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2010年4月30日 (金)

【ゲスト/フランス】結人・むすびと

Musubito_2 若き酒造家の兄弟が力を合わせ群馬一の銘酒をめざし醸した日本酒。群馬県前橋市にある小さな酒蔵で、酒造りの最盛期にあたる12月~3月位までの時期にしか造られません。特にこの地は赤城おろしが有名な乾燥地帯、昔から酒処と言われているところは雪国で、新潟、秋田、北陸とまさにその名の通りの環境ですが、それと比べて群馬は決して酒造りに適したところではなく酒も取り立てて注目されるような銘酒が殆んどありません。そこで、どうしても全国レベルの酒をと決心し、挑戦したのがこの結人なのです。

元々この柳沢酒造はもち米を原料にした甘い酒しか造っておらず、本物の純米吟醸酒をどのように造るかも分らず試行錯誤の繰り返しで3年を費やしたといいます。目標とする酒はほのかな含み香とボリューム感のある味わい、そして、切れの良い酒。それに少しでも近づけるように酒造りをする毎日でした。そんな中で小さなタンクで仕込む方法や無ろ過の酒を造るのに愛知県の九平治の蔵(萬乗醸造)に技術的な指導を受け、徐々に目標とする酒に近いものが出来ました!

↓中央の酒屋店主を挟んで、右が兄・左が弟です。

Musubito2_2 しかし、一番苦労したのはせっかく出来た良い酒が売れなかった事。最初は別の名で売り出した時、県内でも100件以上の酒屋が手を挙げてはくれたが、実際には置いて貰っただけで殆んど売れずじまいだったとのこと。3年ほどして、全て一からやり直そうと酒の銘柄も“結人”に変え、取扱いの酒屋を各都市一軒に絞り、やる気のある酒屋さんだけの組織を立ち上げると徐々に売れ出し、酒質の向上と相まって結人を手にした方の評判も良く、リーピーターも増え、県内でも注目される酒になりました。

どこかで目にしたら、是非とも飲んでいただきたい群馬の誇る貴重な酒です。(金井麻紀子)

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