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2011年5月18日 (水)

【香川】伝統野菜「炭谷ごぼう」

こんにちは。高松のアンバサダー、小池です。第3期アンバサダーの任期が今回で終了となります。(小池さん、1年間、香川から届く未知の情報が楽しみでした。大変お世話になりました!:管理人。最後は、私が今、もっとも注目している香川の伝統野菜「炭谷(すみや)ごぼう」について書きたいと思います。

炭谷ごぼうは、香川県高松市塩江町(しおのえちょう)の炭谷地区に伝わる伝統野菜です。ずっしり太くて香り高く、噛み締めたときの甘みが秀逸。あくまで個人的主観ですが、ごぼうを食べてこれほどまでに印象に残る味はほかに経験がないほどのおいしさです。

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↑炭谷ごぼう。京野菜の堀川ごぼうを思わせる“迫力”と“おいしさ”

そんな素晴らしいごぼうなのに……、
現在、生産者が最後の一農家となり、存続の危機を迎えています。

炭谷ごぼうは、昭和初期頃から地域自慢の特産品として地元、塩江温泉(しおのえおんせん)の旅館や料亭などでもてはやされ、当時は役場のお歳暮としても利用されていたほど。

ところが、高度成長期頃を堺に温泉街の賑わいは静まり、集落に5~6軒あったといわれる炭谷ごぼうの栽培農家は、後を継ぐ者もなく、高齢化により次々と栽培を辞めてしまいました。そして、現在はただ一軒、高齢のご夫婦が細々と栽培を続けているだけになっています。

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↑最後の生産者ご夫妻。炭谷ごぼう栽培は、機械も入らない傾斜のきつい畑で、すべて手作業で行われます。

県も認める伝統野菜でありながら、そもそも生産量が少なく、香川、いや高松の人でも、知る人ぞ知る幻の野菜でもあるのです。今年になって、野菜小売店の社長や野菜ソムリエ、料理人、食品関係者ら数人が、炭谷ごぼうをなんとか後世に残そうと、動き出しました。私も応援したいと思っています。

先日、生産者ご夫婦をお訪ねすると、「体が元気なうちは、自分らでできることをやるだけや」と、淡々と畑仕事をしていました。どうやって後継者を見つけるか。生産者よりも、ファンのほうが熱くなっているかもしれません。炭谷ごぼうの出荷は12月中旬~翌2月中旬。来年の栽培には新たな生産者、いや協力者でもいいのでブレーンが登場することを願ってやみません。

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一年間、香川の食の話題をお届けできたことをとても嬉しく思います。うどんだけじゃない香川の魅力を、またいろいろなところでお伝えしていきたいと思います。ありがとうございました。(小池よう子)

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