ありえない理由。
■パリで活躍する日本人歌手に、福田ワサブローさんという方がいらっしゃいます。ワサブローさんのコンサートでのこと。「八重桜はどうもドテラみたいで……」。キミジマの母親がやはり「桜は一重」派でした。ちなみに母は「粒あんより、こしあん」派。 今回の「逸品ものがたり」(朝日新聞 3月27日掲載)でご紹介した「塩野」の「花衣」は、黄身あんの花芯を、花びらに見立てた外郎生地がくるむ上生菓子。淡いピンクの薄衣を通して花芯が透けて見えるくらい、はかなげで、たおやかな美しさが身上です。「ドテラ」になってしまってはいけません。ボツにした写真は、「薄衣」ではなく「ドテラ」に見える。というわけで、「撮りなおしよ」。(kimijima)⇒こちらが本番用写真。新聞ではモノクロですが、本当はこんな色。
■はらはらと舞い散る花びらをイメージして「花衣」を複数置いてみたのですが、どう見ても、山から下りてきた雪男。ありえんな、と思いながらも撮影し、編集長に提出してみたら、案の定撮りなおしでした。再撮の甲斐あって、カメラマンの山下恒徳さんに「今日のはよかったね」とお褒めいただきました。調子にのって、「実はこんなのも撮ってたんですけど」とボツ写真をお見せすると「ありえないね」。山下さんは新聞をご覧になると、いつも一言コメントをくださいます。「今日のカントゥッチは堅そうに見えたよ」「このバームクーヘンの置き方は、やりすぎ」。・・・毎回、勉強になります。ちなみにオグラのカメラの先生は、長嶺輝明さん。先生、最近の写真どうでしょうか?(ogura) 余談:先日、「ブルガリ」のパーティを取材した山下さん。アワードを受賞した中田英寿の写真をこんなふうにして、オグラにくださいました(オグラはナカタファン)。山下さんったら、お茶目。でも、実は編集部でもちきりだったのは、一緒に写っていた黒木メイサさんの美しさでした。・・・『料理通信』には載るのでしょうか、編集長?
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