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2010年5月10日 (月)

【東京】新しいけど老舗です

Echigoya1_3 1954年、世田谷区上馬にこのモノクロ写真に写っている食料品店「越後屋」がありました。この店は後年「越後屋精肉店」と名称を変え、写真の右端に写っている先代のご主人が長年に亘り地元に密着した商いをされていました。
個人商店に歴史あり。時代は変われど、お客さんへの愛情は変わりません。

私はこの界隈に住んで約30年になりますが、肉は「越後屋精肉店」と決めていました。白い仕事着に下駄を履き、いつも柔らかな物腰でにこにこと相手をしてくれる先代のご主人と、延々四方山話をしながら買い物をするのは良い気持ちでした。ここで商っている肉が実に美味しく、肉好きには重宝なお店でしたが、脂身が滑らかで、醤油味の煮汁が染みこんだ手作りの焼き豚が絶品で、これでご飯を食べるのが長年の密かな楽しみでした。先代が亡くなった後「越後屋精肉店」は暖簾を下ろし、暫くの間ひっそりとしていましたが、2007年に当代のご主人が「café Fun Run」(カフェ ファンラン)として再び暖簾を上げました。このカフェのご主人が、モノクロ写真の先代ご主人に抱っこされた赤ちゃんです。

Echigoya2_2カフェには懐かしい焼き豚と1954年当時「越後屋」にあった揚げ物も復活!メンチカツ、コロッケ、フライ、ひじきの煮物、シュウマイなどの定番のお総菜の他に、季節によって、日によって、多種多様なお総菜がカフェの店頭に並ぶようになりました。「近所で夕飯のおかずが手軽に買えて、しかもとても美味しい!」のが嬉しいところ。メンチカツとコロッケは家族も、家に来る友人達も大好きで「遊びに行くから買っておいて!」と言われるほど。また、お土産に揚げたてを持参すると、とても喜ばれる上に、他にない味、しかも地元のお店の物なので「うん、うちの近所のお店なんだけどね…。」等と言いつつ、誇らしい気分に浸れます。時折カフェで食事をすると、ご主人が気さくに話しかけてくれるのですが、これはきっと先代譲りの細やかな心遣いの表れでしょう。
気取りなく、厭きないお惣菜こそ地元密着商店の醍醐味。

先日お店に入ったら、先代の頃のお客様が「やっぱり越後屋さんだったのね。」と懐かしそうにご主人に話しかけているところでした。店構えが変わったので、恐る恐る入ってみた、とのこと。「ひとり暮らしに丁度良いわね。」と言いながらカフェの席に着き、ご飯と店先のお総菜を注文していました。

店は新しくなったけれど、先代から受け継がれてきた親しみやすさ一杯の雰囲気を受け継いで、地元の人たちに喜ばれている、そんな「新しい老舗」がこれからも更に愛されて地元を幸せにして欲しい、とメンチカツを食べながらしみじみ思うのでした。(海月)

●café Fun Run(カフェ ファンラン)
東京都世田谷区上馬 4-29-7 
TEL:03-3419-1192

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