「松嶋啓介のニース便り」がスタートします!
この春、ミシュランの星を獲得して話題となった、ニース「ケイズ・パッション」松嶋啓介シェフのブログが本日からスタートします。毎月1日と15日の更新を予定しています。ニースの光と風を、松嶋シェフの手紙から感じてください。
TRIPPA通信での松嶋シェフのインタビュー記事は、こちらから。
http://trippa.cocolog-nifty.com/trippa/2006/03/2_8f81.html
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#1 Kei's Passion は閉店します。
Kei's Passion――
2002年12月20日、自分の誕生日祝いにお店を開いてから3年と9カ月。いろいろなことがありましたが、2006年9月16日を持ちまして、「Kei's Passion」は閉店します。
ただフランスにもっといたいという思いから始めたとても小さな店でしたが、ミシュランの一ツ星を頂く店にまでなりました。
今、こうしていろいろと自分が取り上げられますが、これも今まで多くの日本人の方達がフランスで一生懸命働いてきた結果、日本人の料理人としての評価、日本人の仕事に対しての誠実さが、フランスという国でも認められてきたからであり、自分もその延長線上で評価され、星が付いたのだと思っています。
これは自分ひとりに対しての評価ではないと重々承知しております。
本当に、この場を借りて御礼をしたいと思います。
よく思うことなのですが、日本人のシェフがフランスで店を出せば僕は誰でも星は獲れると思っています!
日本人の持ってるセンス、技術があれば皆、星を簡単に獲れるはずです!!
僕でも取れたんですから…
本当に次が続けばいいな~と思います。
Passion――
この名前は、フランスという土地でレストランを開こうとチャレンジをする、僕みたいな若い外国人の情熱を知ってもらうためにつけた名前でした。
が、この名前ともお別れです。
「自分のチャレンジはとりあえず成功した」と自信を持って言えるし……(でもたまに、そんなにフランス語を完璧に話すわけでもないのによくお店をひらいたな~と思います! かなり無鉄砲でした(笑))
今後は “Keisuke Matsushima” と名前を変え楽しんで行こうと思います。
日本人に生まれたことを誇りに思い、日本人にしかない感性、自然に対する繊細な感受性などを、もっともっと地中海という地方にうまく融合させていければと思います。
調理場も大きくなりますので、1人のクリエイターとして、今後どういう作品を作り出せるか自分自身が楽しみです。
内装のアーティストディレクターは、Jean Grisoni(www.ateliersjeangrisoni.com)というパリ在住のフランス人、内装の現場監督は、Jean Roglianoさんというイタリア人にやってもらっています。
Grisoniとは先日、福岡の博多山笠を一緒に観に行き、僕の根っ子の部分を見てもらいました。彼もインスピレーションをたくさん受けたみたいでものすごく楽しみです。
内装は、自然でミネラルな感じを持たせて、シックに仕上げる予定です。
今までのお店とは、比べ物にならないくらい素敵なお店になると思います。
今回はお皿も手がけます。リモージュの「ベルナルド」とのコラボレーションで、お店のオリジナルのお皿を焼いてもらうことになっています。こういうことをするレストランあまりないとは思いますが、せっかくなので……。
サービスのユニフォームは、Keita Maruyamaさんにお願いしました。
せっかくゼロから始めるお店なので、いろんなことにこだわっていこうと思っています。
衣装、お皿については、また少しずつ書いていきますので楽しみにしてください。
それでは。
Keisuke Matsushima
2006年 9月 15日 | 固定リンク