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2010年4月 5日 (月)

【東京】日本酒を飲みたくなる場所

Sakura_2仕事で行った福岡で、夜桜を楽しんできました。公園での花見で、ついつい手に取ってしまうのは、やっぱり日本酒。今回のお供はお隣山口県のお酒「獺祭」。岩国に住む友人から贈られて以来、僕の中ですっかり定番化してしまった日本酒です。 辛口ながらも、やさしく自然な甘さと、とってもフルーティーな香りをもつ「獺祭」は、まだ少し肌寒い春の夜桜にはぴったりのお酒だと思います。

美しく咲く桜の木の下に座って旧友とのんびりお酒を飲む。本当に自由だなぁと感じます。普段僕たちはきちんとテーブルに着いて、食器を使って食事をとっていますが、こうして地べたに座って、自由な気持ちでお酒を飲んでいると、何かを食べたり飲んだりするという行為は、本来とっても自由なものなんだなというとこに改めて気づかされます。最近街中で飲み食いすると、いろいろな素材を上手に組み合わせた内装で、綺麗に照明して、小洒落た輸入食器を使ってと、どこに行っても、ある意味で質の高い空間に遭遇します。そういったあり方もある程度までは心地よいのですが、ここまでスタイルとして定着してくると、なんだか過剰で窮屈になってきます。そもそも、そんなレストランは平らなフロアに整然とテーブルが並んで、良く空調されて外部空間との関わりもなく、運営する側に都合が良いように計画されているんですね。段差があって、ちょっとくらいオペレーションが難しくたって、例えば大きな階段のようなフロアに腰掛けて、いっぱいに開かれた大窓の先の庭を楽しみながら、ビールを飲めるようなレストランがあっても良いと思うんですけどね。

家を建てる時にも、そんな遊び心を忘れないことが大切だなと思います。多くの人は、面積はこれくらいで、こんなテーブルが置けて、良いスピーカーで音楽を楽しみながら、おいしくご飯を食べるのに最適なダイニングが欲しいと考えているようです。食べ物が一番おいしく見えるのってどんな照明なんですか??といった具合に。でも、そんな○○する為の専用の場所って、実はちょっと窮屈なのではないでしょうか?そもそも僕たちは、歩きながらだって、地べたに座りながらだって、太陽の下でだって、月明かりの下でだって、おいしく飲み食いできるんですよね。

例えばダイニングの窓を開け放つと、壁で囲われたテラスとひとつながりの部屋になるようになっていて、今朝は天気が良いから、テーブルをテラスに出して朝食を食べようとか、今日はリビングの天窓から月が綺麗に見えるから、そこに布団を敷いて寝ようとか。あるいは玄関だか部屋だか分からないような、庭の見える少し広めの土間があって、お隣の桜が咲いてきたから、そこに座って日本酒を飲もうとか…。

Dassai

磨き三割九分と夜桜。味わいと香りとビジュアルの至福のマリアージュでした。

何かをするための専用の場所を集めて作った家ではなくて、特徴的な性格を持った場所がいくつもあって、そんな場所が季節や天候によって様々に表情を変える家。ついつい○○をしたくなるようなきっかけが、いろいろな所にちりばめられた家。いつか、そんな家でおいしい日本酒を飲みながら生活したいものです。(金子広明)

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