2012年2月 8日 (水)

【福井】冬といえば「水ようかん」

突然ですが、もし身近に福井県出身の方がいらっしゃったら聞いてみてください。

「冬にはおこたで、みかんと何食べる?」

生粋の福井県人なら「水ようかん」と答が返ってくるはず。
そう、福井では「水ようかん」は冬に食べるものなんです。え? 変ですか? でもこれ、福井では常識なんですよ。とはいえ、全国的なそれとは様相が違います。期間限定販売で、例年気温が低い11月下旬頃から3月頃まで4カ月余り販売しています。

01
街の和菓子屋さん、八百屋さん、お餅屋さんが手作りし店頭で販売。もちろんスーパーにも並びます。多くの製造元があり、寒天の具合や、黒砂糖と白砂糖の配合、そして箱のデザインなどそれぞれの違いも面白く、各人ごひいきの「水ようかん」があったりする。
福井で昔から食べられていた庶民の甘味です。

02
福井名物「水ようかん」は、表面のフィルムをめくり、添付のヘラで救い上げていただきます。そのまま食べるもよし、お皿に移すもよし。水々しくて、つるんとしたなめらかな口当たり。甘さも控えめで、一箱ペロリと食べてしまう方も……。季節、味、形、食べ方、どれをとっても「水ようかん」の常識を覆す、福井の「水ようかん」です。

03_2 
食べてみたい! という方、お取り寄せも可能ですが、手作りするのもいいですよ。県内で製菓材料卸をされている「カリョー」さんより手作りキットが発売されています。

材料すべて使い切りで計量されていて、紙箱も竹へらも入っている本格的な内容。餡に砂糖と水と寒天を加え、箱の中に流し入れるだけ!! 作り方はコチラから動画でご覧いただけます。


この「水ようかん」手作りキットの販売会が、福井県のアンテナショップ「ふくい南青山291」で、2月25日~27日に開催されます。

私も26日、27日に上京し、現地にてデモンストレーション予定です。関東近郊の方、冬に食べる「福井の水ようかん」召し上がりにいらっしゃいませんか? 福井の特産品と共にお待ちしています。
(『料理通信』読者アンバサダー 佐々木京美)

カリョー http://www.karyo.co.jp/
「水ようかん」手作りキット http://www.karyo.co.jp/main/meikakit/
ふくい南青山291 http://fukui.291ma.jp/

Fin

| | トラックバック (0)

2011年12月22日 (木)

【福井】越前ガニは裏返し!?

都道府県の幸福度ランキングで「幸せ日本一」となった福井県! のアンバサダー・佐々木京美です。11月初旬、越前ガニの解禁を迎えてますます幸福度が増しているなか、越前ガニ漁解禁に沸く越前海岸に行ってきました。

001
写真左は、セリ落とされて釜茹でを待つ越前ガニ。トロ箱の“船の名札”が水揚げ直後を物語っています。右は勢いよく茹でられているところ。

越前ガニは、魚場が近いため出港から帰港までの時間が短く、新鮮なうちにセリにかけられ流通するのがおいしさの秘密でもあります。海岸線の至る所からカニを茹でる湯気が勢いよくあがっていて、それがまた活気に満ち溢れたこの時期の風物詩となっています。

注目すべき点は、カニの向き。お腹の旨みを逃さないために、水揚げされたカニはずっと裏返しのまま扱われ、店頭でも裏返しで売られています。表になるのは撮影時や食事として出される時だけなんですよ。

002
地元では、大きい方はオスで「ズワイ蟹」、小さい方はメスは「セイコ蟹」と呼ばれており、大きさ以上にお値段の差もあります。そして、黄色いタグは福井県産の証。ズワイ蟹の足の身をほぐしてミソに絡めて食べれば……、あ~~、至福!! でも、こんな贅沢な食べ方↓は、なかなかできません……。

003_3 
福井県民のこの時期の合言葉「もうカニ食べた?」の“カニ”は、もっぱら「せいこ蟹」のことを指します。足の身は少なくとも、卵巣や卵が絶品で、お手頃価格でおいしいと地元民の人気はもっぱらセイコなのです。

さて、カニを食べるときには、手での“さばき方”というのがあります。福井県では、これを子ども達にも覚えてもらおうと、県内すべての中学三年生にセイコ蟹を提供し、食べ方の出張講習を行いました。こうして、福井県民みんなが、蟹を手でさばけるようになっていくのですね。

冬の日本海の荒波を眺めながら、越前ガニづくしで幸せなひと時いかがですか?

今回の取材にあたりまして、お忙しいなかご協力下さった料理旅館「かねとも」様、ありがとうございました。せいこ蟹漁は来年1月10日まで、ズワイ蟹漁は3月20日までです!
いらっしゃいませ、福井県に。
(『料理通信』読者アンバサダー 佐々木京美)

Fin

| | トラックバック (0)

2011年9月15日 (木)

【福井】“伝統野菜”と“世界の”ナス

福井県のアンバサダー、佐々木京美です。いよいよ食欲の秋が到来。ナスも実が締まり、おいしさが凝縮する季節、いわゆる「秋ナス」の時期となりました。日本全国にたくさんの品種があるナスですが、福井にも伝統野菜としてのナスが三種類あります。

~ 農家有志で守る、福井の伝統野菜 ~

九頭竜川の砂地が堆積した砂壌土で作られている「妙金ナス」は、肉質がしまった小さな卵型。福井市の新保地区で作られる「新保ナス」は、地元の農林高校と小学校が連携して復活した幻だったナス。

もう一つは、今注目を集めている、私が住む鯖江市で育てられている「吉川ナス」

01

千年以上もの歴史を持ち、一説では加茂ナスのルーツとも言われています。一昨年、一人でこのナスを守ってきた加藤武雄さんが他界後、市内農家有志により「鯖江市伝統野菜等栽培研究会」が結成され、種と共にその意思を引き継ぎ栽培されています。苗を持っているのは、研究会会長の徳橋岑生さん。

02
「吉川ナス」は、ソフトボール位の大きさで、実が締まり、皮が薄く、加熱するとトロリとした食感。揚げると皮が固くなってしまうのが一般的ですが、「吉川ナス」は、実はトローリとして皮は柔らか。お箸ですーーーっと切ることができ、食べた後も口の中に残ることはありません。

03


~ 土屋君の“世界のナス” ~


一方、伝統野菜とはある意味対極、“世界のナス”を栽培している若い生産者さんがいます。白山麓、1,000メートル級の山々に囲まれた畑で農業に励む土田弥嗣君です。

04

彼がこの場所で栽培しているのは、世界のナス。新種も、色も、形もさまざまです。

05
この土田君、昨年、熊に襲われました。でも、熊との戦いの後には、イベントでピザを焼いていたというエピソードの持ち主。今でも足には戦いの痕跡があるとか……。そんなガッツある、熊とも闘えてしまう(襲われただけ?)勇ましい彼も、普段はこの笑顔(↓)。


06

福井の「伝統のナス」と「世界のナス」は首都圏でも食べられます! ぜひご賞味くださいね。
(『料理通信』読者アンバサダー 佐々木京美)

---------------------------------------------------------------
吉川なす---「アンティカ・オステリア デル・ポンテ」
http://www.anticaosteriadelponte.jp/

土田君の世界のなす----「キハチ 銀座本店」
http://www.kihachi.jp/ 

【ご紹介したナスについてのお問い合わせ】
KEEP BEGIN  
URL  :http://www.keepbegin.com/
e-mail:hamada@keepbegin.com
※吉川ナス、世界のナスを仕入れて、首都圏のレストラン等に販売しています
---------------------------------------------------------------

| | トラックバック (0)

2011年8月 8日 (月)

【福井】黄金の梅「新平太夫」

福井の読者アンバサダー、佐々木京美です。福井県若狭地方は、約170年の歴史を持つ西日本一の梅の産地で、梅干用の「紅映」と梅酒に使う「剣先」が代表的な品種となっています。

両品種共に青梅にて出荷されるのですが、今回ご紹介するのは、今後が期待される新品種「新平太夫」。今年市場に本格デビューした南越前町河野地区の特産で、樹上完熟させる黄金の梅なのです。

01
↑オレンジ色に熟し、自然落下を待って収穫される「新平太夫」

アプリコットを思い起こさせる、芳醇なフルーツの香り。皮がしっかりしているため完熟していても扱いやすく、初心者でも梅干名人になれるといわれています。現に私も、昨年初めての梅干作りが大満足の出来!! 

収穫時期が一般的な梅よりも少し遅めと聞き、7月初めに生産者さんを訪ねました。

02_3山全体が梅の甘くフルーティな香りに包まれ、濃い緑に囲まれたそこは俗世間を離れ、幸せな気分になれる場所でした。

こんな豊かな場所で育った梅達は、のびのびと幸せに大きくなったに違いない!

私も少し、収穫作業のお手伝い(もどき)をさせていただきましたが、雨上がりで斜面はすべるわ樹に頭をぶつけるわで、生産者さんの日々の重労働を垣間見、本当に頭が下がる思いになりました。

写真は、急斜面にある畑一面に敷き詰められたネット。自然落下した梅は、その斜面をコロコロ転がり、下の網に溜まっていきます。

03
↑生産者の浜野さん。お話を伺っている間にも、ポトッ……コロコロコロ。ポトッ……コロコロコロ。梅が落ちて転がっていきます。

ポトッは、「今が食べ頃よ~」。
コロコロコロは、「おいしく食べて~。」 
それは梅からのメッセージみたいでした。

俺らは百姓やでの。一生懸命梅を作るだけなんや。
今はただ、この梅を多くの人に知ってほしいんや

そうおっしゃる浜野さんの愛情と潮風をいっぱい受けた、黄金の梅「新平太夫」。梅干や梅酒はもちろんですが 梅ジャムやコンポートも絶品です!

05
↑梅酢があがったところ。この艶やかな色といったら!

今年の収穫時期は終了しましたが、是非来年は黄金の梅「新平太夫」で、自家製梅干やウメジュース、梅ジャム作ってみませんか?
(『料理通信』読者アンバサダー・佐々木京美)

----------------------------------------------------------------
【問い合わせ先】
河野梅生産組合 TEL:0778-48-7777
----------------------------------------------------------------


06_5
(管理人)これ、梅ジャム? マーマレードじゃなくて?? と疑いたくなるほどキレイな色……。梅です!

| | トラックバック (0)

2011年7月 5日 (火)

【福井】食のことなら!旬の里ふくい

はじめまして。『料理通信』の第4期読者アンバサダーになりました佐々木京美です。これから1年間、当ブログで福井県の食情報をお届けいたします。

さて、早速ですが、日本列島のほぼ真ん中・西側に位置し、海あり、山あり、平野あり! の福井県。知名度が高いとは言いがたいのですが、“ 実は…○○ ”なものがたくさんあります。

 ・実は、コシヒカリのふるさとは福井県。
 ・実は、六条大麦生産量日本一。
 ・実は、油揚げ消費量日本一。
 ・実は、食育の発祥の地は福井県。

そう、“実は、越前がにだけじゃない!” 福井県なのです。

そんな福井の「食」を、県外に広く紹介している冊子があります。福井県農林水産部販売開拓課が企画発行している「旬の里ふくい」です。

01
↑年4回発刊の「旬の里ふくい」。 現在VOL.31まで出ていて、WEBでもバックナンバーをご覧いただけます。


「ぜひとも編集部の皆さんの声を!」と当ブログ管理人さんからの強いご要望がありまして、「旬の里ふくい」を担当されている、福井県農林水産部販売開拓課の皆さんをご紹介。(初回からご無理を言ってすみません~。充実したコンテンツだったので編集部の様子を知りたくて!:管理人)

02
↑伝統野菜「吉川なす」を持つのは、これまで企画・発行に関わってこられた舘さん。福井のトマト「越のルビー」を手にしているのは、企画、取材を担当する友広さん(前列左)と田中さん(後列)。

~皆さんから一言! いただきました~
「『旬の里ふくい』を通じて、より多くの県外の方々に広く、深く、福井の食を知ってほしい」(舘さん)
「福井ならではの食材を、生産者さん、気候、風土、文化など様々な角度からより魅力的にお伝えできる、編集ができたらと思います」(友広さん)
「生き生きした生産者さんと食材の出会いを、自身も楽しみながら取材しお伝たえしていきたい!」(田中さん)

これまでどちらかといえば目立たなかった、福井の食材と食文化。

でも、全国トップクラスの長寿県であり、子どもたちの学力、体力もトップクラスを保持していられるのも、「食」と深い関わりがあるはず。目立たなかったからこそ埋もれていた、キラリと光る食の砂金、「福井の食」を私なりにご紹介していけたらと思っています。一年間どうぞよろしくお願い致します。
(『料理通信』 読者アンバサダー 佐々木京美)

=============================================================
セヴァンの地球のなおし方」という映画をご存じですか?

傷ついた地球と向き合い続ける、日本とフランスの人々の姿を追ったドキュメンタリー映画です。ここに、福井県池田町で、子供たちのために有機野菜を育てている“おばちゃん”達が登場しているとのこと。おばちゃん――。やさしい響きですね。あたたかくておいしい匂いが漂ってきます(管理人)


「セヴァンの地球のなおし方」  http://www.uplink.co.jp/severn/
=============================================================

| | トラックバック (0)