『いかだ満月』と梅干秘話
■このたび、作家・山本一力先生の最新作『いかだ満月』が、角川春樹事務所より上梓された。一力先生といえば、デビュー作 『蒼龍』(第77回オール読物新人賞受賞)を皮切りに、次々とヒットを飛ばす稀代の時代小説家。2002年には、言わずと知れた『あかね空』で直木賞も受賞されている。 今回の出版を記念し、東京・紀伊国屋書店新宿本店で開かれたサイン会。本誌創刊時より、2年に渡って随筆「味の記憶」を寄稿してくださった先生にお会いすべく、トリッパ隊も駆けつけた。
↑一力先生を囲んで、左から春樹事務所の竹中さん、原さん、トリッパ隊の面々。
実を言えば、私は時代小説ファン。好きが高じて、ある小説家のお宅に世話になったこともある。作家の手で再び息を吹き込まれ、輝き出す、過ぎ去った時代の人々。彼らの人間くささが、私はたまらなく好きだ。 購入後、早速ページをめくった『いかだ満月』は、文句なしに面白い。あまりに面白くて、うっかり電車を乗り過ごしてしまった。一力先生に文句を言いたい。
ところで、先生の執筆活動の源となる食べものがある。それは梅干し。梅干しといっても、そんじょそこらのものとは違う。春樹事務所の担当編集者、原さんのご実家、紀州田辺・原農園の梅干しだ。トリッパ隊にもファンがおり、取り寄せさせていただいている。小説家と編集者の、食べものでつながる絆。それが素晴らしい作品を生み出すエッセンスになるということを、私はよく知っている。 『いかだ満月』は、月刊『ランティエ』におよそ3年半に渡り、連載された作品を書籍化したもの。毎月やってくる締め切りを、先生はきっと、原さんの梅干しを召し上がりながら乗り切っていたのだなぁ、と勝手に想像し、しみじみとした。
さて、話が梅干しに及んだところで、もうひと話題。梅干しといえば、欠かせないのが赤しそだが、サイン会と同日、春樹事務所の酒井さんから、赤しそジュース「須磨の紫」をいただいた。ルビー色が美しいこのジュースは、神戸市須磨区で、書店と漬物屋を営む男性二人が製造・販売しているとのこと。去年から売り出され、地元で話題を呼んでいるそうだ。 早速水で割っていただいたその味は、しそとリンゴ酢の酸味が生きて、「うーん、元気になりそう!」。発泡性の水で割れば、爽やかさ倍増間違いなし。源氏物語を彷彿とさせる上品なネーミングもいいではないか。ご興味のある方はお試しあれ。(watanabe)
●「須磨の紫」問い合わせ先
大西商店 TEL: 078-732-1840
井戸書店 TEL: 078-732-0726
2008年 9月 24日 ある日の1ショット | 固定リンク
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