【東京】日本酒をもっと知りたい
■第1期アンバサダーの松山です。こんにちは。 今は遠い昔のような2月の話です。赤坂の広東名菜「赤坂璃宮」本店で、『日本酒と広東料理の夕べ』という催しがありました。宮城県を代表する酒蔵の一つ「一ノ蔵」さんとの賞味会です。甘く爽やかな発泡酒、品評会クラスの大吟醸、とろっとした舌触りの平成23年度新酒のしぼりたて「金龍」、辛口の特別純米酒「松籟(しょうらい)」と順に飲み比べ、それぞれの特徴に添わせるような料理、ミル貝の湯引き、赤崎牡蠣のスパイス揚げ、牛テールのスープや皮つき豚バラ等と食べ進みます。
黄色いハッピを着ているのが一ノ蔵さん。
一ノ蔵の鈴木社長さんの、「醤(じゃん)文化圏の広東料理と、醤と同じ発酵食品であり、麹や酵母と使って醸造された日本酒は好相性」、「日本酒は刺身などのさっぱりとした料理に合うと思われがちですが、燗することで動物系の脂や植物系の油を切ってくれる力も持っているので中華でもフレンチでもイタリアンでも合わせられるんです!」との言葉に、なるほどと膝を打ち、グラスに伸びる手には弾みがついてしまいます。
そうして、あらためて口にする日本酒は、すっとした切れを感じる飲み口で料理に添わせる懐の深さ。
写真は、目にも鼻にも綾なる香り高い金柑のデザート。食後酒のようにいただいた7年熟成酒「招膳」と好相性でした。
さらに水や米の地域特性を持ちつつもワインのヴィンテージのように年度によって出来に差異が少ないのは作り手である杜氏の高い技術のなせる技、という話なども伺って、遡っては神事につながる日本酒文化を理解して、日本酒の愉しみ方をもっと広くしていこうと思った楽しい一夜でした。
今回の大震災にあたり、多くの蔵元さんが大打撃を受けられたことに心が痛みます。日本酒を店頭で見かけたらまず一本手に取ってみる、そこから始めようと思います。(松山記子)
●一ノ蔵 ホームページ
URL: http://www.ichinokura.co.jp/
現在ホームページでは、震災後の復旧状況が報告されています。また、『 蔵だより 』では、麹やもろみなどの様子や、被災の状況と復興に向けてのプロセスが丁寧にレポートされています。
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「緊急速報が鳴る度に人も酒もご無事で! と念じてしまいます」という想いととともに、この原稿をいただきました。一ノ蔵さんの本社蔵2階事務所には、お客様から送られた寄せ書きが飾られているようです。“ファイト!”とか、“大好き、一ノ蔵”など、温かいメッセージがぎっしり(詳細は『 蔵だより 』に)。続く余震に耐えながら、酒造りに備える蔵の皆さんの姿を拝見し、一日も早く、安心できる日が訪れますようにと願わずにいられません。
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