#4 母校に戻って感じたこと…
今はお店の改装中!!
この間に普段出来ないことをやりたい……で、今回帰国して行ったところは、母校の「エコールキュリネール辻東京」(いつの間にか名前が変わってました(笑))。
2日間計3回に分けて授業をやってきました!! 大阪でも授業をやりました。学校は“凱旋授業”なんて言ってくれてましたが、僕からしたらよくもこんな僕を呼んでくれたな~って感じでした。
やはり学生を前にしての授業は何か恥ずかしいものがあり(学生じゃなくても授業はやはり大変)、正直、何を教えることが出来るのだろう、っていう気持ちがありました。
しゃべりながらというか、説明しながら料理を作るのは、これまた結構難しい。
ご存知のように僕自身はは結構なおしゃべりで……
しゃべりながらの仕事は昔から得意だったのですが、説明をちゃんとしながらの講習には実は汗タラタラでした。
で、今回授業で作った皿というと、
■セップ茸のカネロニ仕立て、栗かぼちゃのエミュルション、黒トリュフ添え
■ブイヤベースのリゾット仕立て、天使の海老、イカ、ムール貝、ひめじ、リケット
■さっと焼いただけの牛のミルフィーユ仕立て、わさび風味、日本の香り
の3品でした!!
http://www.tsujicho.com/compi/toku_topi/topics/topics30.html
(辻調のサイトに大阪での授業の様子が出ています!!)
うちのお店の代表的なお皿なのですが、料理のテクニック云々よりも、どうしてこの料理を作ろうと思ったのか、それからどうしてこのお皿を作ることになったのかという点を重点的に説明しながら授業は行いました。
技術は世界一の先生達が教えることだし(褒めすぎかな?)、今回は土地、気候について、それからアイデンティティを特に説明しました。
正直学生達にちゃんと伝わったかどうか心配です……でも自分がやれる限りのことはやったのではないかと思います!!
実を言うと、今回の授業での僕の目的は、学生達との対話でした。
これからお店を大きくする立場として、今後は若い子達の力が必要になってきます。
僕はここまであまりにも一人勝手にしてきたほうなので、若い子達の考えについてはまったくと言ってもいいほど知らないです。
(ここ最近インターネットで入ってくる情報だけでは、日本の社会が変わってきているのはわかるのですが、さすがにそこまではわかりません)
これから小さな会社の経営者となる身。クリエイターを支える労働者の気持ちを知らなければいけないと思います。
でも世の中常に変化しているし、なかなかそこまで目が行くものでもありません。労働者の気持ちも時代とともに変化しています。
そうそう今は工事中。
少し時間はあります。
学校からは若い子達の気持ちを知るため、触れ合うための貴重な経験をさせていただいたと思います。本当に感謝です。
さて、料理を全部作り終わった後の質問コーナーで、いくつかの質問を受けました。さすがにたくさんではなかったのですが……
でも、その中からでも学生達の気持ちが伝わってきたし、貴重な経験が出来たと思います。
それにしても、最近の子達は(と言っていいのかわかりませんが)、アクがない子が多いように思えます!! みんな優等生って感じで、自分の意見を持つことに恥ずかしさを覚えているようにも見えました。
自分が学生だったころはどうだったんだろ~って考えると、アクの強い嫌~な生徒だったように思います!
でもアクってうまく煮込めば、旨みになるんですよね!?
自分のアクが旨みになっているかどうか分かりませんが……しっかりした個性として、人の味としてお皿の上に表現されているとは思っています!!
料理にはよく人間性が出るって言いますが、じゃあ頑固親父の店って謳われているお店が流行るのは何ででしょう?
その頑固さ、“アク”が味になってるからなんでしょうか?
自分をもっと毒つけようと思っているわけではないのですが、しっかりとした個性を持って料理は作っていかなきゃな~っと学生達を見ながら強く感じました。
今回の授業を終え、感じ思ったこと。
世の中には本当にいろんなビジネススタイルがあると思います。
で、うまくいっているビジネスは、時代に合わせたビジネススタイルを作り出しているので成功しているのかな~って思うのです。
でも、勘違いしちゃいけないのは、変わらないことが良いといったビジネスもあることだと思います。
そのどちらにも言える事は、
しっかりとした軸、基礎があることではないでしょうか?
料理も同じで、時代に合わせて変わって来ていると思いますし、変わらない良さもあると思います!!
軸があれば、要するに、基礎がしっかりあれば時代の変化に対応することが出来るでしょうし、変わらない良いものも作ることが出来るんだとも思います。
そういった軸、基礎を、学校に帰って学生に教えながら、先生達との対話や、先生達が学生に授業を教えているのを見ながら再認識させられました!
それにしても、もっとしっかり基礎、軸になるものを勉強してれば良かったな~と後悔です。
そしたらこんなにいい加減な男にはなってなかったのではないでしょうし・・・・・・
・・・・・・・・いい加減・・・そうそう自分しか出せない、いい加減です(笑)
2006年10月25日 パリにて
Keisuke Matsushima
2006年 11月 1日 | 固定リンク