FFCC主催 ステファン・ブロンシェフの料理講習会
去る6月19日、フランス料理文化センター(FFCC)主催で、料理講習会が開かれました。
今回の講師は、アルプスのリゾートホテルレストラン「シャビシュー」でシェフを務める、ステファン・ブロン シェフ。ブロンシェフは、「ルレ・ムジャン」、フロリダ「パーム・コート・ホテル」、カンヌ「ホテルマルチネス(二ツ星)」で経歴を積み、フランス大統領の料理人として国賓の食卓で腕を振るった経験も持つシェフです。今回が初来日。40人の参加者を生徒に行われた講習では、技術的な指導だけでなく、「シャビシュー」の厨房内の話、シェフの料理に対する考え方など、なかなか聞くことのできない話も盛りだくさんでした。
「シャビシュー」は毎日120~140人のお客様を向かえるレストランです。料理人は24人。目が回るほどの忙しさであることは想像に難くありません。だからこそ、一つひとつの作業を丁寧に行うことが大事であると、シェフは言います。「時間をかけることが、最終的に時間を節約することになります」、「丁寧にやることが、近道なのです」。
その言葉どおり、素材の切り方、温度管理、調味、火入れ、盛り付け、何につけてもとても慎重。大きな体に似合わぬ(?)繊細な手つきで仕事を進めます。
目の前で繰り広げられるグランシェフのテクニックに、参加者の熱い視線が集中。
「料理の価値は野菜の切り方にあります。一つとして同じ切り方をするものはありません。全てそれぞれの料理に合わせて、とにかく丁寧に」
オマールのサラダ
トリュフとポロネギの温かいヴィネグレットソース
カリフラワーとアーティチョークのタブレ仕立て
リヴェーシュのジュとマテ貝の香草マリネ添え
四角形の抜き型を使って底に敷かれたタブレ。その上にオマールエビがのっています。
「きちっと組み立てて盛り付ける習慣は、何度もコンクールに出たことで身に付きました。細かい作業ですが、普段からやっていることでストレスも減り、大事な場面でも落ち着いて仕事ができるんです」
オリーブオイルで皮目を焼いたスズキのグリル
緑の野菜のリゾット
パルメザンのエミュルジョンと共に
皮にパリっと焼き目をつけたスズキは、52℃のオーブンで火入れ。
「時間をかけることで、ジュを逃がさず火入れできます。真空調理に似た方法ですね。
ソースとなるエミュルジョンのバターは、他の材料と一緒に火を入れます。最後ではありません。油脂分は味の定着剤の役割をするんです」
ソローニュ産鹿の鞍下肉のロティー
ジュニエーブル風味
カボチャと栗とレモンのピュレ レグリスの香り
チェリーとショコラの甘酸っぱいソース
塩入りバターのチュイル
バルサミコビネガー風味のごぼう添え
カボチャと栗とレモンのピュレには、リグリス(甘草)のエッセンス入り。
「塩のしょっぱさとレモンの酸味→カボチャの甘さ→リグリスの苦味と味の重なりが感じられると思います」
粉のクルスティアン
マロンコンフィー入りマスカルポーネのムース
レグリスのアイスクリーム
リンゴのスパイシークランブル添え
底に敷いてあるチャツネは塩とコショウを入れるのがポイント。
「甘味だけでなく塩とコショウを加えることで、果物の味を引き出します。コショウはジャマイカペッパーがベストです」
「シャビシュー」では、食材は最上級のものを揃えており、それを決して無駄にしないようにスタッフに厳しく指導していると言うブロンシェフ。
「シャビシューは個人経営のレストランです。大きな企業がバックにあるわけではないんです。パセリの茎一つとっても様々な使い方で最後まで大事に使います」
料理解説の合間に聞いたお話からは、料理やレストラン経営に対するブロンシェフの真摯な姿勢が窺えました。中身の濃い、贅沢な講習会でした。(yagi)
2006年 6月 30日 EVENT(食の世界の様々なイベント) | 固定リンク
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