志賀さんもビックリ(?)な超・長時間発酵
■「小麦粉、塩、水、発酵」。むむむ!なんだか聞き飽きた…いやいや聞き慣れたフレーズではないか?! と思いきや、パンの話ではありませんでした。今週の「逸品ものがたり」で紹介している、「浅野屋本舗」のくず餅です。
関西の葛を使ったものと区別して「久寿餅」と書かれることもある、江戸時代からの庶民のお菓子、くず餅。実は小麦粉が原料なんですね。小麦粉=デンプン+タンパク質。このデンプンを発酵させ蒸して作るのがくず餅、タンパク質を使って作るのがお麩というわけです。
今回のパン特集では、“低温長時間発酵”というのが、一つのキーワードになっていましたが、このくず餅、低温長時間発酵の巨匠「シニフィアン・シニフィエ」の志賀さんもかなわない超・長時間発酵をしています。なんと1年(~2年)!その後、何度も水にさらし、練り、蒸し、やっと完成。実に手間のかかるお菓子です。きな粉と黒蜜をたっぷりかけていただけば、ムチッとした独特の食感と、仄かな旨味・香りがじわじわ広がり、何とも懐かしい気持ちにさせてくれるのであります。(yagi)
詳しくは、本日の『朝日新聞』朝刊をご覧ください。
*連載は東京および関東の『朝日新聞』マリオン欄(毎週木曜日)に掲載されています。横浜市のみ、翌週火曜日の掲載となります。
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