2010年5月12日 (水)

【富山】ホタルイカ料理のイデアとは

Hotaruika1 今年はホタルイカの水揚げが例年の3割程度と少ないそうです。ちなみに私自身は生の刺身より昆布〆や熱を通したものをよく口にします。身体は小さいくせに香りや味の主張はしっかりとあり、オリーブオイル煮にすると辛口の白ワインにもよく合います。まさに春先の富山を代表する味です。
絶妙のホタルイカと地酒を合わせてみました。黒部市の幻の瀧袋搾り中取り純米吟醸生酒と魚津市の北洋雄山錦吟醸酒です。

先日、理想形と言いたくなるホタルイカ料理と出会いました。勿論生のホタルイカではありません。本場である滑川の方に少し分けて頂いたボイルもののホタルイカです。何が違うって、まず透明感が違う!淡い色合いを残したミミの部分が非凡さを物語っています。これは普段口にするものとは違うぞと思い辛子酢味噌をつけずにそのまま食べてみました。臭みの全くない身がプリッと弾け、口の中一杯にコクのある味わいが広がり、日本酒と合わせると、もう止まりません。

「こんなホタルイカ、食べたことないな・・・」

Hotaruika2 後日、お礼を伝えたところ、以前はその方のお母様がずっとボイルを担当していたとのことで、小さい頃から食べていた当たり前の味なのだとか。どうやって作っているのかを更にたずねると、大きな釜にグラグラと湯を沸かし、ざるに盛ったホタルイカを湯掻いて頃合を見計らい素早く上げるのだそうです。このタイミングは職人技としか言いようがありません。
この透明感(!)にはやはり理由がありました

以前、ウィンザーホテル洞爺のミッシェル・ブラスで頂いたマスの火入れの状態が絶妙だったことを思い出しました。生ではない、火が通り過ぎてもいない。真空調理法で得られるようなテクスチャーを以前から当たり前に作り上げていたとは本当に驚きました。自らのこれまでの不明を恥かしく思い、富山の人間としてこのホタイルカ料理こそはちゃんと紹介しなくてはと決意を新たにしました。このホタルイカはほとんどが築地経由で料亭に行くのだそうです。久しぶりに「ことわりをはかる」という言葉に思いを馳せた経験でした。

さあ、これを超えるホタルイカ料理を作ってみてくださいね、料理長殿。(佐藤 健)

●有限会社カネカ水産 
富山県滑川市今町52-5
TEL:076-475-1049

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2009年9月11日 (金)

【富山】新しい味の開発者

Misoshiru_2 先日発売された『料理通信』10月号「みそ汁&みそスープレシピ世界大会」という記事が掲載されています。私も富山の糀味噌を使ったみそ汁を紹介することになり、家で使っているお味噌の製造元、砺波市庄川町の「トナミ醤油」を訪ね、社長の宅間孔一さんに相談したところ、レシピ提供だけではなく、実際に作ってくださることになりました。
使用した味噌は、「本造りみそ一番」1kg525円(税込)。
■原料:富山県産エンレイ(大豆)、富山県産コシヒカリ(米)、食塩、酒精 
■味:中辛口の糀味噌
■色:薄黄茶色

まず鍋の水2リットルに対し、ススタケ(ネマガリダケ)の水煮を斜めにスライスして入れ、昆布10gを浸し、できれば12時間程度置きます。次に火にかけ、湯が沸く前に昆布を引き上げ、味噌150g程度を溶き入れます。この時に隠し味としてホタテ貝柱のパウダーを二摘みほど入れるそうです。庄川町特産の柚子を冷凍したものをみじん切りにしてのせ、ミツバを散らして完成です。富山県の東部では、夏、キュウリのみそ汁を食べるところが多いと某テレビ番組で放送していましたが、このレシピは富山県の西南部、砺波市や南砺市の山あいで、主に食べられているみそ汁なのだそうです。

ところで、トナミ醤油の宅間社長は実験や工作が大好きで、商品製造の機械も自作してしまうほどのエンジニアであり開発者。富山の特産シロエビの旨味を活かした海鮮味噌をはじめ、呉羽梨を使った焼肉のたれや地元庄川特産の柚子を使ったぽん酢製品など、生産農家と共同で研究・開発を行い、地産地消に軸足を置いた製品作りを長年手掛け、日々、アイディアたっぷりの新商品を世に送り出しています。(佐藤 健)

Tonamisyouyu_2トナミ醤油製品ラインナップの一部。左から、富山湾の海洋深層水の焼塩を使用したゆず塩ぽん酢、しろえびゆずぽん酢、最新作、おわら風の盆のふるさと八尾の黒ゴマを使用したごまみそ、特産呉羽梨入り焼肉のたれ、白えび海鮮みそ。各種製品は富山県内特産品売場や直販で入手可能です。

●トナミ醤油(株)
富山県砺波市庄川町金屋600
TEL0763-82-0264

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2009年6月19日 (金)

【富山】点の記よりも麦の記!?

Beerfest2009_2 昨年7月、富山市の中心商店街「グランドプラザ」を会場に開催された地ビールイベント「タナバタ・ビアフェスタ・トヤマ2008」。私の最初の情報発信はこのイベントに関する記事でした。
そして、来たる7月4日(土)、5日(日)。今年も「タナバタ・ビアフェスタ・トヤマ2009」が開催されます。今年は県内2社、県外14社の計16社が参加、昨年の約2倍、全56種類の樽生地ビールを楽しめます。

地ビールの魅力は何といっても多種多様なスタイル。色、香り、味わい、アルコール度数…。一つとして同じ地ビールはないと言っても過言ではないでしょう。だからこそ、地ビールと料理の組み合わせはまさに無限大! 映画「劒岳 点の記」で熱くなっている富山が地ビールでさらに熱く燃える2日間を是非、あなたも体感してください!
詳しくはイベントHP(http://www.beerfesta-toyama.jp/)が開設されていますので、そちらでご確認を。ほっぷ君も麦子さんも、夏山ならぬ夏の富山にいらっしゃい!ですぞ。(佐藤 健)

●「タナバタ・ビアフェスタ・トヤマ2009」参加ブルワリー
【富山】城端麦酒、オオヤブラッスリー 【岩手】いわて蔵ビール 
【石川】日本海倶楽部 【新潟】新潟麦酒 【福井】越前福井ビール 
【千葉】ハーベストムーン 【神奈川】サンクトガーレン 
【山梨】富士桜高原麦酒 【愛知】盛田金しゃちビール 
【岐阜】飛騨高山麦酒 【三重】二軒茶屋餅角屋本店、モクモク地ビール 
【大阪】箕面ビール 【鳥取】大山Gビール 【広島】三次ベッケンビール

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2009年5月22日 (金)

【富山】シロエビを探せ!

Shiroebisenbei富山湾の宝石と呼ばれるシロエビは、体長およそ6センチの極々小さな海老。4月から11月が漁期で、最盛期は6月から7月です。水揚げ直後は透き通った淡桜色ですが、浜に着く頃には白くなり、時間の経過に伴いやがて黒ずんできます。シロエビからはいい出汁がでるので、黒くなる前に煮干にして素麺つゆに使われるのが昔から一般的だったようです。現在のようにお刺身や昆布〆などで広く食べられるようになったのは、冷凍すると殻を剥きやすくなるということがわかってから。もともと小さな海老なので、生のままでは殻が剥きにくく、非常に手間がかかります。この問題が解決されたことによって、シロエビにスポットが当たるようになりました。

富山の居酒屋ではこれからの時期、旬のシロエビを唐揚げやかき揚げにして出すようになり、私も冷えたビールと一緒に頂くのが楽しみなのですが、近年、このシロエビを加工した調味料やラーメン、米菓なども数多く作られるようになりました。中でもおすすめは日の出屋製菓産業の「しろえびせんべい」。直営店舗「ささら屋」で買えるのは勿論、敷地内にある手焼き体験工房で実際に自分で焼くこともできます。
私が自分で焼いた「しろえびせんべい」(体験料:生地8枚200円)。 職人さんに「これは売れる」と褒められました。

Softcreamさらにビックリなのが、このしろえびせんべいを使った「しろえびせんべいソフトクリーム」です。「シロエビソフトクリーム」ではなく、「しろえびせんべいソフトクリーム」なのです。しろえびせんべいの塩味とバニラアイスの甘さが絶妙にマッチしています。味の表現がとても難しいのですが、あえてたとえるならば「海老のビスク 冷製生クリーム仕立て」が近いでしょうか。小判型のしろえびせんべいがアクセントに付いてきます。

ご当地ならではのシロエビ加工品は他にもまだまだあります。ぜひ富山に来て探してみてください。(佐藤 健)
しろえびせんべいソフトクリーム(300円)。一度食べたら忘れられない味です。

●日の出屋製菓産業
http://www.hinodeya-seika.com/index.html

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2009年4月22日 (水)

【富山】海幸山幸2009

Poster自然にあふれ、水が綺麗で、ツヤツヤなご飯やキトキトのお魚などが食べられる富山。 三方を山に囲まれ、もう一方は天然の生簀といわれる富山湾をもつここ富山には、氷見の寒ブリや滑川のホタルイカ以外にも、それだけのために富山に来たいと思うほどの魅力を持つ食材や料理がまだまだあります。

そんな富山の食材のポテンシャルを、さらに高めるきっかけになりそうなイベントが6月に行われることになりました。「海幸山幸2009~富山の幸と長野のワインの幸福な出会い~」と題して、6月7日(日)富山市中心部のグランドプラザを会場に開催されます。隣県同士でありながらあまり富山では知られていない、長野県原産地呼称管理制度の紹介と、それに認定されたワインを富山の食材や料理に合わせてみようという初めての試みです。地元の有志が集まり毎週会議を重ね、富山長野双方にとっていいきっかけ作りになるよう、現在も内容を煮詰めているところです。先日は、長野県原産地呼称ワイン委員会副委員長でマスターソムリエの高野豊さんを富山に招き、イベントの協力者や出店者に向けて制度の内容と認定ワインに関して、実際に試飲しながらレクチャーして頂きました。食の現場にいる人たちにもとてもいい刺激になったと思います。

1_5ようやくポスターデザインも決まり、今後、ホームページ(http://azai.jp/umiyama/)にイベント内容が決定され次第アップされていくと思います。6月7日は「海幸山幸2009」で富山の幸と長野のワインの幸福な出会いを楽しみましょう。(佐藤 健)
写真左:イベント当日に向け開催した、マスターソムリエ・高野豊さんを招いての試飲&説明会。

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2009年3月30日 (月)

【富山】ホタルイカの料理を作ってください

1 3月1日に富山ではホタルイカ漁が解禁されました。今年は豊漁と聞いていますので、食卓に上がる回数も増えそうです。ところで、このシーズンになると私は毎年口にする台詞があります。それが、「ホタルイカの料理を作ってください」です。ご存知の通り、富山ではホタルイカを塩辛や沖漬け、黒作りなどに加工したものを酒肴やご飯のお供にしたり、茹で上げたホタルイカを辛子酢味噌で和えておかずとして食べたりするのが一般的。ですが、わざわざ外で食事をするわけですから、新しいホタルイカ料理を食べたいと私は思うのです。そして、大抵がっかりさせられます。ホタルイカのペペロンチーノなんぞを出されても、全然新しくも何ともないのです。別にホタルイカじゃなくてもできる料理だからです。具はタコでも甘エビやシロエビでもバイ貝でも出来ます。そう、ホタルイカである必然性がその料理にはないのです。

2既存のホタルイカ料理は確かにそれぞれ美味しいし、ホタルイカである必然性がありますが、これを礼賛して終わっているようでは富山の食文化は全く開花しません。流通が発達し、日本全国どこでもホタルイカが食べられるこの時代、産地としての優位性が「鮮度」だけではホタルイカがかわいそうです。

生きたホタルイカに触ったことがありますか? 手の平に取ると、とくとくとく……と早い鼓動が直接伝わってくるんです。懸命に、短い一生を全うする小さな命を、私は感謝して頂いています。(佐藤 健)

(写真上)「仏産ホワイトアスパラとホタルイカのフリカッセ 春の香り」
ホワイトアスパラ以外は富山産(ワサビ菜、ナバナ、タラの芽、プチヴェール)です。 ご飯が欲しくなりました。
(写真下)「ホタルイカのピルピル」
ホタルイカをオリーブオイルと塩とニンニクで煮詰めたもの。ワインが進みます。
写真はどちらも「51(シンクエンタ・ウノ)」のホタルイカ料理です。

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2009年2月23日 (月)

【富山】真冬のそば祭り

Sobamatsuri その歴史は今から24年前に遡るそうです。日本各地に偏在する限界集落のひとつ、富山県南砺市利賀村。岐阜県との境に位置し、厳冬期には雪に閉ざされるようなこの村では、昭和60年2月に地域の過疎化に歯止めをかけ、村おこしの一環にしようと地元の特産品を使った「そば祭り」を開催しました。3千人ものお客さんが来場し(総務省統計局資料によれば、当時の村の人口が1,310人ですから、人口の約2.3倍の来場者があったことになります)、以来、そば祭りは「夏の演劇、冬のそば」と並び称せられる利賀村の2大イベントのひとつとして親しまれています。

Pretzel会場には富山らしいシロエビのかき揚げ天そばや、主人自らが採集した山菜を使った山菜そば、そば粉100%の十割蕎麦など、豊富な蕎麦メニューに加え、そば茶プリンやそばケーキなどのブースもあり、食べるものだけでも目移りしてしまうほどです。以前このブログでも紹介した城端麦酒も毎年ブースを出店しており、利賀のそばを揚げた「そばプリッツ」は、おつまみやおやつとして大人気です。

南砺市利賀村は、ミシュランの旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」(来月発刊予定、仏語版)で最高の三つ星観光地に認定された五箇山合掌集落から近く、また、東海北陸自動車道の全線開通に伴って、中京方面からのアクセスも劇的に向上しています。年間を通してそば打ち体験が楽しめるお店や宿泊施設、温泉もあり、訪れるといろいろな魅力が感じられる山村だと思います。是非一度遊びに来てみてください。(佐藤 健)

●問合せ 利賀村商工会
http://www.shokoren-toyama.or.jp/~toga/

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2009年1月26日 (月)

【富山】引き継がれるべきもの

Osechi1 尾鷲出身の祖父と和歌山出身の祖母に富山県高岡市で育てられた母の味のベースは鰹節と羅臼昆布。無論、おせち料理も祖母からの味を引き継いでいます。お雑煮のベースは羅臼昆布に醤油。具は、鶏肉、飾り切りした大根と金時人参、角餅を焼かずに入れ、三つ葉を散らします。新年最初のご飯はお赤飯にします。また、おせちで欠かせないものは何といっても煮しめ。大根、人参、蓮根、里芋、黒蒟蒻、牛蒡、椎茸、慈姑(くわい)の8種の具をそれぞれ味付けし、最後にあわせたもの。これが佐藤家のおせち料理の基本です。元旦にはお赤飯と煮しめ、黒豆やごまめなどを小皿に盛り神棚と木彫の天神様に神饌として奉げます。
写真上)赤飯、雑煮、勝栗入り黒豆、紅白膾。

砺波市の山間にある古民家をリフォームした実家では、毎年、囲炉裏をかこんでおせちを頂きます。洋画家である母はブルーチーズなどハイカラな食材が好きだった祖母の影響からか、美味しいものが大好きで、私が小さい頃には、ガスオーブンでプレートいっぱいにチーズがごろごろ入ったホットケーキを焼いてくれたり、挽肉を捏ねるところからハンバーグを作ってくれたりしました。

Osechi2今やお節料理にも既製品の割合が増え、コンビニやネットでお節宅配の予約が簡単にできる時代。だからこそ経済効率や合理性の追求だけではなく、先祖代々伝えられた手作りの味を大切にしたいのです。そのことがふるさとの食文化の継承、そして心の継承に繋がるに違いない…そう私は信じています。(佐藤 健)

写真左)煮しめ、栗きんとん、赤巻・昆布巻蒲鉾、数の子、イカのわさび漬け、ごまめ、玉子焼き。

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2008年12月15日 (月)

【富山】「泳ぐじゅんさい・・・ゲンゲ」

Genge1ブリ起こしとよばれる雷が鳴り、鉛色の空から白い天使が舞い降りるこの時季の富山は、 ズワイガニやブリなど冬の主役をはじめ、数多くの魚介に恵まれます。その中でも、最近注目を集めているのが、「泳ぐじゅんさい」と佐藤が勝手に呼んでいる「ゲンゲ」です。

「泳ぐじゅんさい」=ノロゲンゲくん。他のゲンゲたちとは違い、つぶらな瞳のかわいい魚です。

ゲンゲとは日本海、オホーツク海、関東以北の太平洋などで水揚げされるスズキ目ゲンゲ科の魚の総称で、富山では「ノロゲンゲ」がポピュラーです。全身がプルプルとしたゼラチン質で覆われたこの魚は、今でこそ良質のコラーゲンとして料理やサプリメントに引っ張りだこですが、以前はカニや甘エビを取る底引網に入り、水揚げされても値がつかなかったので捨てていたそうです。「下の下」や「下魚」が訛って「ゲンゲ」になったとか。鮮度落ちが早いこともあって、以前は浜近くでしか食べられていませんでした。25センチ前後のサイズでは浜値で1匹10円程度、スーパーなどでは10匹パックで150円~300円で小売されています。旨味の強いダシが出るゲンゲは、汁物がお薦め。淡白な白身と プルプルとした食感は、この時季の宝物です。

Genge2小さい頃からゲンゲ好きな海鮮屋たにぐちさんにゲンゲ汁の黄金レシピを教えて頂きました。

ゲンゲ:ネギ=1:1

という分量が一番旨くなるそうです。ゲンゲ、ネギ、甘口醤油、一味唐辛子を少々。このシンプルな組み合わせが一番おいしいのだとか。そうそう、ゲンゲは新鮮なものを使うこと!(佐藤 健)

「黄金レシピのゲンゲ汁」。ゲンゲ:ネギ=1:1で、たにぐちさんに作ってもらったものです。絶品!

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2008年11月17日 (月)

【富山】不義理の兄が通う店

51 何が不義理って、シェフの名前が佐藤宏一っていうもんですからね、姓は同じ佐藤だけれども義理の弟でもないってんで、私、不義理の兄と名乗っているわけでして・・・はい。

そんな関係あるよでないよなお店が富山市の電車通りにございます。名を「シンクエンタ・ウノ(51)」と申しましてね、これがまた、滅法いい店なんですよ。カウンター1本あるだけのシンプルな作りのワインバーなんですがね、何より料理がいい。富山湾の新鮮な魚介類や自家栽培の野菜を使うってぇのは勿論、これからの季節にはジビエも出すってんだから面白い。

51_2先日も公演のため来富した某女優さんを店にお招きしましたらね、彼は頑張ってくれましたよ。「昆布〆したアマダイのパイ包み焼き」は富山独特の和の料理法「昆布〆」を応用してありましてね、将来富山の新料理として出世するんじゃないですかね。そして、最もインパクトあったのが「スコットランドの雷鳥 サトイモのピューレ添え」(写真)。お国が違うったって、特別天然記念物の雷鳥を生息地の富山で食べちゃおうってんだからさあ大変。流石の女優さんも吃驚仰天呵呵大笑、大いに盛り上がった次第でございます。

食の世界に「出会い物」、料理とワインに「マリアージュ」があるように、地元食材と料理法にも大いなる出会いの可能性を追求している彼のことを「不義理の兄」はこれからも応援していく所存でございますれば、どなた様も今後ともお引き立てのほど、宜しくお願い申しあげます。(佐藤 健)

●シンクエンタ・ウノ(51)
富山市荒町2-28ロクショウパークビル2F
TEL:076-491-4051
http://blog.goo.ne.jp/cinquentauno51

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2008年10月16日 (木)

【富山】不屈の醸造術師

Ooyatakashikun 富山県庁前の噴水公園は、緑に囲まれ、市民の憩いの場となっています。その公園を眺める場所に12坪ほどの小さな工房兼店舗を構え、地ビールを造る若き醸造士がいます。

大谷崇(おおやたかし)。

今を遡ること9年前、彼はこの世界に飛び込みました。地元に新しくできた会社が地ビールの醸造士を募集したのです。彼には事前の知識も経験もありませんでした。新米醸造士として1から地ビールを学びつつ、会社や周りの状況の目まぐるしい変化にもめげず、チャレンジを続けました。そして迎えた2007年の春。彼の造る地ビールが少しは知られるようになった頃、事件は起きました。会社が地ビール醸造から撤退するというのです。
しかし、彼は望みを捨てませんでした。

「城端麦酒の山本君のように、僕は一人でも地ビールを造り続ける!」

と言ったかどうか、彼は会社の撤退を機に、独立して自らの地ビール会社「オオヤブラッスリー」を創業する道を選択したのです。無論、創業への道は決して楽ではありませんでした。醸造所の確保は勿論、資金計画、醸造計画、販売計画、販路の確保など厳しい審査を通らないと許可は出ないのです。一醸造士だった頃には考えたこともない壁が彼の前に立ちはだかりました。
Koubouそして…クリスマスの日。彼は製造免許が明日出るという連絡を税務署から受け、ここにようやくオオヤブラッスリーは本格稼動を始めたのでした。そう、まだ1年目の新しいブルワリーなのです。
レギュラー商品の「越中風雅」、地元の大場養蜂園とのコラボ商品「みつ蜂さんの宴」(ハニーホワイト)、地元呉羽産の梨を使った10月上旬発売予定の梨の発泡酒など、今後どんな地ビールがオオヤブラッスリーから生まれるのか、予想できない面白さが彼の魅力だと僕は思います。(佐藤 健)

写真上:工房兼店舗から県庁前公園を眺める。

株式会社 オオヤブラッスリー
富山市内幸町8-7 丸美ビル1F
TEL&FAX:076-442-7787

http://plaza.rakuten.co.jp/tatarattata/

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2008年9月24日 (水)

【富山】昭和レトロに麦子の店

Shinsekai みなさんは地ビールをどこで飲みますか。お店やネットショップで買って家で、という方も多いと思いますが、富山にはそれに相応しいディープな街角に、いい店があるんです。富山市の中心商店街、中央通りを抜けた先にある「新世界」。この界隈だけは極彩色で散りばめられた、あの「昭和」という時代が今も色濃く残っています。
まるでドラム式洗濯機でタイムスリップしたかと目を疑うような路地裏にあるお店が、今回ご紹介する「Beer Cafe NITA」。地ビールに惚れて惚れて惚れ抜いて、惚れた地ビールをもっと色々な人に知ってもらいたいという一心で、6年前に、ついにお店を出してしまったというディープな地ビールLover、橋本菜生美(はしもと・なおみ)さんのお店です。10席ほどの小ぢんまりとした店ながら、彼女はカウンターの中から国内に限らず世界中の美味しい地ビールをお客さんに紹介しています。いい熟成を迎えた頃合いを見計らって提供される樽生ビールが特にお薦めです。

San全国各地の地ビールイベントに出かけ、醸造所を積極的に巡るその姿は、鉄道マニアの女の子=「鉄子」を彷彿とさせます。そう、彼女は言わば「麦子」なのです。タナバタ・ビアフェスタの実行委員として何ヶ月も前から準備し、2万人の入場者数を誇る一大イベントに作り上げた力は、やはり「麦子」パワーに他ならないと私は思っています。
あ、そうそう。書き忘れていましたが、お店のオープン時間が遅いのでご注意を・・・。(佐藤 健)
写真上が昭和レトロなディープゾーン「新世界」、写真下はNITAさんこと橋本菜生美さん。

<用語解説>
「麦子」=ディープな地ビールLoverな女性のこと。俗に鉄道マニアを「鉄」、女性の場合「鉄子」と言うことから。「麦」な人。とか、「麦子」さんだ!とか使うと言われた本人はどうあれ(笑)理解しやすいかと。

Beer Cafe NITA
富山市中央通り3丁目2-16(新世界)
TEL090-2126-8912
営業時間 月・火・木 PM11:00~AM5:00
       金・土 PM9:00~AM5:00
※醸造所巡りや私用で臨時休業という場合もありますので、
ホームページのBBS、
http://bbs1.fc2.com/php/e.php/3199/でご確認ください。

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2008年8月22日 (金)

【富山】 地ビールの造り手その1「地ビール界のイチロー」

Yamamotokun_2 6月23日付のブログで7月5日、6日に富山で行われた地ビールイベントの情報をお知らせしました。今回は、その実行委員の一人であり「地ビール界のイチロー」の異名を持つ若き醸造士、城端麦酒(じょうはなビール)の山本勝(やまもと・まさる)氏を紹介します。

2001年5月に地ビール製造免許を取得し創業した城端麦酒の母体は、地ビール造りとは全く縁のない自動車板金工場。山本氏は板金の仕事の傍ら独学で地ビール造りを開始しました。地ビールブームが去った後の創業ということもあり、途中、商品が売れなくて存続の危機を迎えながらも、諦めることなく商品開発を続け、2005年の国際ビール大賞ではエントリーした3種類の商品全てが受賞。業界内での評価が上がる中、それに呼応するかのように地元のファンも少しずつ増えていきました。

Grandblue_3 そして先月5日、6日。「タナバタ・ビアフェスタ・トヤマ2008」の会場で、エメラルドのような青い色と柑橘系の爽やかなフレーバーが特徴の、青い地ビールが発表されました。同時にネーミングを募集し、応募作品の中から「Grand Blue(グランブルー)」に決まりました。この名をつけた応募者は二人いたそうです。ちなみにそのうちの一人は私です。

「自信が持てる状態の地ビールしか出荷しない」

いつまでもその心意気を大切に!と私もエールを送ります。名付け親として。(佐藤 健)

城端麦酒(じょうはなビール)
http://www.jo-beer.com/

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2008年7月18日 (金)

【富山】 昼競りのある漁港

1_2 競り人の独特の声と熱気、早朝の魚市場はどこも活気に満ちています。逆にお昼の魚市場は森閑としているのが相場・・・と思ったら大間違い! 射水市にある新湊漁港では朝と昼の2回競りが行われるのです。朝競りは未明までに水揚げされる「定置網もの」が多く、昼競りでは、未明から午前中にかけて水揚げされる「釣りもの」がメインなのだとか。昭和24年の開港当初は漁船が着くたびに競りが行われたそうですが、その後、朝と昼の1日2回に変わっていったそうです。
午後1時から行われる「七時(などき)の競り」と呼ばれる昼競りにかけられた魚たちは、築地や名古屋をはじめとして、射水市や富山市、高岡市のお寿司屋さん、和食店へと主に運ばれていくそうです。昼競りの魚を夕方、店に出す・・・「キトキトの魚」の所以がここにあるのでしょうね。
県内の小学生も社会見学に来る新湊漁港の昼競り。取材当日は南砺市立城端小学校の児童が社会見学に来ていました。

さて、私の家の近所にこの新湊の魚を出してくれるお店「海鮮屋たにぐち」があります。ご主人の谷口氏は代官山のイタリアンで修業をしたことがある経歴の持ち主ながら、朝から魚屋さんで働き、自ら新湊漁港で魚を仕入れ、夕方からは富山市のお店で料理を提供しています。刺身や焼き魚などは勿論、スペシャリテの「バイ貝のオリーブオイル煮ジェノバ風」は佐藤一押しの絶品! エスカルゴ・ア・ラ・ブルギニヨンヌを髣髴とさせる海のエスカルゴに乾杯!

2_3私がこの店で食べたビックリ食材といえば、鯖白子や鮟鱇卵など、新鮮であるが故に口にできるものが数多くあります。江戸前にも負けない(?)越中前の魚を、あらゆる料理人が知り、触れて、活かせるようになれば「魚を食べに富山に行こう!」というお客さんが増えるに違いない! と、常々私は思っています。(佐藤 健)

3_3「海鮮屋たにぐち」 
富山県富山市大町2区287-2
TEL076-422-4114
営業時間18:00頃~22:00頃(ネタもしくはお客さんがいなくなる頃まで)
日曜定休(新湊の祭りなどで臨時休業する場合あり)

写真上:「海鮮屋たにぐち」のある日のお造り。左上からマゴチ・〆サバ・ドンボイワシ(ウルメの大きいもの)・メイタガレイ・シロギス、とのこと。写真下:スペシャリテ「バイ貝のオリーブオイル煮ジェノバ風」。コリコリとした身、ネッチリとしたワタ、プルンとした身とワタの間の部分など、バイ貝の魅力を余すところなく表現している逸品です。

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2008年6月23日 (月)

【富山】 「タナバタ・ビアフェスタ・トヤマ2008」

080617_5 みなさんは富山の地ビールを飲んだことがありますか? 私は富山の地ビールを多くの方々に知って楽しんで頂こうと「ビアブリーズとやま」というイベントを企画し、県内メーカー5社と県外メーカー1社の協力のもと、これまで年1回、計4回実施してきました。そして今年は、地ビールメーカーと地ビールを愛する有志が実行委員会を作り、イベントをさらにスケールアップさせました。その名も「タナバタ・ビアフェスタ・トヤマ2008」

7月5日・6日の両日、富山市中心商店街の再開発地区にできた全天候型オープンスペース「グランドプラザ」を会場に、県内3社(城端麦酒、オオヤブラッスリー、宇奈月麦酒館)、県外9社(日本海倶楽部(石川)、越の磯DIOSビール(福井)、ヤッホー・ブルーイング(長野)、新潟麦酒(新潟)、飛騨高山麦酒(岐阜)、富士桜高原麦酒(山梨)、サンクトガーレン(神奈川)、二軒茶屋餅角屋本店(三重)、箕面ビール(大阪))の計12社、約30種類の地ビールをサーバー出しで楽しめるという日本海側最大級の地ビールイベントが行われるのです。

私自身は相談役的な立場でこのイベントに携わっていますが、国内外ビアコンペティションでの受賞経験豊富なメーカーも数多く参加するとあって今から楽しみです。詳しくはイベント専用ブログ(http://blog.goo.ne.jp/beerfesta-toyama/)が開設されていますので、ご確認ください。地ビールファンも、そうでない方も、今年の夏は富山で地ビール! ですね。(佐藤 健)

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佐藤 健:放送局の営業にして日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。料理のジャンルを問わず、食材の新たな可能性を追求する料理人との出会いを至上の悦びとするエピキュリアン。優れた食材の供給源ではなく、新しい料理の発信源として地元富山が広く認識されるよう地方から発信したいと思います。
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