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2007年9月16日 (日)

#25 Mirazur

レモン祭りで有名なマントンと言う街の、イタリアとの国境沿いに「Restaurant Mirazur」はあります。
ものすごく不便なところなのですが……ものすごく眺めは良いです。

もともとは、「Bastide de St-Antoine(バスティードサンアントワーヌ)」というGrasse(グラースという香水の街)の二ツ星レストランのコンタンポラリービストロと言うことでオープンしたお店だったのですが、お店をオープンしてたったの1年でクローズしていました。

それからお店は3年間閉鎖されていて、その後このお店のシェフになったのが、Mauro Colagrecoと言うアルゼンチン人シェフで、パリの有名三ツ星でいろいろ働いて、このマントンの土地にやってきました。
彼とは何の面識もなかったのですが……幾度となく雑誌で見かけていたので、なんとなく気にとめていました。

それから何度かイタリアのヴァンチミリアの市場で彼を見かけ、一度彼のレストランに食事に行き、それから市場で会うと朝はコーヒーを飲む仲になっていました。

同じ外国人で、しかもフランス料理で、彼のお師匠さんはかの三ツ星「Alain Passard(アラン・パッサール)」。僕はアランとは一緒に働いたことはないのですが、僕の中ではとてつもなく影響を与えてくれた人で、自分にとっても料理の哲学の中で、お師匠さんといったような存在のシェフです!!

僕がフランスに来るきっかけをくれたシェフでもあります。ま、本人は覚えてないと思いますが……
いや~~フランスに修業に来た時は、何通彼のレストランに手紙を書いただろうか……少なくとも10通以上は書いたよな~~

返事はいつも、“うちのお店の従業員は満員です!!”
あのレストランで働きたくて働きたくて……直接訪問にも行ったよな~~~。残念ながら僕の夢は叶わず……
結局、違うところでいろいろと働きましたが、僕がフランスに修業に来た理由は、実はあのお店でいつか2番目のシェフになるのが目標でありました。

そんな話はおいといて……

1 マウロとは11日僕のお店でコラボレーションメニューをし、12日も彼のお店で同じようにコラボレーションメニューをしました。
お互いのお客さんに、“自分達のお店の宣伝ができたらいいね~”ということがきっかけでこのような企画をしました。

ちなみに11日のメニューは…

Amuse bouche   
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Oursins de Mediterranee 
sauce pimentee, espuma d'amandes
-------------------------------
Foie gras de canard du Gers
en bonbon, cepes sautes, croustillant de parmesan, 
emulsion de champignons 
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Filet de Saint-Pierre 
a la plancha, haricots coco et jambon de Parme grille
vinaigrette de vongoles aux senteurs de citron
-------------------------------
Agneau de Sisteron 
roti, pignons de pin et jus corse
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Pre-dessert   
figue noire en compotee, granite violette et mousse de yahourt
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Terre de chocolat 
glace " Mate " et eclats de noisettes
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Mignardises 

2345672_3         

7_3マウロのメニューも自分のメニューも評判がよく、とりあえず一安心でした!!

でも実は今回は9月(一番忙しい時期のすぐ後)で、あまりしっかりした準備期間が取れず……Quatre Mains(4つの手)でも、ただ一皿ずつ交代のメニューでしたが、11日、12日とも本当にとても好評だったので、またやろうと言うことになりました。

でも、今度は一緒にメニューをテーマを決めてやろうと言うことになりました!! 何を作るか今からとても興味があります。

8 僕らとしては、ただPRになればと言うことで始めた企画だったにも関わらず、お互いとてもいい刺激を受け、お互いのお店のやり方、シチュエーションを見ることができ・・・とても勉強になり、また何かクリエートする気持ちになり本当によかったです!!
同じように自分のスタッフも、彼のところ9のスタッフも“なかなかできないような経験ができたと”喜んでくれてました。

僕の感想として、アルゼンチン人なのに、彼の料理ははとても日本的で面白かったです!!

彼曰く、“日本には行ったことがない”とのことでしたが……

10紫蘇やワサビ、カツオだしとかを料理に使っていて、何か不思議な感じでしたがおいしかったです!!
なんか改めて、日本ブームなのかなと思いました!!

僕はぜんぜんスタイルが違い、とても地中海風なんですが、ちょっとした火加減とか火の入れ方が日本風で彼にも面白く映ったようでした!!

お店のほうも一年近くたって落ち着いてきたので、今後はこのような機会も増やして、料理人としてもっともっと成長していければと思います!!
もちろん彼とも今後もこのようなフェアを続けていきます、年も1歳しか違わず、そして同じようなシチュエーションで、よき友で、良きライバルが見つかったといった感じで本当に嬉しいです。

ニースに来たら是非寄ってもらいたいレストランです!!
http://www.mirazur.fr/index.html

Merci Mauro!!

2007年9月15日 

Keisuke Matsushima

もうひとつの松嶋啓介のブログはこちらから
http://blog.goo.ne.jp/keisukematsushima/

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2007年9月 2日 (日)

#24 ガスコーニュ地方でヴァカンス

お店を始めて5年目。初めて夏休みを取りました。
やっとフランス人になった気分(笑)

123   

そして、フランス人のように車で大移動。
訪れたのは南西フランス・ガスコーニュ地方St-Martin d'armagnac(サンマルタン・ダルマニャック)という村で、ニースから約7時間かかりました。
ん~~パリからだともっとかかるかな~~~???

なぜここに訪れたかというと、この村のオーベルジュで働いていたから……里帰りです!!

フランスに行った1年目……自分の語学力をアップさせたいため、パリではなくあえて日本人のほとんどいない地方を選んで修業をしていました!!
もちろん源流を訪ねたいと言うこともありましたが……
今考えると、当時は自分に厳しかったな~~~いまは甘ちゃんで、しっかりし直さなえればいけないです。

日本人ってレストランによっては意外と2,3人いたりするので、自分に甘えないためにも、フランス人の考えをしっかり物にするためにも……あえて厳しくしなければと思っていたものです!
ま、そのお陰もあってか、今そこそこフランス語ができます。

実を言うと、僕のフランス語って、学校に一度も行かずの独学なので結構間違いがあるんですが……(いや~~たくさんかな?)勢いでしゃべっています(笑)

すこし脱線!!元に戻ります……

4 僕の働いていたオーベルジュのオーナーは、Pierette Sarran(ピエレット サラン)といいまして、Toulouse(トゥールーズ、記念すべくサッカーWカップ第1戦目の地)を代表するRestauran Michel Sarran(ミシェル サラン。確か10月マンダリンオリエンタルホテルでフェアをすると思います)のオーナーのお母さんでした!!
伝統的な地方料理を提供するお店で、ヴァカンス時期になるとイギリス方面からたくさんの方が見えていました。マグレドカナール、フォワグラ、コンフィ、カスレ、etc.
そしてあの有名なPastis Gascon!!(トルティエール ガスコーニュとも言うこのお菓子は写真だけですが、個人ブログのほうで紹介させていただいています)

僕がどうしてこの店を選んだかというと、このお菓子がフランスの地方料理を紹介する雑誌に、たまたま出ていたからでした!!
”こんなお菓子もあるんだな~”自分のものにしたいと思ったからでした。

ちなみにここには3カ月いたのですが、本当に大変でした!!
なぜかというと……毎日の食事が鴨だったからです、そして村には電話Boxさえもなく、Cafeもなく……これは経験しないとわからないです、絶対!!

ま、そんな辛い思いのある村もヴァカンスで来ると、とても良いもので、自然の中での生活は本当にのんびりできました。
プールではしゃいだし……

庭には、桃の木、イチジクの木、プルーンの木、洋ナシの木があって……それから畑には少量ですが、ナス、トマト、ピーマン、ズッキーニ、バジリコを作っていました。
滞在中それらを使って料理を作りましたが……本当に料理人冥利に尽きます!!
オーベルジュって本当にいいですよね~~~

この村にはJean-Lucと言う野菜の生産者がいて、この南西地方ではとても有名です!!
彼が作るミニ野菜はとても身がしまっていて、味の深いもので……星付きシェフはこぞって彼の野菜を買っています
そんな彼の畑も訪ね、そして彼の家も訪ね……おいしい野菜を分けてもらいました。

それを元にお世話になってるマダムとその友人を招待して、皆でディナーを開きました!!

で僕が作ったのは、

7_2さまざまな種類のトマトとサラダメスキュラン、シンプルに自家製マヨネーズ……
野菜一つひとつに味があるので、こんなにシンプルでも飛びぬけるようにおいしかったです!!

それから、さまざまなミニ野菜の煮込み、レモンとバジリコ風味……
ラタトゥイユのように軽く煮込むのですが、ラタトゥイユのようにはトマトは入っておらず、切り方などに気をつけ食材の触感を活かした一皿を創りました。
5これがマジいけてて……今度お店で作ろうと思っています!!
 
で、メインが牛ロース肉のエマンセと、フォワグラ風味のタリアーテレのカルボナーラ添え。
ベーコンをフォワグラに替えてささっと作りましたが、悪くなかったです!!

そして、デザートはマダムから伝授していただいたPastis Gascon!!
滞在中に2日間掛けて伝授してもらいました!!
6 懐かしい味で、里に帰ったという気分になりました。

僕にとってこのガスコーニュはフランスの第2の故郷なんですよね~~~
だから今回このオーベルジュが閉まっているのを見たときはとても複雑な気持ちになりました。正直寂しかったです!!

何とかしたいな~と言うのが本音で、息子のMichelは彼自身いくつもの店を経営してるから、不可能だと言うし。
彼も同じように寂しく思ってるみたいなのですが、人生ってうまく行かないものですね!?

でも、ここにこうやってこのタイミングで戻ってきたのもなにかの縁だから、思わずマダムに交渉してしまいました。
正直、手に届かない額ではなかったですし(日本人初のフランスオーベルジュ計画も悪くないかも???野望はたくさん……)。
マダム自身も“他の人に手に渡るより、ケイがやってくれるほうが嬉しいわ”といってくれてるし~~~ちょっと来年度の計画に入れようかなって考えています!(ま、あくまで目標です)。

でも、本音は田舎嫌いなので住めないだろうから、誰かパートナー見つけないと駄目かな?  ヴァカンスで訪れると住むのは違うって一番知ってるのは僕だし。でもたまに行くのはいいから……なんて本気モードです!!

8 フランスガスコーニュ地方日本ではあまり知られていませんが、僕にとってはフランスの台所のような食文化レヴェルの高い地方です!
アルマニャックも造っているし……
かの有名なMichel Guerardの三ツ星レストランLes Pres d'EugenieがEugenie-les-Bainsという村にもありますし。
今回僕は体験できませんでしたが、フォワグラのガバージュ(強制肥満化)もやっています……

ぜひ一度は皆さんに訪れてもらいたいところです!!
どっぷりフランスを楽しめると思います。

2007年9月1日 

Keisuke Matsushima

もうひとつの松嶋啓介のブログはこちらから
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