2009年6月22日 (月)

【北海道】エゾ鹿×美味=温暖化防止

Yukimomijiジビエの季節になるとフレンチでは欠かせない素材がエゾ鹿です。僕も昨年は平松宏之氏流からミシェル・ブラス氏流まで、14皿もいただきました。高タンパク低脂肪低カロリーで柔らかな肉質は本当に美味であり、注目のヘルシー食材なのはご存知の通り。

しかしこの鹿、増えすぎて農作物を荒らすだけでなく山奥の国有林では木の皮を剥いで食べるため木が立ち枯れてしまい、CO2を吸収してくれる森への被害も甚大です。では何故エゾ鹿は増えたのでしょうか? 天敵のオオカミが減少したことと、温暖化により雪が少なくなり冬に自然死しなくなったことが原因として挙げられています。つまり温暖化により“生かされてしまった”鹿が温暖化防止の妨げになっているという皮肉な循環が起きてしまっているのです。

捕獲を促すため通年の消費を拡大させようと、札幌のお茶の卸小売り「玉翠園」玉木康雄さんは、新発想でエゾ鹿肉をほうじ茶でコトコト煮あげつくだ煮にし「雪もみじ」として販売を始めました。
「私自身自分の食用のため1年に一頭だけ鹿猟をしていますが、いつでも誰でも毎日食卓でおいしく味わえるものを作りたかったのです。お茶の種類や濃さを変え試作し、コレだっ! と思ったものが出来上がりました。家庭で召し上がっていただきたいですが、大量生産はしません。エゾ鹿が適当数になったらすぐに止めたいのです。それが自然には一番いいと思うからです」
通販で購入できます。お茶漬け(やっぱりほうじ茶が合います)や酒の肴に是非!(大槻正志)

●お茶の玉翠園
http://www.gyokusuien.co.jp/
「雪もみじ」、豆腐、ミョウガや青しそや生姜などの香味野菜の千切り、キムチをぐちゃぐちゃにかき混ぜたものに、醤油とゴマ油で味付けし、卵黄を乗せたものを熱々のご飯にかけて食すのがマイ・レシピ。最高にウマイっす!

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2009年5月25日 (月)

【北海道】じゃがいも界のニューフェイス

1北海道の農作物と聞いて真っ先に思い浮かぶもの、それはきっとジャガイモでしょう。何せ全国の8割の生産量です。「男爵いも」と「メークイン」が2大ブランドでしたが、ここ数年フレンチやイタリアンではもちろん、居酒屋でもよく目にするのが「インカのめざめ」です。パサパサせずにしっとりしていて甘く、濃い黄色がいかにもおいしそうです。いろいろなジャガイモを生産している波佐農園さん(十勝管内音更町)で新しい品種を見せてもらいました。一枚目の写真の左は「ノーザンルビー」、右はアントシアニンが多く含まれ栄養分が高い「シャドークイーン」です。どちらも揚げても色はそのままなのでフライドポテトにするか、レンジで加熱しポテトサラダにも。中央は「インカのめざめ」です。
子供のお弁当に大活躍しそう!でも色の成分が水に溶けやすいため、煮たりみそ汁に入れたりすると惨劇が起こります(涙)。

札幌市内にある「The WINE CLUB」は、こういった道産食材をうまく取り入れたレストランです。この店は、北海道の食材・自然派ワイン・日本のワイン・純米酒の4つが柱。「和食にワインを合わせると言われて久しいですが、ワインも純米酒も醸造酒。当店では洋食とワインと日本酒の融合を提案していきます」と語るのは、ソムリエであり利き酒師でもある工藤店長です。

2写真にも写っている「俊也」は、田植えから稲刈りまで全て手作業で作られた無農薬酒米・吟風を使った室蘭のお酒。実はその裏には涙涙の物語が隠されています。ミネラリーで吟醸香がほとんどないので野菜料理に合い最近の僕のお気に入り! その他にも、日高産マスカルポーネを使ったティラミスなど道産食材にこだわり抜いた料理を楽しめます。(大槻正志)
右は道産野菜を使ったタジン鍋。蒸された野菜はいくらでも食べられちゃいそう。皮ごとのフライドポテト、嫌いな人はいないでしょ?

●The  WINE CLUBのサイト

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2009年5月14日 (木)

【北海道/番外編】「世界料理学会in HAKODATE」レポート-後編

Heikaishiki_2 函館で開催された料理人たちによる“学会”レポート、続編です。

[第1日目]のリポートはこちらから

[第2日目]
2日目は「地方レストランのあり方」というテーマのトーク・セッションからスタート。「レストラン マッカリーナ」(北海道・真狩村)の菅谷伸一氏、前述した山崎氏、そして今回の学会の実行委員長である「レストラン バスク」(北海道・函館)の深谷宏治氏が登壇しました。「確かに東京のレストランと比較すればハンディはある。しかし、食材の恵みに勝機を見いだし、風景を含めての料理という考え方を持って、新・郷土料理を自らの手で生み出せるという誇りが我々にはある」という深谷氏の言葉に、大きな拍手が起こりました。深谷氏はここ数年、多数の飲食店を巻き込み函館の街に年2回の「バル街」を定着させ、「これからの料理界にドラスティックな変化をもたらす何かが、この催しをきっかけに生まれて欲しい」とこの学会を立ち上げました。62歳の挑戦とバイタリティには素直に感服してしまいます。
写真上は閉会式の様子。マイクを持っている方が深谷氏。

Takazawa「六雁」(東京・銀座)秋山能久氏による芸術的で美しい料理のプレゼンテーション、「フィフティー・スリー」(シンガポール)マイケル・ハン氏、「ル・プティコション」(北海道・函館)坂田敏二氏の発表の後、プログラムは調理実況中継へ進み、「ル・ミュゼ」(北海道・札幌)の石井誠氏と前述の菅谷氏が惜しげもなくレシピを公開しながら、目の前で料理を仕上げていきました。そして、今回最も遠くから参加したという「レストラン・ドド・クラブ」(アルゼンチン・ブエノスアイレス)大野剛浩氏の発表に続いて、「アロニア・ド・タカザワ」(東京・赤坂)高澤義明氏が登場。理にかなっていながらも超独創的な作品(料理)に、この日何度目かの腰抜け状態になりつつ、発表プログラムはすべて終了。
写真を使い説明する“学会”。シルエットは「アロニア・ド・タカザワ」高澤義明氏。

エンディングトークは、「ザ・ウインザーホテル洞爺」料理顧問であり『料理通信』編集顧問である齋藤壽氏が登壇。この2日間の全発表を総括しながら「すごくレベルの高いイベントになった。みんな自分の悩みを持ちながらもアクティブに動き始めるきっかけになることを願う」と締め括られました。

[まとめ]
普段は調理場で動き回っているシェフ達が、学生のように8時間以上も座りメモを取った2日間。皆、疲労が顔に出ていました。しかし疲れた顔の中のギラギラした目、それが大変印象に残ったのも事実です。聴講した「コートドール札幌」の中本料理長は「その料理観を尊敬しているシェフの話は大変参考になりました。いつも調理場にいるとなかなか他のシェフ達と接点が持てないけれど、その面でも刺激的でしたね。函館という地方都市で開かれたことにはすごい意義があるんじゃないかな? 深谷さんの人間力はすごいですね」と語り、初日に発表した山田チカラさんは「料理の学会なのに市民が来ていることに驚きました。料理人じゃないのにメモを取って聞いているし、質問もする! 感動しました。函館の人はすごいね!」と。

以上、すばらしい体験ができた2日間だったことをご報告します。(大槻正志)

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2009年5月13日 (水)

【北海道/番外編】「世界料理学会in HAKODATE」レポート-前編

1去る4月20、21日に、函館で開かれた「世界料理学会」。スペイン・バスク地方サンセバスチャンの「最高美食会議」をモデルに初開催された、料理人たちによる“学会”に密着、濃厚な2日間をレポートします。

[第1日目]
「技術を共有し合うことで料理は進化するのだから学会には大きな意義がある」というオープニングトークの後、トップバッターとして発表に立ったのは「山田チカラ」(東京・麻布十番)の山田チカラ氏。「エル・ブジ」での修業経験を持つ彼の先鋭的、実験的な料理に参加者は早速くぎ付けに。調理場と同じくこの学会も真剣勝負の場という緊張感が生まれ、それは閉会まで続くことになります。

続いて、「レストラン・コーコッチャ」(スペイン・サンセバスチャン)のダニエル・ロペス氏、「レストラン山崎」(青森県・弘前)の山崎隆氏、「グリーンヒルズ草庵」(神奈川県・箱根)の末長直健氏のレシピが惜しみなく発表され、「ル・マンジュ・トゥー」(東京・新宿)の谷昇氏が「我々は仲間になろう! 仲間の数は力だ。皆で料理人の地位向上に努めよう!」と檄を飛ばしました。また氏は「自分の“起点となる人”を持とう。僕は以前の『専門料理』も、今の『料理通信』も、最後のページから読む。そこには、齋藤壽さん(料理通信編集顧問)の言葉があるから。その文を読み、自分は今、横道に逸れていないかを自問自答している。齋藤さん、北海道に引っ込んでないで早く東京に戻って来てください!」と発言しました(翌日のエンディングトークで齋藤さんは「昨日は谷さんの褒め殺しに合いました」と語る 笑)。

続いて「オステリア・デル・ボルゴ」(青森県・八戸)の滝沢英哲氏が、生産者との結びつきの大事さを語り、そして「日本料理 龍吟」(東京・六本木)の山本征治氏が「伝統的な鱧の骨切りに疑問を持った私は、まず鱧をCTスキャンにかけました」と語ると場内には笑いが…。しかし、CTスキャンで鱧の複雑な骨の構造を知り、科学を取り入れることでまな板や包丁を入れる角度まで計算し尽くし、料理の技術と味わいを進化させようという、おいしさのためには一切の妥協をしない山本氏の姿勢が語られるにつれ、参加者のシェフ達が身を乗り出し始めた、そのことが印象的だったのでした。

2第1日目は、北海道大学大学院水産科学研究院の今野久仁彦教授による「タンパク質化学で説明する料理方法」というアカデミックな発表により終了。その後、一般市民を含め500人が参加した記念パーティでは、それぞれのシェフによるピンチョス・スタイルの料理が出され、しかしそれは一瞬の内に胃の中に消えていったのでした。
(明日に続く/大槻正志)
記念パーティーであっという間になくなったピンチョス・スタイルの料理。

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2009年4月24日 (金)

【北海道】5周年を迎えた札幌のグランメゾン『ル・バエレンタル』

Yoru新築の洋館に風格を与えるため完成してもあえてオープンを伸ばし、半年間毎日暖炉に薪をくべ建物を燻し、温かい雰囲気作りをしたというグランメゾンに恋しています。
 
門に足を踏み入れればマダムがにこやかにゲストを出迎えてくれます。この和やかなわくわく感とちょっとした緊張感が楽しさへの誘いです。オーナーの平松宏之氏自らヨーロッパで買い付けたというアンティーク家具やランプなどの調度品の重厚さが日常から解き放ってくれ、50席の客席に対し調理場13名サービススタッフ18名の計31名があらゆるニーズに応えてくれ、ハレの日の気分を盛り上げてくれます。テーブルにはベルナルドの食器とクリストフルの銀器、ポルトーのリネンが並びます。窓から見える中庭のガーデニングはスタッフ自ら丹精したものであり、館の屋上にある温室ではハーブを育てているそうです。
花見の名所、円山公園を背景とした威風堂々とした大邸宅。この場所が空くまで10年待ったそうです。

Hiru_2シェフの南さんは「北海道にフランス料理の文化を広げることがル・バエレンタルの使命」といいます。彼の料理は四季の“色”を大事にし、見た目はあくまでも繊細でモダンかつ軽やかでありつつ必ずひとつ以上“新しい驚き”があるもので、特に魚料理に感性が光っています。そして地下では3500本のワインがその時を静かに待っています。
グランメゾンの最大の条件とは「絶対あり得ない錯覚なんだけど、友達んちに招かれて楽しい時間を過ごしたかのような、贅沢な幸福感と充実感を味わわせてくれるマジック」なのかもしれません。あ~幸せ!(大槻正志)

美しい中庭。ウェイティングスペースとして、また食後のコーヒーをいただく場として、これからの季節は素晴らしい舞台となります。
●ル・バエレンタル

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2009年3月18日 (水)

【北海道】美食の街・苫小牧 第二弾「日本一(?)のメンチカツ」

Menti_2昨年11月にご紹介した「第一洋食店」のある街・苫小牧市。最近この街を目指して札幌からグルマンが押し寄せています。「味処 てっ平」はフライ(揚げ物)好きの聖地です。まずはメンチカツ。とにかくコロモが違います。パリッとした食感になる粗めのパン粉ではなく「数日寝かして水分を飛ばした角食の、中心の柔らか~い部分だけをかなり細かくして使う自家製」なんだとか。サクッサクッとした食感はまるでパイのような軽さです。この食感の後には、ジュワーっと肉汁が溢れます。そして肉自体の旨みがグゥワーンと広がります!これを食べた人は必ずと言って良いほど「なんじゃこりゃ~!」と、松田優作扮するジーパン刑事の名ゼリフを口にします。メンチカツの概念が一新する瞬間です(笑)。東京で話題の「キムカツ」好きにも食べてもらいたいと思います。こんな店が東京、いや札幌にでもあったら大変なコトになると思われます。
丸ごと食べると肉汁で口内がヤケドする恐れあり。最初は「何で半分に切って出すんだろう?せっかくの肉汁が出ちゃうのにぃ」と思いましたが、これは店主の優しさだったんですね。右は王道のエビフライ。

Mix_2苫小牧市にはこの他にも炭火焼きの聖地でガーリック手羽先が有名な「いずみ亭」、北寄貝好きの聖地でホッキカレーが有名な「マルトマ食堂」(これでもか!という位ホッキが入っています)、ロールケーキ好きの聖地(しつこいね)で、全国ロールケーキ選手権及びデザート・オブ・ザ・イヤーで3年連続全国一に輝いた「ルーロー・オ・フリュイ」で有名な「サン・ドミニック」等々、舌を満足させる名店がずらり。
空港のある千歳の隣町。特急で一駅、車でも20分で着きます。目的地の札幌、小樽、旭山動物園に行く前に寄りませんか?イイお土産話が必ず一つ増えるでしょう。(大槻正志)
写真下はミックスフライ。掟破りの「甘エビ3本固め」に悶絶致します!

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2009年2月25日 (水)

【北海道】札幌中心部にマルシェ登場。頑張れ、農業大国。

1jpg 安心なものを食べたいという消費者の願い。新鮮なものを食べてもらいたいという生産者の思い。その願いと思いをシンプルに繋いだデイリーマートが、札幌中心部・狸小路にオープンしました。
訪れたのは平日の午前。なかなかの賑わいです。観光客よりも市民が多いように感じました。

マーケットには農作物・海産物・畜産物はもちろん、お菓子や乳製品、加工品などが所狭しと並んでいます。その商品のほとんどに生産者の顔写真が貼付されていました。値段は生産者自らがつけるというシステムで、市価の2割以上は安いと思いました。珍しいマニアックな(?)野菜にはレシピなども用意されていて親切です。市町村単位で品揃えしているところもあり、地方のアンテナショップの一面もあるようです。無条件に楽しいマルシェです。隣には道産食材を活かした料理を味わえるHUGイートも。10軒ほどの屋台村のようです。店内でも食べられるし、オープンスペースにそれぞれの料理を持ち寄って食べることもできます。

先月フェアで札幌を訪れた松嶋啓介シェフとお話しする機会がありました。そこでシェフが語った夢。

2「今学校の統廃合が進み、廃校が増えている。まだまだ学ぶ意欲を持っている高齢者に対し、精神の不調を訴え休職している先生達に授業をしてもらう。教えたいと学びたいが合致する。その学校で高齢者が子供の世話をすれば、保育所の足りない問題も解消できる。生き甲斐になるし、昔の遊びや躾や日本古来の食事など、文化の継承にもなる。そして学校にはグラウンドがある。そこで農業をすることによって自然の恵みに世代を越えて感謝することができるのではないか」。いかがでしょう?(大槻正志)

写真は「HUGイート」の料理。左上:厚岸の大牡蠣(生・焼き・酒蒸し)2個500円/右上:白老和牛のステーキバーガー 850円/手前:お好み寿司。寿司飯300円に、この日はイカ90円、数の子100円、煮帆立150円、サーモン200円をのせて、トータル840円也。

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2009年1月30日 (金)

【北海道】私の正月は箱根駅伝TV観戦のみ(涙)

Ozouniコンサート・イベントを生業とする者にとって、大晦日は年越しライブ、まして今年は元旦早々から一日2回公演のライブが。『我が家、我が町のお雑煮』。こちとらずっと独り者、帰る故郷も無いしねぇ。一人でおせち買って喰ったってねぇ…。結論。「僕に正月は無い」。以上、ブログ終了!

なんちゃって、少しはテーマに沿うべく、部下の菅原君の奥様のご実家のお雑煮を紹介しましょう。この余市町のご実家は、つい最近だとTBS系『ぴったんこカン・カン 新春スペシャル』で安住アナと石塚さんが訪れ、ヘラガニや新巻鮭の薫製を「まいう~」と食していた50年続く名店『南保留太郎商店』。北海道の雑煮は、明治以降に本州からの移住者が移り住み開拓された土地柄ゆえ、各自のルーツにより具材や味付けはバラバラなのです。多いのは関東風の焼き角餅入りしょうゆ味でしょうか。南保家のお雑煮は、昆布と鰹節のお出汁に、豚肉、高野豆腐、長葱、三つ葉、そして焼かない角餅。気取りのない素朴な暖かさに満ちていてうらやましいのです…。
写真上が「南保留太郎商店」のお雑煮。商店のこの時季のオススメは、鮭半身の「インディアン・スモーク」と「ペッたら」というスケソウたらの薫製。人気の甘エビの薫製は4月から。旨みの詰まったヘラガニは店頭のみでの販売です。

Syakenabe元旦、私は楽屋で出演アーティスト用に鍋を作りました。「鮭(しゃけ)鍋ィベェ~」(シャケナベィベェ~)と名付けた、石狩鍋をアレンジしたROCKなお鍋です。大鍋で20人前作りますが、カセットコンロで作るので火力を補うプロの技(?)が光ります(笑)!具は鮭の他、つみれ、キノコ、筍、白菜、葱、水菜などで、味は塩と擦った生姜のみ。こんなオヤジが作ったとは思えない優しい味なのよ(自画自賛!)。(大槻正志)
アーティストにはけっこう評判で、aikoやSuperflyやUVERworldのブログ、DEPAPEPEのライブDVD、J(S)Wのドキュメンタリー映画などにも登場している鍋です。

●南保留太郎商店
http://www1.ocn.ne.jp/~nanpo/

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2008年12月19日 (金)

【北海道】目からウロコ、創作和食に(も)ウマイものあり!

Ryouri 創作和食にウマイものなし!と感じていました。そもそも北海道の和食って素材自体が美味なのだもの。手を掛けなくても充分に美味なのが強みであり、誤解を恐れずに言い切ってしまいますが、塩振って焼けばなんでもウマイ!それが逆に技巧が育ちにくい弱みだと思っていました。

なので、和食屋なのに『DINING SPACE TAKU』という店名だったり、カフェ風内装だったり、シンプルな白のお皿を見た時は「ふん、コジャレた店でカッコつけやがって。オジサンは騙されないぞ!」と思ったものでした。それなのに・・・。ウマイじゃん!きれいなだけじゃなく、新しいし驚くほどウマイじゃん!しかも先付からデザートまで全8品5460円のコースのお皿。鹿肉は“肉料理”ではなく“お造り”として、タチと雲丹の料理は“魚料理”ではなく“お凌ぎ”として提供されるのですごいボリューム。安いコースで充分かも。
手前は“浦河産真だちと海水雲丹のコンビネーション 根昆布のジュレ”、奥が“根室産鹿肉のタルタル ウニとキャビアを添えて”。どちらもコースの中の一品。(単品としても有り)

Watanabechefオーナーシェフの渡邊卓也氏は32歳。「和食しか経験ないので、食べに行った全ての店が僕の『先生』。リゾットはカツオ出汁ですし、クリームパスタは豆乳や西京味噌を使っているので、このメニューは全て僕にとっては和食なんです」。そうか、洋食に和を無理なく取り入れればこんなに新しい美味しさになるのネ。
「野菜も契約農家と自家菜園から。魚も肉も直接仕入れで、料理に物語性を出したい。同じ年齢の若手シェフが結構いるので、皆で力を合わせて数年後には僕らが新しい風を起こしますよ!」。
実は今、札幌で最も予約の入らない店なのです。探し当てて下さい。(大槻正志)
左が渡邊オーナーシェフ。太い指(笑)から産み出される繊細な盛りつけを見たいならぜひカウンターへ。案外気さくで話好きなお兄ちゃんです。

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2008年11月19日 (水)

【北海道】苫小牧で気高い洋食を。「第一洋食店」

Yamashitasan 創業は大正8年、今年で89周年を迎える老舗店です。初代は横浜グランドホテルで修業し、皇太子殿下(後の大正天皇)の道内ご巡幸の折には調理を担当しました。その縁で、王子製紙苫小牧工場の王子倶楽部のシェフを務めた後、独立し洋食店を開業したとのこと。現在は3代目の山下明さんが腕を振るわれていますが「2代目である父も、95歳ながら今でも時々厨房に立ちますし、明治から続く昔ながらの作り方で、今でも愚直にやるだけです」と語ります。
オペラ歌手でもある3代目山下明さんと店内。店は不定休。「オペラの公演がある日は休みます(笑)」。ホールは奈良岡朋子さん似の気品漂う奥様が仕切っていますが、写真はNGで残念!

Beefstew最もオススメというビーフシチューは、益子焼きの土鍋にぐつぐつと煮立っています。店の名前が刻印され歴史の重みある美しい銀食器でいただきます。創業から継ぎ足し継ぎ足し作り続けられたドゥミグラスソースの味にノックアウトされました。甘みと酸味とかすかな苦み。素晴らしいコクなのにクドくなく、雑味のない、五感に訴える味です。
「約3週間かけて煮込みます。自然に逆らわないでじっくりと煮ていれば自ずと味は出てきます。ソースは色を見れば大体の味が分かるんですよ」
牛肉の塊はナイフの一刺しでほろほろと崩れますが、肉の繊維一本一本がしっかりしているので噛みしめると旨みがいくらでも湧いて出てきます。肉の旨みとソースの旨みが交わる陶然たる味わいに、感動さえいたします。ブラボーッ!

残念なのはこの味を受け継ぐ4代目がいないこと。あと何年この味を堪能できるのか・・・。食べ物でこれだけ深く心が動かされるという体験を、是非!(大槻正志)

写真右上は幻の味「ミートコロッケ」。それ以外が「ビーフシチューコース」の全て。
これだけのセットでなんと2800円!グラスワインは450円です。

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2008年10月20日 (月)

【北海道】「さっぽろオータムフェスト08」、成功の内に閉幕

7 今年から始まった「さっぽろオータムフェスト08」。中心街の大通公園を会場に、【5丁目】全道から集まった新・ご当地グルメとラーメン祭り、【6丁目】世界のワインと札幌のタパス、音楽ステージ(「音楽も地産地消」をテーマに、自分が担当)、【7丁目】北海道の酒と酒肴、【8丁目】北海道の豊かな食材マルシェ、と幅広く充実した内容で開催されました。
9/19~10/5の会期中、週末ごとの雨や寒さにも関わらず、人出は目標の60万人を大きく上回る85万人。北海道の秋の味覚を存分に味わえる新しいお祭りは、大成功を収めました。
写真は7丁目会場です。9/27のこの夜の気温は14度。風が強く体感温度は10度以下なのにこの人出。寒さ我慢比べの様相を呈しています。北海道人は「M」が多いのか?

Photoさて、6丁目会場で小皿料理、タパスを作っていたお店の一つが「ラブラドーラ」です。実は札幌にはスペイン料理店って少ないんですよね。不思議だワ。店は5月に南2条西7丁目に移転し、1階入り口付近には立ち飲みスペースもできました。店主の天羽クンが持っているお皿は、スパニッシュオムレツと本日のピンチョス(どちらも200円)です。彼は新宿「小笠原伯爵邸」、銀座「エルセルド」で修行した経験を持つ28歳。(若っ!)魚介類はもちろん、知人の畑から届く野菜など「出来る限り道産のものを使いたい」と語ります。
2階には個室もあり、僕なんかはついついテーブルに長居して大食いしちゃいます。が、フラッとカウンターに立ち寄って、1杯のワインとタパスやハモン・イベリコを楽しみ、15分ほどでサッと立ち去る…、そんな粋なオトナになりたいものだナァ…。(大槻正志)

天井からぶら下がっている「ハモン・イベリコ」、「ハモン・トレベレス」はカウンターでは700円~。魚介の汁気が残りしっとりした食感のパエリアや夏メニューの「白桃のカッペリーニ」は悶絶の味です!

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2008年9月26日 (金)

【北海道】旭山動物園の帰りに寄りたいビストロ

Canardあまりにも有名になった旭山動物園のある街、旭川市。フレンチレストランといえばホテルの中にある、というのが未だ主流のこの街に元ボクサーという若きシェフがいます。今年から始めた無農薬栽培の畑で収穫した野菜やハーブを料理に取り入れています。「全くの無知から始めて種まきの時点でめちゃくちゃ。雑草なのか芽なのかも分からず(笑)。でも大事に使いたくなりますね。同じものが一つもなく捨てるところも一つもない。香り・色・瑞々しさ・味・食感全てのタイミングを見計らい調理するよう心掛けています」。収穫場所と調理場所の素敵な一致をここに見ることができます。
写真は 「滝川産合鴨のポワレ」です。旭川の隣町・滝川は、たれ付ジンギスカンの代表格「松尾ジンギスカン」発祥の地であるとともに、合鴨の生産量も日本一なのです。コクのあるジューシーな肉質と淡泊な脂肪を風味豊かに仕上げ、噛みしめるほどに旨みあるジュースが湧き出てきます。付け合わせはじゃがいもの「インカのめざめ」をミントと赤ワインでグラッセしたものと、きゅうりで作ったラタトゥイユなど。もちろん自家農園のものです。
奥左は濃厚な味と香りが素晴らしい自家製ミントアイス、そして奥右は別海町のマスカルポーネとインカのめざめで作った「大地のプリン」。ブラックペッパーが味のアクセントになったプリンは、持ち帰り希望客が殺到する、この店の新名物です。

Syuukakuまだまだフレンチが根付いていないこの街で奮闘するざっかけない人柄の若きシェフの作る意欲的な料理には、応援したくなる“何か”があります。旭山動物園で「空飛ぶペンギン」に感動した足で訪れるのはいかがでしょう。(大槻正志)
ブラッスリー サヴァ?
旭川市7条通8丁目パルクビル3階 
TEL 0166-23-4688


枝豆と、ミニトマトと、ローズマリーを収穫中。頭上には鳩小屋がありその鶏糞が肥料に使われています。

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2008年8月25日 (月)

【北海道】 札幌でもフレンチのクラシック回帰の波が

Vichyssoise 7月7日付、東京発信の記事で紹介された「サラマンジェ」の流れを汲む「ビストロ ヴァンテール」。同じく「現代風にアレンジされていない本物のフランス郷土料理を」というコンセプトの元、メニューにはクネル、パテ・アン・クルート、アンドゥイェット、バヴェット・ステーキなど直球勝負の料理名が!

まずは季節の一品「ポタージュ・ヴィッシソワーズ ポロ葱のソルベ 洞爺湖仕立て(メニュー表記まま)」。ほうれん草で色づけした日高産のポロ葱のソルベをサミット会場・洞爺湖の中島に見立て、湖水となるヴィシソワーズの中にはコンソメのジュレが。ソルベ3:ヴィシソワーズ7の割合で口に入れるのが黄金比率とみました。
なんと手間の掛かった涼しげなお皿でしょう!身悶えする味です。↑

Quenelle看板メニューの一つ「タラバガニと北の鮮魚のクネル サラマンジェ風」。クネルとは平たく言うとはんぺん。粉を使わずタラと帆立のみで作ったクネルのフワフワ感は絶品。タラバガニとウニの旨みがソース・アメリケーヌに染み出して悶絶します。
この他足寄町の石田めん羊牧場から一頭買いする羊料理の鮮烈な味もゼヒ! 運が良ければ脳やアキレス腱などの貴重な部位を食せるかも。

こちらはクネル。作るシェフも少なくなった古典料理ですが、美味い。すべて北海道の食材で作られているので新鮮さが隠し味かも。

ビストロゆえ一皿を取り分けたり、パンでソースをぬぐう行為も許されるような気がします。ビストロゆえサービス料はかかりません。単なる懐古ではない“新しい”料理を前に、フレンチの明日を夢見るのも一興かと。(大槻正志)

ビストロ ヴァンテール
札幌市中央区南3条西2丁目KT3条ビル1F 
TEL 011-232-2022

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2008年7月23日 (水)

【北海道】 「農」と「食」を見つめ直すテレビ番組 「あぐり王国北海道」がスタート!

Photo 北海道の料理の特徴は、料理人と生産者の距離が近いことです。いい食材を手に入れるため奔走する料理人、おいしい食材を作ることと、品種改良や工夫で新しい美味しさをつくることに情熱を傾ける生産者、その二人三脚があるから北海道の食材のレベルは近年確実に上がっています。
そこに新しい食文化を柔軟に受け入れる北海道人気質が加わり「北海道キュイジーヌ」は味とコストパフォーマンスの両面で全国的に注目されているのでしょうし、そういう北海道に行かなければ食べることができない料理を、北海道でしか作ることができない料理を、その料理人と生産者を、ここで紹介していきたいと思っています。

しかし反面、「食育」「スローフード」という課題、「食の安全性」という問題があるのも現代です。

7月から北海道放送(HBCテレビ)で始まった「森崎博之のあぐり王国北海道」(毎週土曜17時より放送中)は、「食卓」から「農」の生産現場へと関心を広げ「食のあり方」を見直していくという番組です。
Photo_2人気演劇ユニット『チームナックス』のリーダーであり、僕の食事仲間でもあり「北海道の農業タレントだ!」と自ら宣言する森崎博之が、お笑いコンビ・オクラホマ、HBC松坂アナ、そして小学生たちで結成された“あぐりっこ隊”を率い農作物の美味しさ・すばらしさを再発見していく過程を追います。要注目の番組です。(大槻正志)

出演者の面々。左から松坂有希子アナ、藤尾仁志(オクラホマ)、森崎博之、河野真也(オクラホマ)。

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2008年6月27日 (金)

【北海道】 生産者と調理人の距離の近さが産んだ、札幌ならではの一皿。

Photo_4北海道の初夏の味といえば数々あれど、花形はやはりホワイトアスパラガスとウニでしょう。この黄金コンビを組み合わせた贅沢感一杯のフレンチの一皿をご紹介します。
この料理の最も大事な点は素材の良さ。生産者との関係構築から「仕込み」は始まります。

ホワイトアスパラガスは、千歳近くの農家から1日おきに届きます。収穫からの時間が短いほど皮が薄く瑞々しくアクが少ないのだそうです。鮮度が落ちると甘味が苦味に変わります。畑に出向いて意見交換し信頼関係を築いた結果、良いものが直接優先的に届くようになって早10年。ウニは積丹の漁師から直接送ってもらうミョウバン不使用の海水ウニです。味の濃いバフンウニではなくエゾ紫ウニの方が程良い甘味で繊細なホワイトアスパラガスに合う、とシェフはいいます。
写真上:「ラ・サンテ」で出されるホワイトアスパラガス。鮮度が命!

Asuparaその料理がこちら。札幌の老舗「ラ・サンテ」高橋オーナーシェフの渾身の一皿「生ウニとマッシュルームのクリームソース」です。
このボリューム感! 圧巻です。

この二つの素材、ただ合わせるだけだと素材同士がすべるのがネック。そこで“味の仲介役”でかつ“からみ役”にマッシュルームが登場します。マッシュルームとエシャロットを粗めに刻み炒め白ワインと合わせたデュクセルがベースで、味をまろやかにするために少量の生クリームを最後に加えています。どうです? このてんこ盛(笑)! 旬を味わいに今すぐ北海道にいらっしゃいませんか?(大槻正志)

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大槻正志:フレンチをこよなく愛する札幌在住54歳。音楽業界に生息しているため、来札する関係者に美味しい飲食店情報を提出する義務アリ。放送局やプロダクションの人達と会食する際の情報交換が生命線です。食材の宝庫・北海道を発信していきたいと思います。メタボ万歳!
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