「グルメのお値段に異変あり!」番外編
ワインの話をもう少し……
■連日、ガソリン値上がりの話題で持ちきりですね。食の世界も、昨年からレストランやパティスリーでの値上げラッシュが続いています。『料理通信』5月号では、緊急特集を組み、なぜ価格が上がっているのか? をレポートしました。
取材にあたり、レストラン、パティスリー、ワイン商社にアンケートを実施したところ、「この2年間で商品の値上げをしたか?」という質問に、100%のワイン商社が「YES」と答えました。これは衝撃! そこで本誌では書ききれなかったワインの話を、もう少しお伝えしたいと思います。
* * * *
値上がり率は、この数年でかなり大きくなっています。
たとえば、ある商社が扱う「2001年シャトー・ラトゥール」の卸値は……。
2004年 18000円 ⇒ 2006年 24800円 ⇒ 2007年 56000円
なんと04年と07年を比較すると約3倍! 06年から07年にかけて2倍以上に高騰したことが窺えます。
もうひとつ。「2002年シャトー・ムートン・ロスシルド」の卸値は
2005年 16740円 ⇒ 2007年 38800円
と、05年から07年にかけて約2倍に値上がりしています。
これはユーロ高の影響と、世界的な需要増が主な原因。中国やロシアといった新興国が、主に高価格帯のシャトーを多く買っているようです。
そして取材を進める中で、ワインを多く扱うレストランの方から、こんなことを聞きました。
「昨年まではユーロ高と需要増による、高価格帯のワインの値上がりがメインだったのですが、今年からは『蔵出し価格』が軒並み上がってきそうで……」
「蔵出し価格」とは、ワイナリーから出荷する際の価格のこと。何が原因か? 「TRIPPA通信+1 NIPPON WINE」でも記事を書いていただいている、ワインジャーナリスト鹿取みゆきさんを通して、ワインの製造者、樽メーカーなどに話を聞いてもらいました。
■原油高が原因で値上がりしたものは?
まず、瓶の価格。日本でも、製瓶メーカーが値上げに踏み切り、4~5月には約7~10%上がることが予想されています。瓶はガラスを溶かして造るため、燃料費(原油)高騰の影響を受けやすいのです。
ダンボールなどの紙製品、ペットボトルの値上げは昨年から。
もちろん、輸送コストも同様です。輸出入用の船便はもちろん、アメリカ国内でも輸送費は上がっている、と米カリフォルニア「RIDGE Vineyards」の製造担当、黒川信治さんが教えてくれました。
■需要増が原因で値上がりしたものは?
もちろん、ブドウそのものの価格。「いい畑(その畑のブドウで造ったワインの評価が高いもの)はすぐに値上がりしてしまいます。いい畑のブドウを確保し続けるためにはKgあたりの単価のほかにお金を納めたり、収穫量に関わらず面積あたりの単価で支払ったりする場合もあります」と黒川さん。「世界中似たような状況です」と、鹿取さんが付言してくれました。
樽価格も上がっています。一般的には、数年前に1樽10万円程度だったのが、今は15万近いと言われています。
オーク樽を扱う「オークバレル」の早川雅巳さんからいただいた、樽価格の変動を見てみましょう。05年までは比較的3%程度の一律の上昇だったのが、07年からぐっとアップ。ユーロ高とフレンチオークの争奪戦(!)が始まったことを示しています。
2008年の予測は出荷価格6~7%上昇。ユーロは多少下がっていますが、輸送コストなどで相殺され、2007年並み、あるいは多少のアップになりそうとのことです。
2001年 87000円
2002年 90000円
2003年 93000円
2004年 95000円
2005年 96000円
2006年 108000円
2007年 125000円
(Nadalie 225liter ボルドートランスポート型 French oak 勝沼渡しの場合)
コルクも、コルクの森自体が需要に追いついていないので、不足傾向。コストが上がっていると聞きます。
なるほど、これだけの要因があれば、ワイナリーから出荷される価格が値上がりしてしまうのも仕方ないかも……。
「それでも『お値打ち』といえるワインは、まだ残されている」と鹿取さん。そのワインとは? ぜひ本誌でお確かめください!(kakimoto)
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