【鹿児島】ソウルスイーツ「ふくれ」
今月号の料理通信はスイーツ特集。どれも色鮮やかでおいしそうなものばかりでしたね。日本にもその土地の文化に由来した伝統的郷土菓子がたくさんあります。
鹿児島の郷土菓子の代表格は「かるかん」。ほかにも、餅米を灰汁で炊く「灰汁巻き」や下駄の歯の形に似た焼き菓子「げたんは」など、素朴でチャーミングなお菓子がたくさんあります。
なかでも私の一番のお気に入りが「ふくれ菓子」。ふくれ菓子とは、黒砂糖、小麦粉、卵などを原料とした蒸し菓子で、鹿児島に移り住んで、初めて食べた時からなぜか懐かしく、ほっとする味でした。きっと、子どものころ日曜日の午後に母親がよく作ってくれた蒸しパンに似ているからでしょう。私にとってまさに幸福の味なのです。
鹿児島市内に、今注目のふくれ菓子のお店があります。お店の名前はFUKU+RE(フクレ)。
写真:FUKU+REレのギュラー商品「Peche mignon」
オーナーの新保美香氏は、大学卒業後に渡仏。仏人料理研究家に師事し、フランスの料理雑誌・書籍で料理制作やスタイリングを担当。帰国後フードプランナーを経て故郷鹿児島に同店をオープンしました。
このお店が作るふくれ菓子は、伝統的郷土菓子を現代の感性でアレンジしたもの。フランス産クーベルチュールチョコレートを混ぜ込み、ラズベリーをアクセントにしたものや、ポートワインでコンポートしたプルーンを入れ、オレンジとシナモン、ナツメグなどのスパイスを効かせたものなど、魅力的なものばかりです。材料も完全無農薬の石臼小麦粉や、平飼有精卵など厳選したものを使っています。
どの商品も細長いロールケーキのような形状で1本売り。この“一本売り”に、オーナーのこだわりがあります。それは、「家族や友人がテーブルを囲み、1つのケーキを切り分けるという、ゆったりとした時間も提供できれば」という想いから。
写真:ついつい長居してしまうアトリエ
優れた商品の提供だけではなく、食を通したコミュニケーションまで提案するところから、2児の母でもあるオーナーの食と家族に対する深い愛情を感じます。
購入はネットでのお取り寄せと、予約してからの店頭渡しのみ。青山の国連大学前で行われるファーマーズマーケットなど、都内のイベントにも不定期ですが出品しています。大切な人との時間を、心和むこのお菓子とともに過ごしてみてはいかがでしょうか。(杉村輝彦)
●FUKU+RE(フクレ)
鹿児島県鹿児島市名山町3-11
TEL:099-210-7447
http://fukure.ocnk.net/
| 固定リンク

![料理通信社オフィシャルWEBサイト[料理通信ONLINE]へ](http://trippa.cocolog-nifty.com/photos/title/rt_banner.gif)




