« 「ラ・ブランシュ」田代シェフ シンピル・レシピ セミナー | トップページ | リーデル家11代目マキシミリアン氏とは »

2008年4月13日 (日)

【速報】 イタリアワイン・スキャンダル part3

イタリアの人気経済誌『L'espresso』(週刊)が暴露した、3つのワインスキャンダル。最終回です。

スキャンダル1フランス原産種ブドウ入りブルネッロ
スキャンダル2塩酸、硫酸入りのワイン事件

Vinitaly最後の疑惑は、DOCGであるキャンティ・クラッシコに、このワインには使うことのできないアブルッツィオ州で栽培されているモンテプルチャーノが混ざっていたというものである。

ワイナリーの名前は明かされていない。モンテプルチャーノは色素の濃いブドウであり、キャンティ・クラッシコの色をより濃くするために使ったと考えられる。その昔、イタリア北部の色の淡い、またはアルコール度数の低い赤ワインを調整するためによく使用されていた方法でターリオと呼ばれる。

5日間にわたって開催された「Vinitaly」で私が出会ったほとんどの外国人は、この事件を知らずにいた。会場で、生産者達はこの事件について「見ざる、言わざる、聞かざる」という無難な態度を選んだように思う。私のほうから、さりげなくこのスキャンダルを話すと、すべての生産者達は憤慨していた。「Vinitaly」に合わせて『L'Espresso』誌が大々的な記事にしたのは、計算づくで仕掛けたことだ、と。

Campatelli例年に比べると訪問者の少ないブルネッロの生産者が集まるブースの一角にあるブルネッロ協会で、責任者Campatelli Stefano氏にインタビューした。疲れ切った表情の彼は、「塩酸、硫酸入りのワイン事件と、ブルネッロの他ブドウ品種混入の可能性を一緒の記事にして、消費者を混乱させたことに憤慨している」と述べた。

Castello Banfiでは、現在ブルネッロの製造はすべて中止している、ただすでに出荷した2003年のボトルを回収することはないであろう、と語った。

実際に他ブドウ品種が混入しているかどうかを調べることは大変難しい。化学分析では解明できないだろうから、そうなると官能検査に頼るのみになるはずである。ワイナリーに他ブドウ品種から作ったワインのタンクがあっても、生産者は「ブルネッロではなく他のワインに使うため」と答えて疑惑を回避することができる。このスキャンダルに白黒つけるのは、不可能に近いのではないだろうか。
「ブルネッロは潔白か?」―――実は、疑惑を抱いている人は少なくない。ブルネッロにフランス品種が入ると、色や香り、味わいが、サンジョヴェーゼだけで造ったものとは明らかに異なるのだが、ここ何年か、「昔からのブルネッロではないな」と思っていた人はいるのだ。

由緒あるブルネッロ。タンニンのあの渋さが決め手のブルネッロに、このような疑惑がかかってしまったことを本当に残念に思う。

文―池田美幸

明治大学農学部卒。1986年渡伊。イタリアにてソムリエ、チーズテイスターの資格を取得。食品・ワイン関係の通訳・コーディネートを手掛けている。2007年は、イタリアソムリエ協会ロンバルディア支部発行のワインガイドブックVINIPLUSのテイスターとしても活躍。現在ミラノ在住。

2008年 4月 13日 WORLD TOPICS |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/146421/40861528

この記事へのトラックバック一覧です: 【速報】 イタリアワイン・スキャンダル part3:

コメント

この記事へのコメントは終了しました。