【ゲスト/静岡】深蒸しVS浅蒸し
みなさんこんにちは。静岡のかなざわゆうです。今回は、伝統的な「緑茶」についてご紹介したいと思います。それでは本日も、まずは言葉の定義から。
緑茶とは、『刈り取った新芽をフレッシュなまま熱処理をして作るお茶の総称』です。具体的には、煎茶・玉露・かぶせ茶・茎茶や粉茶など。緑色じゃなくても、ほうじ茶もこの分類です。
先月の記事に、深蒸し茶は日本茶の業界では新製法だと書きました。深蒸し茶とは、「煎茶」をさらに2つに分類したときの製法名で、濃い緑色をしているのが特徴です。
こちらは深蒸し茶。緑色が濃く、渋みが少ないのが特徴です。
戦後、都会のカルキ臭の強い水にも負けない味のお茶を作りたいと、東京の茶専門店と静岡県の生産者が創り出した製法で、東京を中心に関東では大人気となりました。
それに対して伝統的な煎茶は、新芽をさっと蒸して作る、浅蒸し製法。昔は、良質なお茶は、白水(はくすい)や、銀を引く色といい、茶液はうっすらと黄金色が出ている程度がよいとされていました。
こちらの写真は浅蒸し茶。透明感があり香りが高く、余韻が長いのが特徴。
できるだけ茶葉を刻まず、そっと揉みほぐすように揉むことで、茶葉のエキスだけを湯の中に浸み出させたのです。そういう茶葉は、お湯を注ぐと新芽の形に戻り、食べるとシャキシャキとした青菜のような食感です。
市販茶ではなかなか手に入らないものですが、こちらも浅蒸し茶です。色の薄さに反して、味は濃い!んですよ。
深蒸し煎茶は渋みが弱くマイルドで、色の濃さがおいしさとなり、一方、浅蒸し煎茶は香り高く、淹れ方次第で甘みと渋みのコントラストを楽しめます。
どちらもそれぞれのよさがあるので、料理やお菓子に合わせて選べるよう2種類常備するのが、私のおすすめです。(かなざわゆう)
| 固定リンク