【鹿児島】昭和の香り漂う朝市案内
九州新幹線全線開業を来年3月に控え、最南端の停車駅である鹿児島中央駅周辺は再開発が進み、新しい街に変わりつつあります。駅ビルは今や鹿児島を代表する集客施設となり、週末には様々なイベントで賑わい、ホテルも次々と建設されています。
母娘で切り盛りする八百屋さん
そんな鹿児島中央駅東口から徒歩5分程度の裏通りに,昭和の雰囲気漂う昔ながらの朝市があります。 戦後のヤミ市から始まった「西駅朝市」と「指宿線朝市」、それに様々な商店が隣接し、現在70店舗程が営業しています。プロが集う市場とは違って、お客さんも店員さんもマイペース。全体的に少し雑然とした雰囲気で、飛び交うリアルな鹿児島弁はまるで異国の言葉。さながらどこかアジアの市場を歩いているような気になります。
市場に並ぶ商品は、魚、野菜、花、総菜など日常的なもので、奄美の特産品も充実。価格はもちろん市場価格でなかにはこちらが呆れるような値段のもの。獲れたてのキビナゴ1kg600円、完熟マンゴー3個1000円、カレーライス200円など、格安な商品が段ボールの上などにワイルドに置かれています。
今が漬け込み時期のラッキョウと梅が大量に並ぶ八百屋さんに話を伺うと、地元のお客さんがほとんどですが、新幹線利用の方が安納芋などを宅配で購入されることも多いとか。鹿児島中央駅を利用する際にはぜひお立ち寄り下さい。飾り気のない鹿児島の日常商品。一見無愛想ながら、鬱陶しいほどお節介で親切な人々。ここでは素顔の鹿児島が体験できます。鶏飯。副菜がついて500円
お腹が空いた時は、「西駅朝市」内にある食堂の鶏飯(けいはん)がお薦め。鶏飯とは奄美地方の郷土料理で、鶏出汁で作ったお茶漬けのような食べ物。ご飯に蒸した鶏肉を裂いたもの、錦糸卵、椎茸、漬け物などが入っており、ご飯が麺に変わる鶏ラーメンもあります。そして、店の人の気分次第ではサツマイモやフルーツなどが卓上に置かれることも。「こちらはサービスです」なんて声かけもないので、手をつけていいのか迷うことになりますが、躊躇せずにいただきましょう。(杉村輝彦)
●鹿児島中央駅前朝市
鹿児島市中央町15-1
TEL:099-256-5041(鹿児島中央駅前朝市協同組合)
営業時間:朝5時から13時くらいまで(お店によって異なります)
日曜祝日
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杉村輝彦:鹿児島在住1年余り。鹿児島県庁で特産品のPRを担当。焼酎王国の地で苦手だった焼酎も克服し,今では「黒千代香」でゆっくりお燗をする正統派スタイルで晩酌を楽しむ日々。南北600キロにも及ぶ鹿児島のバラエティ豊かな食文化を紹介したいと思います。
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