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2006年4月19日 (水)

ケイ コジマ氏、ADF+TSUJI シェフに着任

Adf1 ケイ コジマ(小島景)氏との再会のため、向った先は日本橋蛎殻町の[ADF+TSUJI]。「何年ぶりだろう」とドキドキしながら相対したコジマさんは、すばらしく厳しい“面構え”で、思わず息を飲むほどでした。「修行僧のようですね」(実際、坊主頭なのですが)と面と向って申し上げてしまうくらい、鍛え上げられた顔になっていたのです。
 

                
           コジマさん。修行僧のような顔です。→

 コジマさんが最初にフランスに渡ったのは、88年。リヨン「クリスチャン・テットゥドワ」、ミヨネ「アラン・シャペル」、サンテチェンヌ「ピエール・ガニェール」、ニース「ドンカミーヨ」で修業した後、97年に帰国。鎌倉「ガイア」、舞浜「スプーン」と日本で3年余働くものの、01年に再び渡仏。この3月までの丸々5年間、アラン・デュカス率いるモナコの三ツ星「ルイ・キャーンズ」で経験を積んできました。前後合わせると、料理人人生の大半に当たる計15年間をフランスで過ごしたことになります。この4月からは[ADF+TSUJI]のシェフを務めることになり、つい先日帰国。シェフ仲間の間でも「アイツは凄い」との評価をとる彼の帰国は、静かな期待を集めています。
 
「ルイ・キャーンズ」ではシェフ・ソーシエという、22人の厨房スタッフの主軸となって、腕をふるってきました。前に海、後ろに山、太陽が燦燦と降り注ぐ気候風土と、モナコという経済的にも恵まれた土地で、三ツ星を舞台に仕事をしてきたコジマさんは、最高の環境を味方としてきたと言えます。住まいを構えていたニース、仕事場だったモナコを語る時のコジマさんの顔は自然にほころび、地中海が育む素材の力に話題が及ぶと、かの地が料理人にとって天国であるが如くの表情を湛えるのです。とは言え、厳しい“面構え”が物語るのは、三ツ星の厨房で生き抜く過酷さに他ならないはず。しかし、そんなことは一言も言葉にせずに、ただニースの市場の輝きを語るのでした。

 その経験をこれからは[ADF+TSUJI]を通じて、プロ、アマを問わず、伝えていくことになります。「若いスタッフが鍋の中の肉と向き合い、魚と向き合っている時、『cuisinez!』と声を掛けるんです」とコジマさん。「cuisinez!」とは「料理しろ」という意味。「料理しろ」と言われても、「料理してるよ」と言いたくなりそうな台詞だけれど……。「素材の味を引き出せ、もっとおいしく、極限までおいしく、という意味なのです」。コジマさんが身をもって示すもの、それは「料理するとは、どういうことか」なのでしょう。 (kimijima)

Adf2取材に訪れた日、[ADF+TSUJI]では、若いスタッフがプラック(板状のコンロ)を徹底的に磨いていました。目が均一に細かく同じ方向に付くように磨くのだそうです。







Adf3_1 顔が映るくらいピカピカに。「ルイ・キャーンズでは、この作業を毎日、昼と夜の2度繰り返します」。







ADF+TSUJI

東京都中央区日本橋蛎殻町1-5-6 盛田ビルディング
Phone03-3664-9801

www.adf-tsuji.com

2006年 4月 19日 INFORMATION |

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