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2009年12月14日 (月)

厳寒の剪定作業

ほかの品種に比べて収穫の遅い黒ブドウを仕込んでいる造り手たちも、ようやく先週半ばから終わりにかけて、発酵の終わったワインをプレスして、樽に移し終わったようです。2009年の仕込みもほぼ終了です。

Photo_5造り手によっては今の時期に堆肥を撒く人もありますが、来年の剪定作業まで、ブドウ園は比較的静かなときを迎えます。しかし、北海道など積雪の深い地域は別。雪が積もる前になんとしても剪定作業を終えなければなりません。11月、そういった地域の収穫が終わった造り手たちに電話すると、たいてい、畑で剪定作業の真っ最中でした。

P1010796 「北海道のワイン造りを理解するのなら、雪の中の剪定作業を見にこなきゃだめだよ」とは、以前から北海道ワインの今村農場長に言われていたのですが、今まで実現せずにおりました。そして、今年初めて雪の鶴沼ワイナリー(醸造所がないのに、なぜかワイナリーという名前がついている)を訪ねました。滝川まで電車で出ると、北海道ワインの営農部の齋藤浩司さんが駅まで迎えに来てくれています。

鶴沼に着いてみると、前日から降り始めた雪がかなり積もっています。ある栽培家をして8月後半は30年に一度の好条件と言わしめた2009年ヴィンテージですが、北海道だけは例外。各ブドウ園とも収穫量はかなり減少傾向です。今村農場長のお話では、2009年のヴィンテージのブドウの状態を考慮して、鶴沼では例年とは少し異なる剪定方法をとっているとのこと。ブドウ園をはいって、剪定作業をしているというセイベル9110の畑まで連れて行ってもらいました。

Photo_2雪がしんしんと降り積もるなか、みな、黙々と剪定作業を続けています。パチン、パチンと剪定ばさみの音が鳴り響きます。なんともいえない光景でした。一言で言い表すのが申し訳ないような。思わず息をのみました。こうした作業に支えられて北国のワイン造りは成り立っている。北国のヴィニュロンたちがこうした仕事を毎年続けている……。
皆さんは、午前中は朝7時から12時まで。午後は13時から16時まで、この剪定作業をするそうです。今村さんのお話では、これだけフルに働いても、雪が深くなってしまうと、一日に50メートルの作業が進まないこともあるそうです。

車を降りて、雪の中を歩いてみました。ユニクロのヒートテックを上下きこんで、おまけにカイロまで持っていきましたが、冷え方が違う。体の芯が気づくと冷たくなっている。剪定作業の主力は50歳前半の女性たち。以前、レンコンの取材をしたときに、冷たい水に入って収穫していると、神経痛になってしまうといっていた話を思い出しました。

Photo_3北海道ワインには「雪摘み」とか「ラストハーベスト」とか「ウインターハーベスト」という名前のついたワインがあります。こんな状況で収穫していたんですね。
夏の光景から想像もつかない北国の厳しさでした。

●北海道ワイン
www.hokkaidowine.com/

●北海道ワイン鶴沼ワイナリー
http://www.hokkaidowine.com/contents/production/vineyard/index.html
今年の夏はここでワイン祭も開催。訪問客も年々増加。はやくここに醸造所ができるといいのに……(というのは私の個人的な希望です)。

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2009年 12月 14日 |

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