『料理通信』ができるまで ~凸版印刷は広かった!~
12月、街はクリスマスモード一色、忘年会も盛んな季節がやってきました。
しかし、編集部はそれどころではありません。相変わらず、イヤ、いつも以上にバタバタしてます。年末ということで、通常よりも1週間ほど締め切りが早いんです。
入稿の日、凸版印刷の方が原稿を引き取りにくるのが、午前2時。「こんな時間にも工場が動いているのか…」と感心してしまうほど日夜フル回転の凸版さんも、年末年始はお休みのようです。
実は先日、このいつもお世話になっている凸版印刷の工場見学に行ってきました。
印刷所では、編集部から届けられた文字・写真・レイアウト、それぞれの素材やデータを一つにまとめて、印刷、製本をし、雑誌を完成させます。下ごしらえした料理に仕上げの味付けをし、お皿に盛るというような作業です。この最後の味付けが肝心で、色の出方が微妙に違うだけで、ページや雑誌全体のイメージも大きく変わってしまうのです。
雑誌を作るのに、とても重要な一工程ながら、実際どのように作業が進められているかは、私たちも普段はなかなか見ることができません。今後のよりよい雑誌作りにつなげるべく、編集部、広告部、販売部も総動員で行ってまいりました。
凸版印刷は、板橋と川口の2箇所に大きな工場を持っています。今回の見学では、午前中に板橋、午後に川口の工場を回りました。
迷ってしまいそうなほど広大な敷地には、作業工程により分けられた数棟の工場と共に、印刷される前の巨大な紙の筒や、完成して出荷を待つ雑誌の山が積み上げられています。
巨大な紙の筒。この一本から、一体何冊の雑誌が作られるのでしょうか・・・。インクや紙の独特なにおいも漂っています。
こんなのも走ってます。ちょっと乗ってみたい・・・
さて、工場の中はというと…
広いフロアに並んだパソコンに向って、職員の方々が黙々と作業を続けています。
かつては職人のカンと手作業で行われていた仕事も、今ではほとんどパソコンのデータ上で処理されているんですね。
写真は、ポジフィルム、紙焼き、データ等、別々の形態で印刷所に送られます。
それらを製版するために、全ての写真を一旦スキャンし、3原色(黄、赤、青)に分解してデータに取り込みます。
(左端の円筒形のものがスキャナー)
このようにして取り込んだ写真と文字を、デザイナーが作ったレイアウトデータに当てはめていきます。
ページとしてある程度できあがったものは、その仕上がりを確認するため、カラー印刷されて編集部に戻されます。
紙質は本刷りのものと違いますが、全体像はほぼできあがっています。写真の色も鮮明。
そして、「ここの色をもっと明るくしてほしい、この文章は別のものに差替えたい」、そんな編集部からの要望と共に再び印刷所に帰ってきた素材は、修正が加えられ最終的に印刷に使われる「ハンコ」の素になります。
ひたすらパソコンと校正紙(修正箇所を書いたもの)とを見比べる作業が続きます。
どれだけ技術が進んでも、最後のチェックはやはり人の目が頼り。
いよいよ印刷。
データをもとにゴム盤にインクつけた「ハンコ」を作り、それを紙に写していくオフセット印刷という方法で行われます。
「3原色+黒」の4色の組み合わせで様々な色が印刷されていきます。
印刷業界では、インクは「肉」って言うんですね。
職員の方の説明に熱心に耳を傾ける通信スタッフ。
その後、裁断、製本を経てやっと完成。
ここまで長い道のり、敷地も広いわけですね。
一冊の雑誌ができあがるまでには、取材を受けてくださった方、ライター、カメラマン、デザイナーだけでなく、普段はお会いすることの無いこれほど多くの印刷所の方が関わっているのだということもよくわかりました。ありがとうございます!
今回の見学をふまえて、『料理通信』をもっとステキな雑誌にしていきたいと意気込むスタッフ一同なのでした。(yagi)
2006年 12月 12日 雑誌制作の舞台裏 | 固定リンク
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