フランス・ビオ界のスーパースター山梨訪問記 #2
当日はヴァンビオのフランソワ・デュマさんのサポートもあり、マーク・アンジェリ氏に加え、同じロワール地方の造り手、ギィ・ボサール氏(ドメーヌ・ド・レキュ)、ティエリー・ミッション氏(ドメーヌ・サン・ニコラ)、そしてラングドック=ルーション地方のジャン・フランソワ=デュー氏(ドメーヌ・デュ・トラジネ)の4人もの造り手たちが山梨に向かいました。
彼らがまず始めに向かったのは勝沼町のお隣、一宮町のルミエール・ワイナリーのブドウ畑です。佐々木さんはここで栽培長の小山田幸紀さんをサポートしながら、ビオディナミ農法を始めています。ここの畑をみて、引き続きテイスティング、その後、同じくビオディナミ農法にチャレンジしている金井醸造場の金井一郎さんの万力にある畑へ、というコースをたどりました。
■五感で感じる山梨という土地
山梨では、マークもギィも驚くほど精力的でした。木成りの甲州ブドウを見つければ、すぐに口に入れて食べてみる。しゃがみこんで畑の土を掘ってみる。手の平に土をとって鼻を突っ込んで匂いを嗅いでみる、それどころか口に含んでみる(!)……。五感をフルに使って、山梨という土地を感じとろうとしているかのようでした。
テイスティングの際も、大量に集まった日本のワインを前にして「全部テイスティングするのは大変だから、興味があるのを選んで」と声をかけても、「いや、全部テイスティングする」と2人は即答。まずは自分の体で感じようとする姿勢には貪欲ささえ感じました。彼らが体を張ってブドウを育てている農夫であることが、ビンビン伝わってきます。それでいて、日本という未知の土地に対する謙虚さのようなものも感じられました。 ルミエール・ワイナリーの小山田さん、当日山梨を訪れていた山形県のタケダワイナリーの岸平典子さんら、日本の造り手たちも、少しでも何かを掴み取ろうと、次々と質問をぶつけます。土壌の状態の見極め方、台木の選び方、自分たちのワインに対する印象、どんな匂いを感じ取ればよいのか……などなど。
■君達に必要なのは5枚のカード、「土壌、ブドウ(品種)、台木、収穫量、そして造り」
「ブドウ作りとワイン造りをトランプに例えるならば、大切なのは5枚のカードを用意することだよ」畑を回っているときに、マークが口にした言葉です。
「もちろん、まずは最高級のワインを目指すのか、デイリーワインを目指すのか、自分で決めなくてはならないけれど、最高級のワインを目指すならば、この5つはどれも欠かせない」
フランスのビオディナミの生産者と日本の生産者の交流はわずか1日たらず。山梨滞在中は質問攻めにあっていたマークでしたが、日本の造り手たちとさらに多くの時間を割いて話せないことにもどかしそうでした。そして、彼はひとつのメッセージを残して、フランスに帰りました。
「日本の人たち、子供のような純真さを持ち続けていてくれてありがとう」
Merci au peuple japonais d'avoir gardé la naïveté des enfants en eux.
マーク・アンジェリ
2005年 12月 28日 | 固定リンク
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: フランス・ビオ界のスーパースター山梨訪問記 #2:
» ラベルコレクション☆第1号 トラックバック Mon plaisir ☆
昨日、甘口のロゼを1杯飲み、美味しかったので、記念にラベルをもらって帰りました{/face_hohoemi/}
***************************************************************************
Domaine de la Sansonniere : Mark Angeli
ドメーヌ・ド・ラ・サンソニエール/マルク・アンジェリ
ロワール自然派の重鎮とも言うべき醸造家マルク・アンジェリ。
≪1990年... 続きを読む
受信: 2006/01/15 18:17:32
この記事へのコメントは終了しました。
コメント