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2008年6月11日 (水)

何気ないどこにでもありそうな風景

Photo_8一見、何気ないどこにでもありそうな風景を写した、この一枚のカット。そう、「何気ないどこにでもありそうな風景」を“作り上げて”撮影したのが、このページであります。

7月号「インディペンデントな生産者たち」の綴じ込みの一枠、「顔の見える食材で作る豊かな食卓」は、熱い思いと志を持った生産者の手による食材が食卓にのぼると、日常のなんてことのない食事が実に豊かなものになる、そんなことをお伝えしようとした企画です。事実、撮影終了後、この通りの食事にありついた編集スタッフが漏らした言葉は、「あ~、こういうのが一番よね」、「これだけで十分幸せよね」、「贅沢~」。

さてさて、こんなどこにでもありそうな食卓風景も、作り上げるまでには紆余曲折、右往左往、叱咤激励(?)がありました。

まずは器の手配。通常、編集部に常備しているものや、編集スタッフの手持ちのものを使う、あるいはブランドやレンタル食器屋さんからお借りして用意することになっています。『通信』にはスタイリストさんなどという方はいないため、すべて自力です。悩む担当ヤギ。そんな時、編集長キミジマからメールが届きました。「ダサいのはやめてね。恥ずかしいから」。わかっちゃいますが、そう言われても……。骨董屋や骨董市などをのぞき、少しずつ買い貯め、目を養うように、ということだそうです。ハイ、編集長。

というわけで、恥ずかしいことにならないようにと、今回は皆様にお力添えをいただくことにしました。キミジマ所有のご飯茶碗、お箸、箸置き、編集部ハヤシ所有の汁椀、「逸品ものがたり」用にと会社で買ってあった角皿に豆皿。
そして奥で漬物を盛った器は、ギャラリー「ポルト・ルージュ」さんからお借りしました。小さいながらも、いつも素敵な器を扱っている同ギャラリー。編集部でも度々お世話になっています。今回使わせていただいたのは、西島隆さんの作品でした。
さぁ、これで器の手配は完了。

次なる課題は盛り付けです。キミジマ付き添いで行われたこの撮影。ご飯を盛れば、「多すぎよ」。キュウリの漬物を切れば、「斜めに切るのは、小さいものを大きく見せようとする、はしたない心の表れ。まっすぐ切るのよ」。食の編集者って、目の前にある食べ物の味だけ考えていればいいわけではないんですね。食を取り囲むもの、空間、文化、歴史、トータルで理解していなければいけない。あぁ、道のりは果てしなく……。

そんなこんなで作り上げた一枚のカットです。ご覧になった方が、違和感なく「何気ないどこにでもありそうな風景」と思ってくださったなら、きっと成功。そして、「普通なのになんだか素敵」、そう思っていただけたなら大成功でありましょう。よーし、次こそ自力で!(yagi)

ギャラリー ポルト・ルージュ
東京都文京区向丘1-1-3
TEL: 03-5800-9270
11:00~19:00 日曜、祭日休

2008年 6月 11日 今月の『料理通信』 |

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