ピエール・エルメ、伊豆のわさび田を訪ねる! その4
■いよいよ取材当日。「雨、降らなければいいのだけれど」と前日まで心配したものの、なんとか大丈夫そうな空模様です。しか~し、三島に着いて、車で修善寺方面へ向うにつれ、雲行きがあやしくなってきたのです。「ビニール傘、買わなきゃ」。撮影のことを考えると、透明の傘が必要です。コンビニで傘を買って、すると、わさび田へ着いた時には、ざぁざぁ降りの状態でした。ざぁざぁ降りの中、すべる山道を、傘をさしながらわさび田へと下りていかなければなりません。わさび田はなにせ傾斜のきつい場所にあります。畦道のような細い足場の下を見れば、崖っぷちなんです。青くなるキミジマ。青くなるのをこらえて、下りてみれば、そこに広がっていたのは、もう、目を見張るばかりのわさび田でした。雨降る中、足元の悪い所をひょいひょいと身軽に移動しながら、飯田茂雄さんがわさび栽培について説明してくださいます。エルメ氏の眼がらんらんと輝いて、質問が矢継ぎ早に投げ掛けられて、そりゃあ、エキサイティングな光景でした。
後日、あがってきた写真を見ると、みずみずしい緑の美しいことと言ったら。「緑したたる」という言葉がぴったりの光景が写っていたのです。カメラマンに「雨降って正解だったのかもしれませんね」と言うと、「雨降るといいな、と願ってた」。ああ、そう。あの天気、あなたのせいだったのね。(kimijima)
エルメ氏にレクチャーする飯田茂雄さん。
*詳しくは、『料理通信』9月号で掲載します。お楽しみに!
この記事へのコメントは終了しました。
コメント