2010年4月19日 (月)

【和歌山】大吟醸生原酒「龍神丸」

Ryuujinmaru_2 和歌山県有田川町(旧金屋町)で天保11年(1840年)創業の蔵元高垣酒造さんが独特の日本酒をつくっていらっしゃいます。蔵人を雇わず蔵元自らで納得のいくお酒造りにこだわっていらっしゃいます。

いくつかの銘柄がある中で、今回は「龍神丸」をご紹介します。精米歩合40%まで磨いた山田錦を100%使用し、和歌山酵母で仕込んだ最高の大吟醸。しかも「生」で「原酒」です。最高温度10℃の低温でじっくりと長期発酵させ、技術と勘で仕込み、搾り、貯蔵、出荷とすべてに全神経を集中させたお酒です。

お酒は酵母と水と造り手でおいしさが決まってきます。このお酒は全国にたくさんある清酒の酵母の中でも和歌山酵母を使っています。もともとは9号酵母で、自然変異にて和歌山酵母となったそうです。水は早月渓谷より湧き出る弘法大師ゆかりの水「空海水」を使用。コクのあるまろやかさが特徴です。遥か遠い昔、弘法大師が発見した石清水がいつしか人々に「空海水」と呼ばれる様になりました。160年間守り抜かれた技、変わらぬ気候風土の蔵が、この酵母の良さを十分に引き出し「龍神丸」ができました。

Takagakisan_2高垣さんは酒通の方、うまい酒を知っている方に是非、お気に入りのお酒と飲み比べてほしいとおっしゃいます。期待を裏切らない酒、と自信たっぷりです。他のお酒の方がうまいとお考えの方には、改めてその良さを知ることになるだろうと、日本酒をこよなく愛する高垣さんです。
高垣淳一さん。蔵は有田川の中流に注ぐ早月渓谷近く、四国と高野山を結ぶ高野街道の宿場町だったところにあります。

彼に感銘を受けたのが、某社雑誌「イブニング」連載の「もやしもん」の作者、石川雅之さん。「龍神丸」は「もやしもん第2巻」に掲載されています。高垣さんのお酒に対する情熱がもやしもん誕生のきっかけになったそうです。

酒屋さんへの予約販売ですぐ売り切れの「龍神丸」。くわしくは高垣酒造さんまで。

●高垣酒造株式会社
住所:和歌山県有田郡有田川町小川1465
TEL:0737-34-2109   
FAX:0737-34-3052

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2010年3月 3日 (水)

【和歌山】“Risotto WAKAYAMA”

Risotto1 清見、はるみ、はるかetc...と、かわいい名前が多い春柑橘がおいしい季節になりました。その中から、デコポン、文旦、ベルガモットを使った和歌山らしいお料理をヴィラ アイーダの小林寛司シェフに作っていただきました。名付けて「Risotto WAKAYAMA」!そのレシピをご紹介します。
食材は先にあげた有田産柑橘3種、黎明地鶏、乾燥ぶどう山椒、黒あわび茸とシェフ作の黒キャベツ。

RECIPE
1)バターで玉ねぎを炒め、米を加えて透明になったら白ワインを注ぐ。ある程度火が通ったら、スープを加える(このスープは野菜からとったもの)。その都度、様子を見ながらスープを加えていく。
2)フライパンにオリーブオイルを入れ、地鶏を皮からじっくりソテーする。その時、肉の上に山椒を2、3個のせる。空きスペースで黒あわび茸を軽くソテーし、取り出して角切りにしておく。
3)デコポンは果汁を搾る。文旦は皮をとり、身だけにして搾る。果汁は米の鍋に投入。文旦の分厚い皮は角切りにし米と一緒に煮込む。柑橘3種の表皮は仕上げ用にせん切りにしておく。
4)黒キャベツは芯から葉を手でこそげとり、角切りにしておく。新芽はさっと火を通しておく。
5)鶏が焼きあがったら角切りにする。肉汁が残ったフライパンに白ワインを入れておく。
6)米の鍋に5)の白ワイン、地鶏、黒あわび茸、黒キャベツを入れて合わせる。
7)塩で味を調え、奥行を与えるためにパルミジャーノチーズを少々加える。
8)お皿に文旦、ベルガモットの表皮を少量すりおろし、リゾットを盛り付ける。

仕上げにつぶした山椒、オリーブオイル、黒キャベツの新芽、柑橘のせん切りを添えて出来上がり。

Risotto2 柑橘のさわやかな香り、中でもベルガモット、山椒はインパクト大。地鶏の本来の味、甘味、旨みもしっかりしていて、きのこ、文旦の皮の食感は面白かったです。一足早く春らしさを満喫。作ってくださった小林シェフに感謝!(日比原さゆり)
黒キャベツが全体をキュッとしめて、まとめてくれていました。

●ヴィラ アイーダ  
〒649-6231 和歌山県岩出市川尻71-5

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「ヴィラ アイーダ」は宿泊施設つきのリストランテです。TRIPPA通信の分家ブログTRIPPA通信+1「今が食べどき!地方発イタリアンの底力」でも魅力たっぷりに紹介しています。ぜひご覧ください。(管理人)

空豆たわわ、野菜畑に建つリストランテ

http://trippa.cocolog-nifty.com/italian/2006/06/61__1c75.html
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2009年12月16日 (水)

【和歌山】一流シェフの味を再現!?酒粕と白味噌の根菜鍋

Sakekasumisonabe 『料理通信』12月号に「神楽坂 石かわ」の石川秀樹さんのお鍋レシピが紹介されていて、その中の1つ「酒粕と白味噌の根菜鍋」に無性に心惹かれました。黒あわび茸とも合いそうなので、今回、地元有田の食材で作ってみることにしました。
一流シェフの味を我が家で楽しみました!酒粕とたっぷりのお野菜で、体の芯から温まります。

お出汁は、鰹と昆布をベースに、お味噌と酒粕、練り胡麻が入ります。お味噌は私が小さな頃から慣れ親しんでいる武田さんの白味噌と赤味噌で、北海道産の大豆を使った無添加のものです。酒粕は高垣酒造さんの上質のもの。1840年創業のこちらは、お酒もおいしいんですが、今回は酒粕です。軟らかくていい香りです。

石川さんのレシピとはお味噌の割合を少し変えて作ってみました。2~3人前でお出汁1.5L、赤味噌(田舎味噌)80g、白味噌80g、酒粕45g、練り胡麻20g。具材は豚肉以外、地元有田の野菜にこだわりました。黒あわび茸、ゴボウ、人参、里芋、大根、白ネギ、春菊は有田川町産、蓮根は湯浅町産(蓮根が近くで栽培されているとは驚きました)。全部新鮮!なんて贅沢。根菜類は下茹でして投入。煮ること数分…。おいしい!あったまる!酒粕が入っていますが、小学生と中学生の娘たちもパクパク食べていました。私は柚子(もちろん有田川町産)の皮を少々振りかけていただきました。我が家の鍋のレパートリーに仲間入りです。

黒あわび茸にも味がよくしみて、プリッ、シコッという感じで、やっぱりおいしかったです。白味噌が入り少し甘口のお出汁には、さらに野菜の甘みもプラスされ、あ~幸せ!皆さんも是非試してみてくださいね。(日比原さゆり)

●武田味噌麹店
和歌山県有田市箕島884 
TEL&FAX:0737-83-5217

●高垣酒造株式会社
和歌山県有田郡有田川町小川1465
TEL:0737-34-2109 
URL:
http://www.kinosake.jp/

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2009年9月 2日 (水)

【和歌山】今が旬!「有田巨峰村」

Kyohoumura みかんの里で有名な和歌山県有田で今、巨峰がたくさんとれています。「有田巨峰村」は、約30戸のぶどう農家が集まって観光ぶどう狩りを行っている観光ぶどう園団地です。約1カ月で2~3万人の観光客が訪れ規模は関西随一と言われています。

今回は中尾農園の中尾善二さんにお話をうかがいました。始まりは昭和47年、吉田佐一郎さんが、水はけがよく、昼と夜の気温の差が激しい旧金屋町川口のこの地が秋の果物の栽培に適していることに注目。数戸の農家で組合を作り、町に団体営農地開発事業として要請し、採択されました。昭和49年から工事がはじまり、53年にぶどう園が完成。広さは約36ヘクタール(360,000㎡)。4年後には観光客を呼べるほどのぶどうがとれるまでになりました。ほとんどが巨峰ですが他品種や柿、梨、桃なども栽培されています。初めてぶどう狩りをした私は、まず園いっぱいになっている巨峰に感動。たくさんのぶどうの下でとれたてを頬張る幸せ。お味は上品な甘さ。今年は梅雨が長く て味に影響が出るのではと心配でしたが、心配ご無用、おいしいです。大きな実が黒く色づいたぶどうを探して、たくさん持ち帰りました。地元価格は1kg900円。9月下旬まで楽しめます。有田にぶどうを食べに来てください。発送もしてくれます。(日比原さゆり)

Kyohoumura2■有田巨峰村
和歌山県有田郡有田川町川口1054-157

■中尾農園 
TEL&FAX:0737-34-3251

たわわに実った巨峰。今が食べごろです!

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2009年5月 1日 (金)

【和歌山】日本のハーブ「ぶどう山椒」

Sansyounomi 5月ですね。有田はみかんの花が咲き始めました。と共に「ぶどう山椒」の季節がやってきました。今は「木の芽」が食べごろです。玉子豆腐の上にあしらうと見た目も味も初夏を感じます。和歌山県有田川町清水のぶどう山椒は、料理通信社主催の「全国お宝食材コンテスト」に入選した貴重なもの。日本が誇る和のハーブで、フルーティな香りが特徴です。
これから花が咲き、その後たわわに実ったぶどう山椒になります。

昨年の6月に生のぶどう山椒をご紹介しましたが、今回は乾燥ものをご紹介いたします。コーヒーと一緒でやっぱり挽きたてが一番おいしいので、「かんじゃ山椒園」さんの乾燥粒山椒とミルのセットを購入しました。私が作っている黒あわび茸(有田産)をより一層おいしく食べたい一心で、黒あわび茸をフライにし、ソースと粉山椒をかけてみました。すると、これがめちゃくちゃおいしいということを発見! ほんとにおいしいんです。皆さんにも是非試していただきたいです。そのほか、天ぷらにして塩と粉山椒で食べるのもおススメです。ぶどう山椒も黒あわび茸もどちらもお宝食材。贅沢ですね。幸せ気分です。

Sansyoumilleかんじゃ山椒園さんの山椒は甘い香りとソフトな辛味の上品な味です。他の利用法はハーブ感覚で、肉や魚料理はもちろん、パスタやサラダにたっぷりかけてもおいしいです。
今回が和歌山発、日比原のアンバサダーブログ最終記事となります。1年間ありがとうございました。今後も和歌山のおいしい食材をご贔屓に、よろしくお願いします。(日比原さゆり)

●かんじゃ山椒園
〒643-0512 和歌山県有田郡有田川町宮川129
TEL:0737-25-1315

写真は、かんじゃ山椒園さんの乾燥粒山椒の袋入りとミル。セットで販売されています。挽きたては最高にいい香りです。

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2009年4月 1日 (水)

【和歌山】おいしい!おいしい!春しらす

Kamaage暖かくなりましたね。有田ではおいしい春しらすが揚がっています。
新鮮ぷりぷりの釜揚げしらすを想像するとワクワクしてきます。小さい時から、乾燥させたちりめんよりも身近にあり、ご飯にのせて食べるとすごくおいしくて何杯もおかわりしていたものです。
写真は「釜揚げしらす」。一般的にイワシの稚魚を総称して「しらす」と呼んでいます。主に「マイワシ」と「カタクチイワシ」の稚魚。
 
今回は湯浅町にある水産加工会社のカネ上(かねじょう)さんからお話を伺いました。カネ上さんには5つのこだわりがあります。それは、

 鮮度の良い上質のしらすを選ぶ目
 茹でる際に加えるのは塩のみ、赤穂塩を使用してうす塩に仕上げること
 冷たいしらすを入れても温度が下がらない釜
 清潔で安全な釜揚げしらすのための衛生的な設備
 天日干の際に日当たりがよく埃のない空気の綺麗な環境の干し場

です。伝統の職人の技術と経験、設備と環境が揃ってこそ、安心して食べていただけるものになると考えていらっしゃいます。このしらすは、生臭くなくて本当に塩加減がちょうどよいのです。皆さんに食べていただきたい一品です。
 
Chirimonカネ上さんでは「チリモン」=「チリメンモンスター」も人気商品。通常なら取り除く、小さな小さなエビ、カニ、タコなどが入ったチリメンです。「チリモンを探せ」というようなイベントにも使われたりするそうです。博物館や学校関係者からの注文も多いとのこと。確かに、普段目にしない生き物が混じっていたりして、見つけた時はめちゃくちゃ嬉しかったりします。でも、時には硬いチリモンも混ざっているので食べる時はご注意くださいね。(日比原さゆり)
未選別のチリメンにはいろんな生き物が混じっています。おもしろいですね。

●カネ上
和歌山県有田郡湯浅町田336
TEL 0120-677-567 FAX 0120-636-693

http://www.kanejo.com/

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2009年3月 4日 (水)

【和歌山】早春の爽やかみかん「春峰(しゅんぽう)」

1地元の産地直売所にはいろんなみかんが並んでいます。清見、デコポン(不知火)、せとか、麗紅etc...。 温州みかんが終わった後の雑柑のことを知りたくて、和歌山県果樹試験場を訪ねました。様々なみかんを試食させてもらった中から、珍しくて有田らしいみかん「春峰(しゅんぽう)」を皆さんにご紹介したいと思いました。

果樹試験場で獲れたみかん。全部違う種類のみかんです。全種試食させていただきました。果樹試験場:和歌山県有田郡有田川町奥751-1 TEL:0737-52-4320


2「春峰」は有田川町の河嶋美樹(かわしまよしき)さん(62歳)が交配・育成した交雑品種で、平成6年に種苗登録されました。ほとんどの品種が国などの試験場で作られる中、柑橘の民間での交雑品種登録は当時初めてだったとのこと。新品種を作るのに最低10年程かかりますが、「春峰」は河嶋さんの努力と我慢強さにより実を結びました。このこだわりみかんの母親は「清見」、父親は「水晶文旦」です。見た目は「八朔」に似ていますが味は全然違います。剥きやすく、お味はあっさり系。酸味が少なくしつこくないのでたくさん食べることができます。独特の風味は紅茶の愛好家やワイン通の方々の心をつかんでいるそうです。私もいろんな種類のみかんを試食させてもらいましたが、最後にはこの「春峰」に帰ってきました。後味さっぱりのおいしいみかんです。25年目の「春峰」いい出来です。2月に収穫したみかんは3月上旬から出荷が始まります。気になる方はお問い合わせを。(日比原さゆり)
こちらが春峰、1個250~280g。河嶋さんは適期収穫、適期出荷でおいしいみかんのお届けにこだわります。

●河長園(かわちょうえん)
〒643-0025和歌山県有田郡有田川町土生117
TEL:0737-52-3588 FAX:0737-52-7670

http://www.cypress.ne.jp/yoshiki/

 

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2009年2月 4日 (水)

【和歌山】紀州クエ鍋

Kueお鍋がおいしい季節ですね。京阪神からもお客様が多く訪れる「民宿 松林」さん。貴重な高級魚クエをおいしく料理して私達を満足させてくれます。クエはスズキ目ハタ科のいかつい顔をした魚。味は姿からは想像つかない、脂がほどよくのっていながらもあっさり上品味。アラや皮際のゼラチン質にはコラーゲンがたっぷり含まれて、美容の強い味方です。ダシがた~っぷり出たクエ雑炊は最高です。野菜もめちゃくちゃおいしくなります。最近は養殖ものが出回っていますが、松林さんのクエはすべて天然もの。大き過ぎても小さすぎてもダメで、重さ15~30kgがベスト。近海で獲れたクエは生きたまま、松林さんの水槽に運ばれます。何匹もの大きな生きたクエを見せてもらい、こだわり感がひしひしと伝わってきました。お客様も満足するはず。クエ鍋コースは食事のみで6,500円~(税別)。1泊2食付で9,800円~(税別)。
水槽内のクエ。体の模様を九つに変化させることからクエ(九絵)の名前がついた。「クエを食ったら ほかの魚はクエん」と言われるほどおいしい。

Matsubayashisanまたクエ以外の魚もおススメです。近くの箕島漁港沖は、潮の流れがよく、おいしい魚がたくさん獲れます。太刀魚は日本一の漁獲量を誇ります。夏は活ハモ料理もおススメ。松林さんでは渡し船もしていて、釣り人にも大人気です。「有田っていい所だわ~」とつくづく思います。(日比原さゆり)

いつもお客様においしいクエを提供できるようにと、とことんこだわる松林清隆さん。

●民宿「活魚料理 松林」
和歌山県有田市初島町浜1769-1
TEL:0737-83-3000(代)
FAX:0737-82-1500

http://www.matubayasi.jp/

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2009年1月14日 (水)

【和歌山】我が家のおせち ~和歌山有田より~

Goboumaki私は15年間和歌山を離れていましたが、昨年、実家の仕事(黒あわび茸栽培)を手伝うために戻ってきました。久しぶりの和歌山でのお正月。何か和歌山らしいものをと思い、名産の「ごぼう巻き」を入れました。やわらかく茹でたごぼうを魚のすり身でつなぎ、エソ・グチの魚皮で巻いて表面を焼き(臭みを抑え香ばしさを出すため)、タレにつけ込んだ逸品です。何も調理せず、そのまま薄く切って食べます。ごぼ天とは全然違います。子供の頃は苦手でしたが、大人になった今はうなずくおいしさです。酒の肴に最高です。
写真が「ごぼう巻き」。魚皮の裏側の身は、魚の旨味が凝縮されているところ。皮を裏返しにして巻くのは、タレが良くしみ込むため。よく考えて作られていますね。珍味です。

そして、私の実家の雑煮は白味噌味。味噌は私が生まれた時から、有田市にある武田味噌麹店さんの「えびすみそ」です。体にその味が染みついていて、久しぶりに武田さんの白味噌で作った雑煮を食べたら、「そう!この味!この味!」と本当に体が喜ぶのを感じました。私の大好きなお味噌です。雑煮の具は細い金時人参と大根、里芋。食べる前に青のりを振りかけていただきます。昔は練炭の火で青のりの束をあぶって、手で細かくすりつぶしていました。いい香りで、白味噌の雑煮とよく合い、何回もおかわりしていたものです。

Osechi_2あと、我が家ならではのもの、黒あわび茸マリネ、黒あわび茸入りのなますも入れました。厚みのある黒あわび茸は食べ応え抜群。娘たちのお気に入りですぐになくなってしまいました。豪華なおせちではありませんが、それぞれの具材のいわれを話しながらいただきました。(日比原さゆり)

左上が雑煮。青のりとのコラボレーションは最高です。大皿のごぼう巻きの右が、幅5cmの大きさの黒あわび茸のマリネ。肉厚のしっかりした茸で作りました。

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2008年12月 1日 (月)

【和歌山】紀州名物「なれ寿司」

Narezushi 和歌山の郷土料理に鯖の「なれ寿司」があります。滋賀県の鮒寿司、奈良県の釣瓶寿司と合わせ「日本三大くされ寿司」と呼ばれていま
す。昔、平家の落ち武者が源氏の武者に追われ紀州に落ち延びたとき、持っていた塩鯖とご飯が偶然に発酵して、なれ寿司(熟鮨)になったという言い伝えがあります。
写真右:3日仕込んだなれ寿司。棒状のものを一口大に切って食べます。

私の地元・有田では新鮮な鯖を塩漬けにしたものをご飯にのせ、あせ(暖竹)の葉で巻いてその上に重石を乗せて熟成させます。漬け込むほど乳酸発酵が進んで旨みが増していき、その発酵度合いによって「本なれ」「なれ」「早なれ」に区分されます。「本なれ寿司」は強烈なにおいが特徴。一般的にはほとんど販売されていません。「なれ寿司」は軽く発酵したもので、和歌山では以前から食べられていた寿司ですが、最近はめっきり少なくなってきました。これに代わって発酵させない「早寿司」が多く出回っています。これは酢飯に酢で〆た鯖を乗せ、あせの葉Hayazushi で巻いた一夜寿司です。なれ寿司の様なくせのある臭いがないので食べやすくなっています。和歌山ラーメンの店ではテーブルに「早寿司」を置いているところが多く、ラーメンが来るまでについつい食べてしまいます。これが不思議と合うんです。近年の和歌山ラーメン人気で県外でも見られる光景になりました。
見かけた方、是非このコラボレーションを試してみてください。新鮮な味かも…。(日比原さゆり)
こちらは、一口大の大きさの早寿司(巻いてあった「あせの葉」をとったもの)。ラーメン屋さんにはこの大きさのものが置かれています。

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2008年10月31日 (金)

【和歌山】最高峰の有田みかん「味一みかん」&「まるどりみかん」

Mikan_2 みかんのおいしい季節がやってきました。有田の山々はオレンジ色に色づいています。有田みかんの歴史は古く、約450年前から栽培されています。江戸時代には船で江戸に運ばれ、そのおいしさから飛ぶように売れたとのこと。みかんの生産量日本一の和歌山には、栽培技術を駆使してできた高級みかんもあります。「味一みかん」と、さらに上をいくおいしさの「まるどりみかん」です。これらのみかんを栽培している、早和果樹園の秋竹新吾さんにお話をうかがいました。

Sowakajyuen「味一みかん」は園地(特に土壌が良く日当たりが良い場所)、生産者を指定し、他のみかんとは別に集荷、選別しているそう。おいしさを選別する光センサーで糖度と酸度をはかり、糖度12%以上、酸度0.8%程度という厳しい基準をクリアしたものが「味一みかん」として出荷されます。有田みかんの中でも数パーセントしかとれないとのことです。
もうひとつの高級みかん、「まるどりみかん」は、5年前にデビューしました。マルチ栽培とドリップかん水システムを組み合わせたハイテクな「マルドリ方式」で栽培しています。甘さとコク、酸味のバランスが抜群で、非常にレベルの高いみかんです。

和歌山が誇る、これらふたつのブランドみかん。この冬、是非一度お試しください。(日比原さゆり)

●株式会社早和果樹園
和歌山県有田市宮原町東349-2
TEL:0737-88-7279 FAX:0737-88-7218
http://sowakajuen.com
写真下は早和果樹園の光センサー。おいしさを選別します。

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2008年10月 1日 (水)

【和歌山】湯浅醤油のルーツ『金山寺味噌』

Kinzanji 和歌山県有田郡湯浅町は醤油発祥の地として有名な町です。ここでは金山寺味噌というおかず味噌が昔から作られています。
鎌倉時代、紀州由良の興国寺の開祖、法燈国師覚心が禅宗修行の為訪れた中国の径山寺で初めて金山寺味噌を食し、金山竜遊江寺でその醸造法を学び帰国。湯浅の水が醸造に適していることに着目し、その製法を伝えました。今回、金山寺味噌の老舗「太田久助吟製(おおたきゅうすけぎんせい)」の太田庄輔さん(63歳)にお話をうかがいました。
写真上:これが金山寺味噌。もともとは夏野菜を冬まで保存しておくために考案された保存食です。白いご飯や酒の肴にぴったりです。

Tamari仕込みは、まず煎った大豆と裸麦を蒸して、別に蒸しておいた米と一緒に混ぜ合わせてから冷まします。そこに種麹を入れ全体を攪拌して温めておくと(28~30度)、3日後に「麹糀(こうじばな)」が満開になります。これに塩、砂糖、瓜、茄子、生姜、しそを入れて桶に詰め、重石を載せます。この桶を室と呼ばれる適温の醸造部屋に入れて3日間発酵させたら仕込み完了です。室から出した後は、じっくり自然熟成させます。夏は仕込んでから30~40日、冬は100日ほど。きれいなべっこう色、まろやかな香りに仕上がった金山寺味噌にしばらく見入ってしまいました。
桶の木蓋の上に琥珀色の液が溜まっています。これは発酵が進むにつれて材料から出てきた水分です。とろっとして、甘い、旨みが凝縮された味でした。この液体こそ、醤油ができるきっかけとなったものです。(日比原さゆり)

太田久助吟製
和歌山県有田郡湯浅町北町15
TEL:0737-62-2623
FAX:0737-62-4811

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2008年9月 3日 (水)

【和歌山】目から鱗のブルーベリー

Blueberry1 8月、目から鱗のブルーベリーに出会いました。和歌山県有田川町にある丸十農園の中井國博さん(42歳)が作る、他とは一味違うこだわりのブルーベリーです。中井さんは5年前、農業関係のイベントでブルーベリーを見て直感。まだまだ若いみかんの木を伐採して、土地を平らに均し、500本のブルーベリーを植えました。栽培方法は『バックカルチャーシステム』といって、地面に防草用のシートを張った後、土ではなく、特殊な発泡樹脂を詰めたポットを並べ、そこに灌水チューブで養液を点滴する方法です。
その頃は周囲にポット栽培をしている農家はなく、日照、気温、水分管理など、試行錯誤しながら現在に至りました。そして、畑は45アールに広がり、木は800本に増え、収穫量は1トンになりました。収穫時期は7~8月。無農薬の完熟した実だけを一粒一粒丁寧に収穫し、露をとばしてから一粒ずつ選別、パック詰めと、すべて手作業です。この丁寧な作業をお客さまも感じとられるのか、東京や大阪の市場では高く評価されています。生食はもちろんですが、冷凍ブルーベリーもシャーベットのようでかなり美味しいです。
ブルーベリー(ラビットアイ系)ツツジ科スノキ属の北米原産の低木性果樹。成熟した果樹の濃い青紫色の色素は「アントシアニン」と言い、目に良い働きをすると言われています。

Blueberry2ブルーベリーはすっぱいというイメージがありましたが、中井さんのそれは見事に覆してくれました。程よい甘みと酸味。聞くと、東京の有名フルーツパーラーでも使われているとのこと。目にいいだけでなく心も幸せになりました。(日比原さゆり)
ブルーベリーの花(4月)。なんとも愛らしいと思いませんか。写真:中井さん提供

●丸十農園 
和歌山県有田郡有田川町吉原860   TEL&FAX:0737-32-4974

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2008年8月 1日 (金)

【和歌山】 紀州有田の魅惑の食材「黒あわび茸」

080724 黒あわび茸は元々台湾や中国の南部に自生しているヒラタケ科ヒラタケ属の茸です。栽培するのがとても難しい茸で山幸食品は5年かけてやっとコンスタントに出荷できるようになりました。社長が脱サラをして1976年からエノキダケの栽培をはじめ、この経験を基にして2003年に黒あわび茸に切り替えました。「黒あわび茸?」「何それ?」と、まだまだ知られていない珍しい茸です。中華料理で使われる高級食材として有名で、傘の部分が黒褐色をしていて、調理した時の歯ごたえや断面がアワビに似ていることから「黒あわび茸」と呼ばれています。

山幸食品は特徴のあるおいしい茸を追及しながら真心込めて栽培に取り組んでいます。特にシコシコとした歯ごたえが際立っています。種菌は自社に合う菌を自家培養し、培地は和歌山杉の間伐材をベースにしたおが屑を使用しています。そのため、次第に和歌山の風土に合った茸になってきました。この栽培に取り組む姿勢が認められてきたのか、最近は各地から発注がきます。試食販売を行うと「こんな茸初めて! おいしい!」と言って手に取ってくださる方が多いです。

080724_2 この茸は、調理した後も煮崩れ、縮みが少なく、色々な料理に利用できます。油と相性が良いので、天ぷらやソテーにするととてもおいしいです。初めての方には、サラダ油で炒めて塩・コショウした出来立てをおススメします。茸のお味がよくわかります。是非、お試しください。(日比原さゆり)

(有)山幸食品 
http://www.sankoushokuhin.co.jp/

黒あわび茸はビタミン(B1・B2・D)、ミネラル(鉄・マグネシウム・カリウムなど)、食物繊維を多く含む低カロリ―の健康食材です。収穫前の茸の傘の表面はベルベットのよう。裏はヒダがとてもきれいです。

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2008年7月 2日 (水)

【和歌山】 フレンチ、イタリアン、和食……シェフが作った高級惣菜が買える店

Berkel_2 和歌山市にあるフォルテワジマ1階に、「イル・グスト」という高級惣菜を販売するお店があります。
こちらは腕自慢の数人のシェフがこだわり食材で作ったイタリアン、フレンチ、和風の料理をお手軽価格で購入できます。きちんとしたお店で食べたら結構なお値段のものを、お手軽価格で購入でき、かつイートインもできるという、とても嬉しいお店です。

このお店の目玉食材は、イタリアから輸入する生ハム「クラテッロ」です。つい最近まで「幻の生ハム」と呼ばれ、現地に行かないと食べられないほどの生産量しか作られていませんでした。最近では年間約7000本の生産量になり日本でも食べることができるようになってきましたが、まだまだ希少価値の高い生ハムです。

クラテッロをスライスするのはBerkel(ベルケル)のスライサー(写真上)です。今は製造中止になっている年代物で手動のもので、ピカピカに磨かれ、堂々とした風格で私たちを迎えてくれます。もちろんスライスしたばかりのクラテッロもイートインで食べることができます。グラスワインもあるので嬉しいかぎりです。私の勤めている山幸食品が生産しPhoto_2ている黒あわび茸も使っていただいています。
「本日の鮮魚のエスカベッシュ」ではイサギと合わせて。地元で獲れた新鮮なイサギととても相性がよく、酸味がきいて、とても美味しいです。他にも美味しいものがたくさんあります。皆さん是非和歌山に足をのばしてみてください。(日比原さゆり)

ある日のー品、「本日の鮮魚のエスカベッシュ」。左側にある茶色の茸が黒あわび茸。歯応え最高の美味しい茸です。

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2008年6月 6日 (金)

【和歌山】和歌山は山椒の収穫、真っ盛り

はじめまして。和歌山の有田より日比原がお届けします。

080523今、有田川町では「ぶどう山椒」の収穫真っ只中です。「ぶどう山椒(ミカン科)」は山椒の品種名で、実がぶどうの房のようになることからそう呼ばれています。山椒の中でも実が大きく、さわやかさが特徴で、生果用、香辛料としても品質が特にすぐれています。山椒の木にたわわに生った実は見ていて惚れ惚れします。

江戸時代から栽培されている有田川町の山椒は日本でナンバーワンの生産量を誇り実山椒は主に京都に出荷され、佃煮などに加工されています。家庭での保存法は冷凍保存や醤油で煮てビン詰めにしておき魚を煮付けるときに少量入れると魚の生臭みが消え、おいしくできます。 

山椒には大脳を刺激して内臓を活発にする作用があります。世界各地では鎮痛剤や駆虫(殺虫・抗菌)として使われてきました。このことから7~8月に収穫される乾燥山椒は主に薬品会社や香辛料メーカーに出荷されます。近年みかん農家も高齢化が進み、重量の重いみかんから、軽い山椒に変わってきているそうです。

080530私が属する山幸食品では自社生産の厳選黒あわび茸と今回ご紹介したぶどう山椒を使った佃煮「山椒黒あわび茸」を作っています。他の原材料も有田にこだわり、醤油発祥の地・湯浅の薄塩醤油や有田みかんから採れた蜂蜜を使っています。


 和歌山にはおいしいものがたくさんあります。これから一つずつご紹介していきます。楽しみにしていてください。(日比原さゆり)

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日比原さゆり : 和歌山県で黒あわび茸を栽培している山幸食品の広報ウーマンです。キノコ作り30年の弊社の黒あわび茸は、市場や料理人の方々に高く評価していただいています。皆様に山幸食品の黒あわび茸を知ってもらう為、全国各地で試食販売を行っています。
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