印象。噛むたびに気泡が弾け、滋味深い味がジワジワと出てくるんです。
天然酵母のパンは息が長いと聞いていましたが、本当なんですね。それともジンさんのパンだからでしょうか?
その秘密、『料理通信』10月号を読んで、そしてジンさんのパンを買って食べて、考えてみてください。このパンなら、取り寄せてでも食べたくなります。(yagi)
2008年 9月 17日 今月の『料理通信』 | 固定リンク
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