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2010年5月 9日 (日)

日本酒に仕込み歌。ではワインには?

料理通信ONLINE「日本酒特集-番外編-」では、寺田本家の仕込み唄について、映像や歌詞などをご紹介しています。

取材中、ふと心に浮かんだのは、そういえば、ワインを仕込んでいるときに何か音楽をかけている人って、いたっけなぁ? という疑問。

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今までさまざまなワイナリーを訪ねてきましたが、仕込みの際に何らかの唄を歌っているのにあまり出くわしたことはありません。

例えば、かつてボーペイサージュの岡本英史さんは、何のBGMをかけることなく、シーンと静まり返った蔵のなか、黙々と1人で作業をしていました。音のある生活にあまりに慣れきってしまった私には、それは大きな驚きでもありました(今は、スタッフも加わり、たったひとりの仕込みも少なくなりました。相変わらずシーンと静かですが)。

ただし、人間ではなく、ブドウやワインに聞かせるのが目的で、何らかの音楽をかけているワイナリーはあります。ツイッターhttp://twitter.com/miyukikatori)で、皆さんに問いかけたところ、いくつかの例も寄せられました。

Photoワインジャーナリストの柳忠之さんhttp://twitter.com/tada3236)の情報によると、チリのワイナリー、モンテスではセラーで、「グレゴリアンチャント(グレゴリアン聖歌)」をかけているそうです。なんとも厳かですね。
また、フリウリワインとバローロをこよなく愛する葦原 通さん(よしはら とおる 通称:よっさん http://twitter.com/barolista)からは、こんな情報が……。
「イタリアのロッケ・デイ・マンゾーニは、壜内熟成中のバローロにオペラを聴かせてやっていましたよ」と。
グレゴリアンチャントにしても、オペラにしても、仕込み唄とはメロディーも、リズムもかなり違います。

そして、日本にもありました。奇しくも2例とも、作曲家はモーツァルトです。ひとつは、北海道、三笠の山崎ワイナリー。こちらは、畑にモーツァルトをかけているそうです。そしてもう一例は、栃木県、足利のココ・ファーム・ワイナリーの例。2006年、モーツァルト生誕250年の秋に収穫されたブドウを樽熟成中、モーツァルトの音楽をかけていたとか。出来上がったワインは、その名も「モーツァルト日和」。ワインは赤、白2タイプ。ちなみ熟成時に聞かせたCDも発売中です。

2010年5月 9日 | | トラックバック (0)