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2008年6月 6日 (金)

この夏のスイーツトレンド、“ヴェリーヌ”の意味とは?

今月の「新・スイーツの心得」は、「ヴェリーヌ」です。

「ヴェリーヌ」とは、いまやすっかりお馴染み、グラスデザートのフランスでの呼び名です。ネットを見ていたら、パリ在住の方が、「Verre(グラス)+Terrine(テリーヌ)」の造語と解説しているブログを発見しました。なるほどねぇ。
いや、待てよ、2006年から「ヴェリーヌ」の名でグラスデザートを展開している「パスカル・カフェ」のプレスリリースには、「Verrine=ランタン」とあります。むむ、これはどっちが正しいの? こういう時は
 1.「ル・コルドン・ブルー」に聞く
 2.パリに聞く

に限ります。
で、さっそく問合せた回答をご紹介しましょう。

1.「ル・コルドン・ブルー東京校」プレス・篠原みどりさん
「ヴェリーヌの語源ですが、全シェフに一斉にメールで問いかけたところ、みんなそれぞれに調べてくれて、続々と返事が来ています。
主任教授のオリビエによれば、Verre(グラス)とTerrine(テリーヌ)の造語で、トレンドの発端となったのはフィリップ・コンティシーニ。
神戸校の料理のシェフからは、元々の語源はVerre(グラス)で、Verrineは「昔の船のランタン」のこと。また、温度計に使用するガラスのチューブもVerrineと言うそうです。料理の世界でこの言葉が頻繁に使用されるようになったのは最近であり、新しいトレンドのひとつとしてですが、シャルキュトリーの分野では、「Verrine=保存ビン」として昔から使われていたとか。保存目的のガラス容器、ジャムの容器・壷(Pot de Confiture)もVerrineと呼ばれていたそうです。」

2.パリ在住ジャーナリスト・高崎順子さん
「MOFパティシエでありグラスデザートを十八番とするローラン・デュシェーヌ氏に聞いてみました。
ガラスVerreに、小さいものを示す語尾in(e)がついた言葉で、「小さいグラス」の意味だそうです。
同様の例としては、Chevrot(のろ鹿) → Chevrotin(のろ鹿の子)などがあります。
また、Verre+Terrineの説はないだろう、とのことでした。私のロワイヤル(中型辞書の定番)にもなかったので、誰かが言い始めた語感がよかったので、普及したのかもしれません。言い出しっぺが誰かは一大調査が必要そうですが…。」

Photoみなさん、ありがとうございました。詳しくは、「新・スイーツの心得」をご覧ください。(kimijima)

⇒日本におけるグラスデザートブームの火付け役は、ピエール・エルメだと思います。これは今夏の新作、わさび味の「エモーション・デリシューズ」。

2008年 6月 6日 スイーツ・パン |

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