#25 Mirazur
レモン祭りで有名なマントンと言う街の、イタリアとの国境沿いに「Restaurant Mirazur」はあります。
ものすごく不便なところなのですが……ものすごく眺めは良いです。
もともとは、「Bastide de St-Antoine(バスティードサンアントワーヌ)」というGrasse(グラースという香水の街)の二ツ星レストランのコンタンポラリービストロと言うことでオープンしたお店だったのですが、お店をオープンしてたったの1年でクローズしていました。
それからお店は3年間閉鎖されていて、その後このお店のシェフになったのが、Mauro Colagrecoと言うアルゼンチン人シェフで、パリの有名三ツ星でいろいろ働いて、このマントンの土地にやってきました。
彼とは何の面識もなかったのですが……幾度となく雑誌で見かけていたので、なんとなく気にとめていました。
それから何度かイタリアのヴァンチミリアの市場で彼を見かけ、一度彼のレストランに食事に行き、それから市場で会うと朝はコーヒーを飲む仲になっていました。
同じ外国人で、しかもフランス料理で、彼のお師匠さんはかの三ツ星「Alain Passard(アラン・パッサール)」。僕はアランとは一緒に働いたことはないのですが、僕の中ではとてつもなく影響を与えてくれた人で、自分にとっても料理の哲学の中で、お師匠さんといったような存在のシェフです!!
僕がフランスに来るきっかけをくれたシェフでもあります。ま、本人は覚えてないと思いますが……
いや~~フランスに修業に来た時は、何通彼のレストランに手紙を書いただろうか……少なくとも10通以上は書いたよな~~
返事はいつも、“うちのお店の従業員は満員です!!”
あのレストランで働きたくて働きたくて……直接訪問にも行ったよな~~~。残念ながら僕の夢は叶わず……
結局、違うところでいろいろと働きましたが、僕がフランスに修業に来た理由は、実はあのお店でいつか2番目のシェフになるのが目標でありました。
そんな話はおいといて…… マウロとは11日僕のお店でコラボレーションメニューをし、12日も彼のお店で同じようにコラボレーションメニューをしました。
お互いのお客さんに、“自分達のお店の宣伝ができたらいいね~”ということがきっかけでこのような企画をしました。
ちなみに11日のメニューは…
Amuse bouche
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Oursins de Mediterranee
sauce pimentee, espuma d'amandes
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Foie gras de canard du Gers
en bonbon, cepes sautes, croustillant de parmesan,
emulsion de champignons
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Filet de Saint-Pierre
a la plancha, haricots coco et jambon de Parme grille
vinaigrette de vongoles aux senteurs de citron
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Agneau de Sisteron
roti, pignons de pin et jus corse
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Pre-dessert
figue noire en compotee, granite violette et mousse de yahourt
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Terre de chocolat
glace " Mate " et eclats de noisettes
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Mignardises
マウロのメニューも自分のメニューも評判がよく、とりあえず一安心でした!!
でも実は今回は9月(一番忙しい時期のすぐ後)で、あまりしっかりした準備期間が取れず……Quatre Mains(4つの手)でも、ただ一皿ずつ交代のメニューでしたが、11日、12日とも本当にとても好評だったので、またやろうと言うことになりました。
でも、今度は一緒にメニューをテーマを決めてやろうと言うことになりました!! 何を作るか今からとても興味があります。 僕らとしては、ただPRになればと言うことで始めた企画だったにも関わらず、お互いとてもいい刺激を受け、お互いのお店のやり方、シチュエーションを見ることができ・・・とても勉強になり、また何かクリエートする気持ちになり本当によかったです!!
同じように自分のスタッフも、彼のところのスタッフも“なかなかできないような経験ができたと”喜んでくれてました。
僕の感想として、アルゼンチン人なのに、彼の料理ははとても日本的で面白かったです!!
彼曰く、“日本には行ったことがない”とのことでしたが……紫蘇やワサビ、カツオだしとかを料理に使っていて、何か不思議な感じでしたがおいしかったです!!
なんか改めて、日本ブームなのかなと思いました!!
僕はぜんぜんスタイルが違い、とても地中海風なんですが、ちょっとした火加減とか火の入れ方が日本風で彼にも面白く映ったようでした!!
お店のほうも一年近くたって落ち着いてきたので、今後はこのような機会も増やして、料理人としてもっともっと成長していければと思います!!
もちろん彼とも今後もこのようなフェアを続けていきます、年も1歳しか違わず、そして同じようなシチュエーションで、よき友で、良きライバルが見つかったといった感じで本当に嬉しいです。
ニースに来たら是非寄ってもらいたいレストランです!!
http://www.mirazur.fr/index.html
Merci Mauro!!
2007年9月15日
Keisuke Matsushima
もうひとつの松嶋啓介のブログはこちらから
http://blog.goo.ne.jp/keisukematsushima/
2007年 9月 16日 | 固定リンク