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2007年8月 1日 (水)

#22 博多祇園山笠

Juillet2007_219 今年も博多山笠に行ってきました。

本音を言うと、山笠の事をこのブログで書くのはどうかな?
と少々疑問に感じているのですが……
毎年このお祭りから山のようにいろんな事を学んでいるので、是非是非ご紹介させてください!!

「博多祇園山笠」は全国に知られる夏祭りで、国指定重要無形文化財で766年の歴史があり伝統と格式を持っています。
この祭りから何を学ぶかというと……昨年は伝統と秩序、しきたりという事を学びました!!

中村製菓調理師専門学校の校長先生からの一言、
「山笠は伝統と秩序、しきたりを大事にする祭りだから」
この言葉にじ~~んときました。
でこのことを福岡の友人に話すと、
「感動するのは良いけど、一番秩序を守ってないのはお前だ」
と言われました(苦笑)。

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で、今年は何を学んだかというと……
「伝統も時代の変化と共に変化する」という事を学びました!

それは以下の校長先生のブログから。
http://blog.livedoor.jp/nsg3/archives/50816105.html

「日本の文化の特徴のひとつに、山笠だけでなく、建物なども木や紙でつくり、それを定期的に壊して、また再びつくることがあげられます。
その象徴が伊勢神宮の20年に一度の遷宮で、1200年以上にもわたり、定期的に神社の建物を建て替えつづけてきたものです。
また、私の幼い頃は、定期的に畳や襖(ふすま)、障子などを張り替えたものでした。

これに対し、ヨーロッパの文化は、石やレンガでつくった建物や構築物を、数百年あるいは千年以上も大事に保存するものです。
パリの建物は築100年以上のものがほとんどです。またローマ時代の構造物を現在も利用しているところもあります。
先日、お話した外尾悦郎君のやっている「サグラダ・ファミリア」などは建築にすでに100年かかっており、完成までに今後200年はかかるだろうと言われています。そうなれば1000年は使わなければ減価償却できませんね。(セコイ計算で申し訳ありません)

Juillet2007_226 日本は、壊して再構築することにより、伝統を継承する人材を育て、ノウハウを伝えていきます。また、その継承の中で、わずかに改革や新しい考えも取り入れていきます。
博多祇園山笠でも、昨年までは「不浄の者立ち入るべからず」の立て札があり問題となっていましたが、今年からはそれも全く見かけませんでした。

Juillet2007_229 また、昔は今の八番「上川端流」のような巨大な山笠をすべての流(ながれ)がかついでいましたが、明治の頃に電線などが邪魔になって、今のような低い山笠をかつぐようになり、大きな山笠は「飾り山笠」という動かないものにと分離していったそうです。
伝統を守り続けている博多の山笠も、実は時代の流れとともに少しずつ変化しているのです」
中村先生のブログ「てつ校長のひとりごと」http://blog.livedoor.jp/nsg3/

料理も同じで、伝統をベースに時代の変化と共にすこしずつ変化してきました。だからこれから先も、伝統を大事にしながら時代の変化を身体で感じながら、変化していかなければという事を思いました。

そしてここ最近、料理の再構築という言葉を良く聴きますが(僕もたまに使う言葉ですが)、

分解→再構築

僕はそこに対して、時代に合った調理法で伝統、地方性というものを表現できれば良いと思っています。
でもただ間違えていけないものが、芯をはっきり決め、軸のぶれていないものを作らなければいけないとも思います。

ご存知だとは思いますが、この“再構築”という言葉をよく使い始めたのが、カタルーニャの奇才、エル・ブリのシェフ、フェラン・アドリアです!!
おかしなことに、あのサクラダ・ファミリアのあるカタルーニャ地方出身のシェフです。
ヨーロッパの文化の石やレンガを大事にするという中から、彼が再構築という言葉を流行らせたのは、何かあるようで気になってしょうがないです。

「もしかしたらこのカタルーニャ地方に何かヒントがあるのか……。あの環境あの建物を見て何かを感じたのかな~?」
バルセロナ好きな自分にとっては、勝手に想像してしまいます。

久しくバルセロナに行ってないので行きたくなりました~~~。
なので近いうちに行ってきま~す。

P.S. 他にも感じたことはたくさんあったのですが・・・・
これはもう一つのブログのほうに書かせてもらいます!!

2007年8月1日 ニースにて

Keisuke Matsushima

もうひとつの松嶋啓介のブログはこちらから
http://blog.goo.ne.jp/keisukematsushima/

2007年 8月 1日 |

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