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2012年1月24日 (火)

【東京】日本初のお弁当屋「弁松」

読者アンバサダーの草薙です。今回は日本橋にまつわる話題を。と言っても、地名ではなく、まさにあの「橋」。2011年は日本橋架橋100周年でした。

橋のある中央区では至る所で100周年を祝うイベントが開催されていましたが、中でも私のハートを鷲掴みしたのは、「弁松」から発売された日本橋架橋100周年記念弁当「百寿」。中身もパッケージも特別仕様のお弁当で、値段もセンスの効いた1911円!! これは買わずにいられません。

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江戸時代の終りに日本橋東河岸で初代が開いた食事所「樋口屋」。忙しい客のために、食べきれずに残した食事を竹皮に包んで持たせたところそれが評判に。三代目の松次郎は食事所をたたみ、日本初の折詰料理専門店を1850年に開業します。弁当屋の松次郎、略して「弁松」と呼ばれていたのがそのまま屋号に。本店のシャッターは浮世絵が豪華!

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そうして今は八代目。創業当時からの濃ゆい味付けを守り続けています。八代目のコレクションである、日本橋を描いたハガキでデザインされたパッケージの記念弁当「百寿」。ふたを開けるとイラストで描かれた100年前の日本橋が飛び出してきます。大人も子どもも楽しめる何ともポップな仕掛けにセンスを感じます。

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中身は甘辛で濃厚な味付けの野菜の甘煮(うまに)、出汁の効いた卵焼き、百人一首にも歌われたタコの桜煮、弁松スイーツの豆きんとんなど、弁松のお惣菜のほぼ全てを味わえるラインナップ。そしてご飯はおめでたい紅白おにぎりという、箱も中身も目も楽しめる豪華な一折。

私の中で弁松と言えばお赤飯のお店であり、お惣菜を味わって食べたのは初めてでしたが、改めて江戸から続く“甘辛”で“濃ゆい”味つけを満喫しました。

ヘルシーで薄味嗜好の今の時代にあえて真逆を貫く姿勢は見事です。確かにどれも甘くて濃い。でも癖になる。この味付けじゃないとダメという常連が多いのもうなずけます。常連さんが100歳のお祝いにまとめ買いするというおめでたい話もあったようです。歴史を、感じますね。
(『料理通信』読者アンバサダー 草薙清子)

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【ブログ、必見です】
「弁松」さんのブログを発見。これがまた、どうにもこうにもユニークなんです。老舗なのにこのユルさ! 営業Cと共に胸を打たれ、二人で“お気に入り”に登録しました。素敵な八代目だなぁ。 (管理人)
「弁松かわら版」→ 
http://benmatsu.seesaa.net/
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Fin

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2012年1月 4日 (水)

【東京】渋谷にある「ブルターニュ」

突然ですが、みなさんクイズです。下の写真のオリーブに刺さっているのは、何の旗だかご存知ですか? ガレットやクレープをはじめ、ゲランドの塩、有塩バター、塩キャラメル、シードル、オマール海老や牡蠣などの海産物で知られる、フランスの北西部といえば……。

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そう、答はブルターニュ。モノトーンの地方旗は、現地のブルトン語で“Gwenn Ha Du”(グウェン・ア・デュ)=「白と黒」と呼ばれるそうです。

今回ご紹介するのは、渋谷・松涛のクレープリー「ティ・ロランド」。ガレット&クレープの専門店だけあり、ブルターニュ文化に対する並々ならぬこだわりを感じます。まず、エントランスの看板がブルターニュの旗をモチーフにしたデザイン。

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店名の“Ti”はブルトン語の「家」。フランス語なら“Chez”。つまり「ロランドさんの家」の意味。白黒ストライプと、動物の白テンを表す「エルミン」と呼ばれる紋章は、ブルターニュ地方を旅していると何度も目にするおなじみの図案です。

生地には、そば粉と塩、水しか使われていません。卵などを入れる店もありますが、そば粉の風味を最大限に活かすにはシンプルがいちばん。ただ、シンプルであるほど、そば粉の質が問われます。お店では、日本産のそば粉を二種類ブレンドして使用。最終的にそば粉のブレンドをジャッジするのは、お店のクレピエであるジャン・ポールさんが修行したパリのクレープリー“Ti Jos”のロランド夫人だそうです。

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上の写真は、フォアグラ、生ハム、洋梨のソテー、ポーチドエッグ、マンゴーのピュレが添えられたゴージャスな2011年クリスマス・ガレット。いただいたのは、お店で開催されたケルティック・クリスマス・コンサートの日でした。演奏はKAAZ Celtique(カーズ・セルティック)。手前から、山根京子さん(キーボード)、山根篤さん(バグパイプ)、大竹奏さん(フィドル)。

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KAAZ Celtiqueはバグパイプを中心としたケルト音楽のグループ。そう、フランスのブルターニュは、アイルランドやスコットランドに連なるケルト文化の地であり、音楽にはそれが強く反映されています。

ちなみに、最近多くの日本人が耳にした意外なブルターニュ・ミュージックは、ジブリの「借りぐらしのアリエッティ」主題歌かもしれません。歌とハープのセシル・コルベルさんは生粋のブルトン人で、ブルターニュ西部の街、カンペールのレーベル“Keltia Musique”からアルバムをリリースしています。KAAZ Celtiqueも共演したことがあるそうです。

この日は、スコットランド、ブルターニュ、クリスマスソングなど織り交ぜての演奏でしたが、ハイライトはお客さん全員参加のブルターニュ・ダンス! みんなで大いに盛り上がりました!

ブルターニュ色を強く打ち出し、お店のアイコンやインテリアも「白と黒」のモノトーンを基調に、ぐっと大人向けのクレープリーを作り上げたのは、店主の服部さんです。

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もともとホテルやレストラン、航空会社向けのテーブルウェア・プロデュースの仕事をされていたとのことで、店のインテリアや、アティテュードまで含め一貫したスタイルを感じてしまうのは、前職で培われたセンスが関係しているのかな、と想像したりします。

2010年にオープンし、いきなり翌年に震災を体験。店のコンセプトがなかなか理解されないケースもあるそうですが、それでも初志をつらぬく服部さんの姿勢に、ボクはすごく共感しています。

渋谷の小さなブルターニュ。いつも気になるお店です。
(『料理通信』読者アンバサダー 和田和己)

クレープリー ティ・ロランド
http://ti-rolande.com/
http://www.facebook.com/pages/Creperie-Ti-Rolande/135389039899601
東京都渋谷区松涛1-28-11
TEL:03-5456-8177
11:30~21:30(L.O.) 月曜定休

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【今年も1年よろしくお願いいたします】

明けましておめでとうございます。全国各地の食情報をお届けする「ニッポン列島食だより」。今年も緩やかに更新してまいります。たまにプレゼント企画を織り交ぜてみたり! 今年も1年、お付き合いのほどどうぞよろしくお願い申し上げます。(管理人)
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Fin

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