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2006年2月23日 (木)

#8 フォション -後編-

フォションのスペシャリテ、エクレアに自分らしさをこめる

IMG_0272  フォションのコンセプトを作り出しているのはディレクション側なので、シェフ・パティシエであるアダム自身は、フォションというブランドイメージを作るためだけに、クリエイションをしているというような印象も拭えない。それ故、彼自身のキャラクターはいまいちわかりにくいのというのは本当のところだ。
 
 ただ、そんなアダムが、そうした枠組みの中で、自分らしさを出そうとしているのが、やはりフォションが長年スペシャリテとしてきたエクレアのシリーズではないかと思った。彼は2年間で25種ものエクレアを作ってきたそうである。シャンパンとフランボワーズ風味や、スパイスビスケットのスペキュロス入りクリームのエクレア。イチジクや有塩バターのキャラメル風味、オレンジ風味のチョコレートエクレアなどなど・・・。どうして今まで、エクレアは、チョコレート風味とコーヒー風味しかなかったのだろうと思わせるような品揃えである。
 また今年夏には、ミントとヴァニラ、パッションとローズ風味のエクレアを発表予定だそうだ。こんな味わいをエクレアにするなんて! という驚きを得たり、また味わいにぴったりのモダンな様相のグラサージュに出会うと、アダムは楽しんで作っているのだろうな、と思う。しかし、一つひとつを吟味すれば、味わいの組み合わせなどもシンプルでコンサバ的。奇抜さよりもクラシックを愛するアダムの顔を垣間見ることができる。残念ながら抹茶風味はないが、作るのだったら、「サダハル・アオキ」の真似といわれないものを作らなければならないだろう。
 
 もちろんフォションはお茶の品揃えでも長年知られているから、お茶風味のパティスリーを作ることが、歴代シェフの課題だった。ダージリンティは扱いやすいので、エクレアやクリーム・キャラメルなどに、積極的に使われているが、抹茶の存在はまだ薄い。ただ、アダムは抹茶とマンゴーとのエキゾチックな組み合わせが好きなようで、1年前は、マンゴーのムースに抹茶の風味を加えたタルト。そして2006年1月には、抹茶と、マンゴースライスを加えたフランジパンを仕込んだ、変わり種のガレット・デ・ロワも紹介していた。
 
 時代を読むフォションのことだから、これから旬の日本の素材を使ったデザートも提供していくことだろう。料理のエクゼクティブシェフが狐野扶実子さんとなって、どんな展開を図っていくのかも、楽しみである。

Fauchon
place de la Madeleine  75008 Paris
Tel:01.70.39.38.00(国番号33)

2006年 2月 23日 |

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フォションは日本では紅茶がメインで、お菓子はあまり見たことがなかったので、購入して日本に持ち帰ってきました。 4種あるうち、シトロン、ピスターシュ、キャラメルを購入。 なぜかオランジュは購入せず。 1個1.4ユーロでした。 日本円に換算すると、「まあ、こんなもんかな」という価格帯。... 続きを読む

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