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2006年3月20日 (月)

#12 ローズ・ベーカリー

イギリス人オーナーによる、
シンプルで健康的なスイーツの数々


Kemon  モンマルトルの丘からパリ9区を南北に走るマルティール通りは、近年洒落た店がオープンし始めて、パリでも人気の場所の一つだ。かくいう私も、現在モンマルトルの丘に住み、今から8年くらい前には、このマルティール通りに住んでいたから、人気の場所となる前からこの坂のある界隈は大変気に入っている。

 メトロのノートル・ダム・ロレット駅を降りて、マルティール通りを1番地からモンマルトルの丘へ登るように歩いていくと、何軒かお気に入りの店がある。チーズ屋や魚屋、パティスリーも。
 そんな中に、「ローズ・ベーカリー」が加わったのは3年ほど前のこと。通りの窓辺から店内をのぞくと、白いカウンターに、パリでは見慣れない、でも懐かしいパティスリーや、野菜のタルト、サラダボールが所狭しと並んでいる。そんなおいしそうな風景に、中に入らないで入られなくなる。

 見慣れない、と思ったのはそのはずで、オーナーがイギリスで活躍していた御夫婦のお二人だからだった。スコーンやプディングがそれを物語る。ご主人のカラリーニさんは、フランス人だが、デザイナーとしてイギリスへ渡ったそう。奥様は生粋のイギリス人だ。デザイナーからフードショップ経営に転向。さらに、拠点をロンドンからパリに移した のが2002年の年末だった。

 パティスリーやサラダの並ぶカウンターケースのあるエントランスの向こうには、サロンがあって、ランチも楽しめる。ビオを中心にした新鮮な旬の素材を使ったリゾットやタルティーヌ、サラダなど、健康的でおいしい食事は、パリジャンの心をたちまちにつかんで、昼時はいつも満席だ。また、さすがデザイナーだったオーナーだけあって、肩の力を抜いたセンスの良いシンプルな空間もよし。午後のひとときをゆっくり過ごすのにぴったりで、しばしば時間を忘れて長居してしまう。


Cake_1  そして、この店に来ると、どうしても食べないでいられなくなってしまうのは、ニンジンのケーキだ。フランスには、レストランのデザートは別として、野菜を使った、さらにシンプルなケーキというのは、なかなかない。日本ならば、カボチャだのホウレン草だの、サツマイモだのと、昔から野菜をケーキに使うのは当たり前なのだが。テクスチュアや味わうときの温度にこだわるフレンチパティスリーだが、まだまだこの分野は未開発のようだ。
 ニンジンのケーキは、有機栽培のニンジンをたっぷり使った自然の甘味で、きざんだクルミもしのばせてある。爽やかな酸味でこってりとしたチーズクリームは、白い帽子を被ったような愛らしい見た目。心をふっと和ませてくれる午後にぴったりの優しいケーキなのである。


Rose Bakery
46 rue des Martyrs 75009 Paris
Tel:01.42.82.12.80(国番号33)

2006年 3月 20日 |

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